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今更? 『マリー・ボドニック』ネタバレ雑感 1

ロデオ★座★ヘヴン3rd act
『マリー・ボドニック』のネタバレ雑感です。
だいぶ時間がたってしまった…
でも、ちゃんと残しますよ。記憶の記録。


物語の舞台は、1930年代の上海。
中国と日本が、水面下で緊張状態にあった頃の話。
北京からやってきたジャーナリスト志望の青年
「ルオ・ファン」が見聞きした、
ある女スパイの人生。

マリーと呼ばれる、美しい女性の話。


役別雑感もちょこっと。
イエユイ嬢、康子さん、甲斐さん、カシーンさん。



↓ ネタバレ注意!


マンガや小説などで
「いくつもの顔を持つ人間」という表現が使われますが、
この物語に登場する女スパイ「マリー」は、
本当にいくつもの顔を持つ女性。

首をすげ替えて、
別の人間になることができるのです。

身よりのない「マリー」は、
その能力を使ってスパイとして生きています。
常に、自分のモノではない顔をつけて生きる女。

首をすげ替えても、
彼女の人格が変わっているわけではありません。
彼女は、つけた首の女を演じているだけ。
自分でない女に、なりきっているだけ。

様々な男が、彼女に惹かれていきますが、
どんな愛の言葉も、彼女の心を閉ざすばかり。
彼女が劇中で言う「私じゃないのに」。
これを言う「マリー」の口調がね…
悲しみとか怒りとか軽蔑とか自嘲とか色々混じってて。
聞いてて、苦しいです。

でもこの話に出てくる人ってね、
たいがい、もう一つの顔を持っている人間達なんです。
「マリー」と決定的に違う点は、
「どちらの顔も自分である」という自覚があること。



Wキャストってことで、まいくろは2回観たのですが。
別キャストじゃない人の動きも、
ちょいちょい変わってましたね。
あと、衣装。すごくきれい。
リーフレットの協力欄に
「パーソナルカラー協会」が入ってるのですが、
もしかして衣装の色使いとかにも意味があったのかな…?

そうそう、前回のロデオ公演、
役別雑感を書かなかったのを
とっても後悔した事態に遭いましてね。
まぁロデオに関わらず、どの作品もそうなんですけどね。
今後、たとえ数行でも書いておきたいと思います。
特に小劇場系…ほんと恐るべしですよ!
まさかここが繋がるとは思わなかったんだもん!




>李叶羽(リー・イエユイ)@田中良子さん
没落貴族の娘で、女スパイ「マリー」であります。
お嬢様として生まれ、声も身体も性格も一級モノ。
ですが彼女が持って生まれた顔は、
落ち窪んだ目で、化け物のような容貌。
今回のお話で一番長くつけていた良子さんの顔も、
「マリー」首コレクションの21番目。

父親の葬儀の時で、
密かに慕っていた男に素顔を恐れられたイエユイ嬢。
絶望のあまり家宝の剣で自らの首を斬ります。

その時に使った剣がクセモノです。
羽空剣(ハクウケン)と呼ばれ、
「持ち主が、この剣で40人斬ると、
 直後に悲惨な最期を遂げる」といういわく付きの品。
(台本読むまで、白羽剣って書くと思ってました)

あ、イエユイ嬢が首をすげ替えられるのは、
本人の特異体質なんでしょかね。
まいくろは
「40人斬ったら悲惨な最期」イコール
「40人斬るまで死ねない」のかなと思ったのですが。
最初の一人に自分を斬った、というのが
羽空剣にとってイレギュラーだったのかなぁと。


彼女は、ただ「一人の女」として
愛されて生きたかっただけなんですよね。
「顔なんて関係ない、人間は心」って言ったって、
化け物のような顔をした人間を見たら、
みんな逃げていってしまう。
幼い頃から人の本音を目の当たりにして来たんでしょう。
いたいけな少女にはツラい仕打ちです。

首をすげ替えられるという能力を持つのに、
彼女はすげ替えた首を「自分」と思うことができず、苦悩。
その辺割り切れないの優しいっていうか純粋っていうか。
愛してくれるのは、
きれいな顔だからなんでしょ? って猜疑心まみれです。

でも、イエユイ嬢すごいなぁって思うのは、
一人の男(甲斐さん)を思い続ける、その一途さです。
悲鳴を上げられてから10年間、
その前に密かに慕っていたころを入れたら、それ以上。
再会できたときの、嬉しさと驚きと苦しみのまじった
「あの方だった…あの方だった!」とかね。
ほんと感情持っていかれます。
高ぶったときに同じ言葉しか言えない気持ち、わかるかも。



>倉本康子(クラモト・ヤスコ)@山根千佳さん
倉本伯爵の娘で、
女性ながら軍人としての訓練を受けた日本人。
…の、首をつけた「マリー」です。
本物の康子さんは、
上海に来たときに殺されてしまったようですね。
(羽空剣で殺した人の首のみ、付け替え可能なのかな)

彼女は、上海の参事官ユンイエに近づいて一夜を共にし、
信頼をゲットします。
その際に結構濃厚なチューしてるんですが、
彼が去った後に唇をグイッと拭ってたんです(笑
21番(良子さん)の首で甲斐さんに口づけたとき、
「マリー」はそんなことしないし、
むしろ21番の首を処分しろって話になったときに、
惜しむように唇に触れたりする。
この辺がやっぱり女の子だなあって思いました。

まさかの「僕っ娘」というキャラで、
初登場は乗馬スタイル。
すらっとした姿が印象的です。
でも胸元はふりふりフリルで、女子であることを忘れない。
ユンイエ参事官と結んだ後はゆったりチャイナ服で、
中国側の人間ってことをアピール。

甲斐さんの妻、カシーンとの対峙がゾクゾクでした。
彼女を羨み、とりつかれたように剣を持つ康子さんと、
殺意を押さえ込み「愛してるなら急いで!」の康子さん。
どっちも、甲斐さんを愛した女の顔です。

カーテンコールでも
「マリーはひとり」って事を通してました。
康子とイエユイは同時には出てこなかったんです。
徹底してますねー。



>甲斐敏行(カイ・トシユキ)@中山夢歩さん
イエユイ嬢が長く想い続けた、日本人。
上海在留の日本政府外交官であり、
裏では情報部員として中国国民軍の内情を探っています。
そしてもう一つ、
日本海軍特別陸戦隊中尉という、軍人の顔も持つ男です。

彼のセリフに、
「隠していたわけではない、
 つねに二つの顔を持っていただけ」と有りまして。
ここがイエユイ嬢との対比というか、締まる言葉ですね。

「どの顔も自分である」という揺るぎない意志を持つ彼と、
生まれ持った顔を否定してさまよった、
イエユイ嬢(=「マリー」)との生き方の違いがくっきり。

21番の顔をした「マリー」に、
10年前の化け物(=イエユイ嬢)の話をするところは、
どこか童話「雪女」を彷彿とさせました。
悪夢の記憶としてでも、彼の心の中に自分がいた、と思うか。
彼にとって、自分は悪夢でしかない、と思うか。
イエユイ嬢の心中は複雑。
それでも彼女は甲斐さんを殺せず、守るんですよね。
くそぅ健気すぎる(ノД`)

実は私、
この甲斐って人がなんか好きになれなかったんです。
台本のあとがきを読んで、ちょっと納得しちゃったり。
改稿後には性格とかも変わってたかもしれませんけど。
やっぱりあの「雪女シーン(かってに命名)」が
私の中で引っかかったんだと思います。



>リウ・カシーン@坂口彩さん
甲斐さんの奥様。中国人です。
四川省高官の娘さんで、ちょっと世間知らずな部分も。
人の悪意に触れる機会は少なかったようで、
どんな相手にも気さくに話しかけちゃう愛らしいい女性。
もしイエユイ嬢の素顔が人並みだったなら、
彼女と同じような人生を送ったのであろうになぁ…

高官の娘ということで、
甲斐さんとの結婚は政治的なものかなぁと思ったのですが、
二人の様子を見ている限り、双方とも愛があるようでした。
「彼は、私がいるから辛い仕事も頑張れる」と、
カーシンさんは臆面もなく言います。
これね、端から見るとバカっぽいと思わせるセリフなんですが、
実際そういう立場になってみると、これって事実だったり。

破れかぶれになりそうになっても、
全てを捨てて逃げたくなっても、
背後に守りたい人が笑顔で居る…って思うとね、
人間って踏ん張れるんです。
そのためには、
相手に「この人を守りたい」と常に思わせるような
魅力的な自分でなくては、という条件も付くわけですが。
カーシンさんは少し頑固だけど、
100%世間知らずってわけでもなく、
かといって計算高く裏で糸を引くわけでもなく、
とてもホンワカとしていて
甲斐さんの安らぎの素なんだなぁと思わせてくれました。

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