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『夜鷹無限上昇』 役別雑感

はい、
ロデオ★座★ヘヴン
『青い童話と黒い音楽』

「夜鷹無限上昇」の役別雑感です。

長いよ。ものすごい分量になったよ!
しかたないよね! うん!


↓ ネタバレ&長文注意!

>仁科鷹雄@音野暁くん
鷹雄先生を演じたのは、
ロデオ★座★ヘヴン副主宰の音野くん。
稽古期間中にTwitterでUPしてた最終通し稽古の
スーツ着てる佇まい写真で、すでにグラッときてました。

んで、登場しての気難しげな空気から
フッと笑うの見て「あ、やばいやばい」と。

そんでオープニングの、
人生を奏でるように指揮をしている姿を見て
ものの見事に撃沈しました。

あとはもう、延々と追い打ちをかけられている状態。
まいくろのライフはゼロです。マイナスです。
なんですが、あの音野くんは!!
9月にゲキバカで演じてた
ゲス野郎「田島」の印象が、ぶっ飛びました。
(でも、この記事書いてるあたりで
 また脳内に田島がぬけぬけと戻ってきてる・笑)


「いつものように音楽を貶めていた」の哀愁とか、
ピアノ弾いてるときのブレない手とか、
カップ叩きで後半に余裕ぶってるところとか、
楽器名連呼の、キレッキレの目覚め顔とか、
はいつくばって泣きべそのところとか、
宮野記者にたいする紳士的な振る舞いと
昔話に我を忘れるときのギャップとか。
わずかな希望にすがりつく際の、
他の全てをかなぐり捨てた鬼気迫る姿とか。

そんでとどめに「ずっとここにあった…」ですよ。
一度目は先生の表情ばっかり見てたのですけど、
二回目観たら彼の手のひらに小さな光が当たっていて、
それをとても愛しそうに先生が見ているもんですから、
二回とも泣くなってほうが無理。

正直な話、宮野さんがあらわれて
彼はまた「本当の音楽」を聞くことができました…
ってのは、私にとってはかなりのファンタジー展開。
鷹雄先生の人物像が半端なものだったら
ここまで入れ込まなかったと思います。

ほさかさんは描ききって、
成島さんはそれを具現化しきって、
音野くんはそれを全力で表現した。
脚本・演出・そして役者。
全員が同じ景色を見ることができたんだなぁというのを
ひしひしと感じました。


で、音野くんはアレだけのことやっといて、
ちゃっかり乗客としても『カンパネルラ』に出てるわけ!

いや、きっと彼も必死に平静な演技してるんだと思うんです。
こっちでは鷹雄先生の役じゃなくて別の役ですし、
むしろ鷹雄先生を引きずって出てくる方が
役者としてはダメなんです。
それはわかってる。百も承知です。
でも…でもこっちは鷹雄先生のあんな表情見せられて
まだ涙ボロボロなんだってば!(笑

あのね、「出てこないで」って意味じゃないんです。
その切り替えができちゃうところが、
なんか悔しくて嬉しくて誇らしい…てな感じ。
何より、そういう人を観れる事が、すごく楽しい。

もう、まいくろは色々な気持ちで胸がいっぱいになって、
どうしていいのかわからなくなりました。
無理なのは分かっていても、この気分をあえて言葉にするなら
「こんちくしょー!」と表記して
「音野くん好きだ!」と発音するとでも言えばいいのかなぁ。



>宮野月見@井上真菜さん
鷹雄先生の曲を聞いて
「上昇していく鳥」をイメージした彼女。
1万時間かけなくても、
彼女の中には「音楽」を聞く才能が芽吹いていたのかな。

彼と語ったあの夜の記録を、
宮野記者は未だ記事にできないままです。
それは、歴代の音楽家達が
本当の「音楽」を耳にしても楽譜に残せなかったのと
同じような感じなんだろうか、と。
彼女を見ていて、なんだか手紙みたいだな、と思いました。


彼女は作中、二度カップを叩きます。
一度目は、鷹雄先生に引っ張られるように
無邪気に楽しんでんでいました。
このシーンの二人がなんとも幸せそうで大好き。
「あぁ、これが音楽かぁ」と思ったまいくろ、
次のシーンでおもいっきり否定されました。
なんというか…うん、いっそ清々しかった(笑

そして二度目のカップ叩き。
頭の中にあるものを探るように、一つずつ。
その真剣な表情と、
やがて形になるたどたどしいリズムにジワジワ。
そして周りの「人々」が手を叩く演出に、
ブワッとこみ上げてきました。
「本当の音楽」を自分の身体で、
自分の人生をもって奏でてるのかなぁ…って。

暗闇の中で先生に呼びかける声が、
とてもとても優しく安らいでいて、印象的。
それを言う彼女の横に鷹雄先生は居るような、
同時に高い空の上にも居るような、
そしてどこにもいないような。

「仲間」では表現しきれない、二人の関係。
美しく描かれていました。

鷹雄先生が彼女と出会えたことに、
素直に「よかったねぇ」と思うと同時に、
ちょっと嫉妬しました。
鷹雄先生と分かり合えた彼女にではなく、
共有できる相手と出会えた先生に対する嫉妬ですね。



>高島恭二@森田陽祐さん
鷹雄先生の、音大時代からの友人。
彼も作曲を生業にしており、
CMソングなどをちょいちょいと。

彼ね、自分の作った曲が、
芸術的にも商品的にも半端なの分かってる。
でもそうやって経験を積んでいくしかなくて、
一発大当たりなんて滅多にないのも知っている。
言葉の端々から、覚悟を感じました。

大成した友人に嫉妬したり陥れたりせず、
でも、ちょこっと自分を紹介しといて欲しいってところが、
なんとも可愛らしくて、イイ人だと思います。

「ピアノを処分したら、
 そこにセミダブルのベッドを置けるぞ」
てな感じのセリフがあるんです。
なんか、象徴的だなって思いました。
人間の三大欲求、「食欲」「性欲」「睡眠欲」。
そのひとつが「ピアノ=音楽」になっているという所がね。



>蜂谷みどり@ししどともこさん
音楽業界、最大手プロダクションの人。
話し方からして、もう業界臭プンプン(笑

春雨のCMソングを作ってる高島を
最初は笑顔でスルーしつつも
のちのちに連絡先をキープしていたあたりに、
(高島もがんばったのだと思うけど)
伸びそうな才能は世に出したいと思ってるし、
音楽業界を潤そうとはしてるんだろなと感じました。

「本当の音楽」を追求する鷹雄先生とは、
方向性が違っていますが、
彼女なりに「音楽」へ愛はあるんだろうと思います。
でも「仕事にかける情熱」としての愛なんだとは思いますが。
だから、悪い人ってわけじゃあない。
彼女だって生きて行かなくちゃならないんですから。

彼女を見て
「だから私は『好き』を仕事にできないんだよなぁ~」
と強く思ってしまいました。
期日とか報酬とかが絡むと、
自分のペースでやっていけなくなってしまうし、
なにより担当・クライアント・その先の客…等
他の人が関わってきちゃう。
好きなことの好きな所だけ、一人で愛でたい派です(笑



>大熊靖@山主晃一さん
蜂谷さんイチオシの作詞家。
クマのポーズや、「こりゃ、クマったクマった」等、
熊キャラで自分を固めています。
あれがきっと、彼の処世術なんですね。

たとえ才能があっても、
相手の印象に残らなければ大きくなれない芸能界。
ただ作品だけ書いていればイイってわけじゃない、
厳しい世界なんだなぁ…と。

ひとつの本物をつくるために、書き続ける。
100作って、そのうちひとつでも本物になれば。
「本物」に触れたという鷹雄先生は、
大熊さんのこの発言に対して
「99は半端にさらされて捨てられる」と言います。

触れた者と憧れる者の、決定的なミゾを感じるシーンです。
作り続けることで離れていくのか、
それとも作り続けることで輪郭を浮かび上がらせるのか…
うーん、と考えてしまいます。


山主さん、過去のチームモーリス公演で観てましたね。
どっちかというとニコニコ動画の
「片乳首出した(以下略)」の印象が強かったり。
あれ、ソラトビヨリのメンバーとか出演してるので、
夏にこっそりひっそりと聞きました(笑
(しかし声だけではどれが誰だかほぼ分からなかった…)
音野くんと共に来月のソラトビヨリ公演に出るので、
今回との演技の違いを観るの、楽しみだなぁ。



>仁科可奈子@田代由希子さん
鷹雄先生の妹さん。
そうそう、兄妹ってこんな感じ…と思わせてくれました。
前にもどっかで書いた気がするんですけど、
「傍目から見るとすっごい魅力的なのに、
 兄・姉から見るとぜんぜん異性を感じない」ってのが、
自分の思う「妹」って生き物だったりします(笑

なにげに、鷹雄先生の同期である高島さんとラブラブ。
いちゃいちゃセリフは、日替わりだったみたい。
このときの鷹雄お兄ちゃんの動揺っぷりが、
まいくろは他人事なので面白すぎて…!


以前に『エル・サボタージュ』という作品で
彼女の演技を見ているのですが、
さらに細やかになっているなぁと思いました。

「本当の音楽」を追求する兄と、決別するシーン。
どこまでも優しく語りかける可奈子ちゃんです。

「本当の音楽ではない」と、
高島さんの作品に、
そしてこの世にある全ての曲に言ってしまう鷹雄先生。
これは鷹雄先生には事実だけど、
他の人にとっては傷つけられる言葉です。

高島さんがどれだけの努力をして作曲していたのか、
彼のそばにいた可奈子ちゃんは知っていました。
周りの人を傷つける「本当の音楽」なら、
私は要らない、聞きたくない。
本当が必ずしも幸せではないのだ、と
思わせてくれた彼女の決断でした。

なんというのかな、
彼女は自分が離れていくことで
兄がこちら側に戻ってくる可能性にかけたのかも…
って、思いました。
「妹に楽させてやってくれ」と、あの状態でも叫ぶ兄ですし。




オープニングのように、同じ鳥を一緒に見れたなら。

あれは鷹雄先生の望みの画でもありますが、
たぶん全ての人が
同じように願ってるんだろうなぁ。
それが容易でないこと分かってるけど、
やっぱり願うことは、やめられないんだろうなぁ。

一万時間の法則で
「才能がない」と突きつけられる現実が怖くて、
九千九百九十九時間で挑戦を止めてしまうような臆病者の自分。

でも残り一時間を…やってみようかな、と思いました。
そこで才能が芽吹かなくても、
私は「好き」なんだから、それでもう、いいや。


命の使い方。私が常々思っていること。
結論に至る道しるべが増えたような気がした作品でした。

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