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『ア・ラ・プラス Actors Laboratory 公演』雑感 2



A La Place(ア・ラ・プラス)Actors Laboratory
アスナヴノーイ2012クラス公演
<< if… a piece of your story>>


ネタバレ語りの続き。

5~9
『姉弟』『七夕の願い』『母娘』
『息子の上京』『月のいたずら』について。


↓ ネタバレ注意!



>5、『姉弟』
苛立ちを抱えた「繭子」が、海辺にやってきます。
自分の靴を投げてみても、苛立ちは収まらず。
打ち寄せる波に足をひたして、
慣れないタバコなんか吸ってみたりしてみます。

そこに、弟の「航平」がやってきます。
繭子は航平に素っ気ない態度。
でも、ちょっと油断したところに大きめの波が来て、
繭子のズボンをびしょぬれにしてしまいます。
「もう!」とズボンの裾を絞っている姉に、
「タバコなんか吸ってるからだよ」と笑う航平。

航平も波打ち際ぎりぎりの位置に立って
「バカヤロー!」と波を蹴り上げますが、
バランスを崩して転倒。そこに波が来て、全身ずぶぬれ。
水を飲んでムセてしまいます。
そんな弟を見て、お姉ちゃんはニヤリ。
弟の上着をひったくって水に浸してみたり、
脱いだ靴下を投げつけたり。
弟も負けじと応戦します。
幼児のように笑い、無邪気にたわむれる姉と弟。

そこに遠くから、
航平の名を呼ぶ、女性の声がします。
ぴたっと固まる2人。
子供の時間、終了のお知らせ。

繭子は、自分がぬらした弟の上着を絞って渡し、
弟が手にしている自分の靴下を返すように、無言の要求。
航平はちょっと悩んでね、
お姉ちゃんの靴下をポケットにしまいます。
それで、自分の靴下をお姉ちゃんに渡すんです。

去っていく航平を見送り、
受け取った弟の靴下をもてあそぶ繭子にも、
遠くから声がかかります。
「繭子、父さんたちも行くぞー」だったかな。
そして彼女も「今いく」と海辺を立ち去ります。


これ、両親が離婚して、
別々に引き取られた姉弟なんですかね。
最初に彼女がプリプリしてたのは、
離婚する親への怒りと、
どうすることもできない「子供」な自分への苛立ちかな。

靴下を交換するっていうチョイスがね。
最初は「靴下かよ!」って思ったんです。
でもこれ、彼氏彼女だったら靴下は「ナシ」ですよね。
「家族」だから、靴下なんだろな。
クサいかもだけど汚いかもだけど、家族だから。

もっと深読みすると、小さいから親の目から隠しやすい。
大きいと交換したのバレるじゃないですか。
見つかっても、別に悪い事じゃないんだけど、
親は、見つけたときなにか考えると思うんですよね。
そういうのはなんか、子供としてもヤじゃないですか。
決断に水を差すみたいでさ。抗議してるみたいでさ。
だから、秘密で交換できる靴下くらいのものが、
良かったんじゃないかな? って。
これは自分がもしその立場だったときは…と考えた事なんで、
繭子&航平姉弟の真意とは遠い気がするな(^-^;



>6、『七夕の願い』
七夕祭りの会場。
短冊に願いを書いて、つるそうとしている「大瀧くん」。
そこに、同じタイミングで短冊を構える「山田くん」がいます。
お互いに好きな女子ができた2人。
短冊をつるしてから告白しようって盛り上がります。
改めてつるそうとしたら、
さらに「瀬口くん」も短冊を持って現れます。

また盛り上がる3人。
お互いに、好きな女子とのエピソードを語って、
「脈アリじゃね?」「3人ともイケるんじゃね?」と。

山田くんはお弁当をつくってもらいました。
瀬口くんはおでこをピトッてくっつけられました。
大瀧くんは、肝試しでしがみつかれ、腕に感触を感じました。

まぁこの辺からオチが見えてくるというか(笑
本人たちは全く気づかないところが、
なんかオトコノコだなーって(*´∀`)

真実が判明してからの罵りあい、
「あのデコにピタッてしたの、俺だし!」に
大笑いしてしまいました。
しかし大瀧くんのはともかく、
「繭子ちゃん」は無自覚な小悪魔…なんておそろしい子!(笑

3人とも、揃いも揃ってネルシャツ着用でね、
着こなし方や立ちかた、動きなどから
なんというか「もてない系男子」のにおいがぷんぷん(笑
終演後ドレ友さんと一緒に
「ネルシャツ三きょうだい」と勝手に命名してました。
(3人に兄弟という設定はありません。念のため)



>7、『母娘』
上京して、東京に小さなカフェを開いた「繭子さん」。
店に入ってきた女性は、彼女の母親。
「ずっとウソついてたのね…!」
「あなたにこんな事させるために、
 東京に出したんじゃないのよ!」などとまくし立て、
カフェの飾り付けをヒステリックに引きはがし、
彼女を実家に連れ戻そうとします。

そこに現れた男は、繭子さんと母親の間に割って入ります。
「妊婦に何かあったらどうする」
「俺たちの子供だ」
娘は、妊娠していることを母親に黙っていました。
娘の人生を自分の思い通りにしたい母親は、
妊娠3ヶ月の繭子さんに「堕ろしなさい」発言。
ううう、正直観てて心が痛い展開です。
娘の繭子さんが、うつむいてほとんど反論しないところ、
母親が拳を振り上げたときのおびえ方。
昔っからずっとずっと、この調子だったんだろうなぁ。

でも今の繭子さんは一人じゃないんです。
繭子さんを愛し、
おなかの子供の父親でもある「隆史さん」がいます。
隆史さんは
「妊娠したこと、秘密にされてたんでしょ?」
「あんたもう、母親だと思われてないの。捨てられてるの」
「繭子の幸せ考えたことある? 笑顔見たことある?」
と、母親に言います。
打ちのめされた母親を見て、
スカッとしてしまう自分が否定できませんでしたねぇ。

でも繭子さんはそうじゃないんですよね。
隆史さんの腕をつかんで首を振る彼女。
夫は自分の事を思って言ってくれたのだし、
彼の発言の内容は100%ウソってわけでもないから。
でも、それでも…みたいな感情が見えました。
引きずり回されていたけど、やはり「母」なんです。

隆史さんは席を外し、店内には母娘ふたり。
繭子さんは母に笑いかけ、お茶をすすめます。
「あなた…愛されてるの?」という母の問いに、
幸せそうにうなづく繭子さん。
おそらく今まで見たことなかったであろう、娘の笑顔。

隆史さんを呼んでくるよう娘に告げ、
ひとり、自らが引きはがした飾り付け(=娘の幸せ)を
ぎゅっと抱きしめる母です。
これからこの母と娘の2人は、
いままでの分を取り戻すように「母娘」になれるだろうなぁ。
…と、思わせてくれました。

「隆史さん」ね、
『恋のライバル』では失恋玉砕する役だし、
『七夕の願い』では、たぶん告っても難しいかな…?
と思ってしまう雰囲気を醸し出していたのに、
なんですかこの作品での頼りがいっぷりは!
だから観劇はやめられんのですよ。

そうそう、今までもずっと思ってましたが、
「繭子さんはやはり丁寧な役者」であると改めて実感。
心情の細かさもあるんですが、身体表現のほうも。

カフェのテーブルを拭く際の、
蛇口をひねってふきんを洗って、絞って…。
一連の仕草、すごく綺麗なんです。
こういう日常の仕草って、
ちょっとの違和感でも見てる人は気づいちゃう。
自分の身体でも、よくやる仕草だからね。
でも彼女の演技には、そういう違和感が無いんですね。
できそうで、なかなかできないことだと思うんです。



>8、『息子の上京』
時計のコチコチ音のみが響く部屋。
これから夢のために上京する青年「航平」。
出発の準備は万端のようですが、
時計を気にするばかりでなかなか出かけようとしません。
ついに時間も差し迫ってきたようで、
部屋を出ようとしたところに父親が戻ってきます。

父親は無口でね。基本的に息子と目をあわせず。
コンロに火をつけて、新聞とにらめっこ。
息子も、会話のきっかけを探しつつも声がかけられず。
鞄の中ををさぐってみたり、携帯をいじってみたり。
父親が話しかけてくれるまでの
雰囲気作り&時間を稼いでいる印象ですね。

結局出発する時間になっちゃって。
でも、下手したら一生の別れになっちゃうかもしれない。
うまく言葉が出てこない父は、
手を振るわせ新聞紙をクシャクシャにしてしまいます。
お父さん、耳まで真っ赤にしてね。
それを見て航平は、
新幹線(飛行機かも)の時間をズラす覚悟で、
父親に「ラーメン食べにいこう」と歩み寄ります。
(夜公演はカレーだったか? ラーメンじゃなかった気が)

そんな息子の優しさを受け止めつつも、
父は「航平、いま何時だ?」と。
不器用な父が、息子を送り出すために言う言葉。
息子の背中に「風邪ひくなよ」と、
ありきたりな言葉しかかけられなかった父親。
ウルッとなってしまいました。

でね、夜公演。
父は「風邪ひくなよ」すら言えなかったんです(ノД`)
もちろん、これは台本のない物語。
セリフをとばした訳じゃないんですよ、これが。
昼と夜で、全く違う景色になっていました

この2人、父子家庭なんです。
部屋の手前、
舞台でいうところの上手に、仏壇があるという設定。
出かける前に航平くんは手を合わせるし、
ラストに父親は「チーン」ってやります。
配置は意図的なのかな?
つい亡くなった母親目線で、この父子を見てしまいました。

お父さん役の人は、『告白』の卓くんの方なんですけど。
衣装ちょっと変えて髪型もちょっと変えて。
それでちゃんと、青年からおじさんになってました。



>9、『月のいたずら』
あかりは蝋燭のみの、薄暗い部屋。
一人の芸術家が、女性の彫刻をつくっています。
芸術家はね、彼女に恋しちゃってます。
愛おしげに手を伸ばすも、
彼女は動かない、冷たい固まりでしかありません。
行き場のない想いを抱えた彼は、
窓の外に輝く月を見ながら酒をあおって、ふて寝。

そこでタイトルの『月のいたずら』が起きます。
月の光を浴びた彫刻は動きだし、
眠る彫刻家にそっとキスをします。
彼女も、ずっと彼に届かぬ想いを募らせていました。
彫刻である彼女は、
愛しい彼の姿を目で追うこともできないんですよね。
こっちもこっちで切ないわぁ。
彼の頬をなでる彼女(=繭子さん)の愛おしげな感じが、
もう美しすぎて美しすぎて(゚∀゚*)

念願かなった彼女は、作業台の上に戻ります。
姿勢が最初と違うのは、
目覚めた彼にキスが真実であると知らせたかったのかな?
でも彼女が彫刻に戻る前に、
彫刻家が目を覚ましてしまいます。
彼女の隣に座る彫刻家、彼を見つめる彼女。
2人の顔が、また近くなって。

そして彼と彼女は、ひとつの彫刻になって
ふたりは永遠に、
幸せな一瞬のなかで生きることになりましたとさ。


この作品ね、
BGMでドビュッシーの「月光」が流れてるんです。
観劇時、作曲者の名前まではでてこなかったんですけど、
この曲が「月光」ってことだけは確信してて。
照明以外の方法で月の光を表現した、
なんて綺麗な景色なんだろうと感動しました。

そして終演後に知ったこと。
彼と彼女がなった彫刻は、
ロダンの「接吻」の姿だったそうです。
そして、そもそもこの作品ができるきっかけになった
レッスン中の課題が「ロダンの接吻の5分前」だったとか。

なんですか、その課題の着眼点 Σ(゚Д゚;
彫刻の5分前の物語を考えようなんて考え、出てこない!
しかもその課題から彫刻と彫刻家の恋なんて
ファンタジックかつ切ない物語を作り出すなんて…!
この制作秘話を知ったとき、ふるえてしまいました。


彼と彼女が彫刻になったところから、
エピローグにつながります。
『CATFIGHT』の夫婦、『長月』の母子、『告白』の2人。
そして、みんなでロダンの「接吻」を見つめています。
(そうですよ。彫刻家は山田くんなのですよ…!)


「チケット代が高い=いい芝居」とは言えませんが、
今回の公演、
チケット代が1000円とは思えないクオリティでした。
出演しているどの人も、みんな演技のレベルが高い!
どの作品にも、言葉のない沈黙の「間」があるのですが、
そこでも、彼らの感情や心の動きがわかるんです。

久々に観る繭子さんということで
すでにテンションはあがっているのに、
たくさんの「繭子さん」に会えて万々歳です。
これからも舞台上で生きる彼女に、
何度も出会っていきたいなぁ~と思いました(*´∀`)

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