『ハーメルンの記憶』役別雑感 5

今回の公演に、
劇団6番シードの『傭兵ども!砂漠を走れ!』でも
ガンアクション指導をされていた
細川雅人さんが関わっていたというのは、
開演前に書いたとおり。
今回は軍人さんや特殊工作員的な人が多いので、
細川さん仕込みの構えをしてる人があちこち出てきました。
銃を構えるときは、
反動を殺すように背中を丸めるんだよね…などと、
『傭兵ども』のトークショーで聞いた話を
思い出しつつ観てしまったり。

もともとバンタムさんは
作品中に銃が出てくることが多いようで、
その効果音は関係者やファンの間で
「バンタム銃」と呼ばれているそうです。
今回その「バンタム銃」をを初体感してきたのですが…
とにかく、良く通る音なのでドキッとします。
2回目観劇の時も、タイミングわかってるのにビクッと(笑
薬莢が落ちて転がる音まで入ってるんですねぇ。


さて引き続きの役別雑感は、
「ハーメルン計画」の後期段階に深く関わった、
公安警察とその関連所属の方々。



↓ ネタバレ注意!


>チャン大佐@上杉逸平さん
日本の外、中国の公安警察の大佐。
自国で訓練した少年兵を
孤児として入国させて国内に潜伏させたり、
観光ビザで入国させて、
暗殺などの非合法任務を行わせたりしています。

さて、彼がいい感じに活動するためには、
日本国内に協力者がいるってこと。
それも、それなりに地位のある人でないとダメです。
内通者が、なにゆえチャン大佐に協力するのか。
それが「ハーメルン計画」の後段階の話。
計画に関係するすべての記録の、抹消です。
そしてチャン大佐自身にも、
脱走した隊員ニコラスの捕獲という目的があります。

チャン大佐自身は個人的に部隊を持っていて、
その通称は「実力工作班」。
主に少年少女で構成されています。
非合法なので、正式名称は無いのです。

えーとですね、実はチャン大佐。
2回観劇してもとらえきれなかった人物だったり(^^;
子供を兵隊として利用してることを
雁屋にチクリといわれたとき、
「ふっ」と鼻で笑うような仕草を見せるのとか、
脱走兵にイヤフォン越しで、
銃声を聞かされたときとかの煩わしげな態度とか、
平和な世界に住んでる私たちとは別次元の人だなあって。

幼い頃から兵士として訓練されてきた少年兵達にとって、
チャン大佐は上官であると同時に、
父であり、全てといってもいい存在なんですよね。
部下のマーク軍曹に敬礼を強いるときや、
少年兵達を率いているときの有無を言わせない迫力は、
作品後半の張りつめたシーンを、より深刻にしていました。

なのに(←失礼!)、
役者さんのブログの文章は何というか…のほほん(^-^;



>マーク軍曹@丈太郎さん
チャン大佐の直属の部下で、
非合法部隊「実力工作班」の班長をつとめる青年。
元軍人で、
少年たちを兵士として訓練する役割も担っています。

役者ネタな話をすると、
マーク軍曹(@丈太郎さん)が率いる工作班、
副班長のマスティフ伍長(@細川雅人さん)が
実際のお稽古ではガンアクションの指導をしてるので、
そう考えるとなんか面白いことになってます。
上官のアクション指導を部下が…(笑

マーク軍曹は、子供を兵士として使い捨てている現状に
少なからず不満があるようです。
チャン大佐に兵士としてのあり方を説かれ、
自分の意志を殺して服従しています。

ホテル待機の部下の少年少女に
足りないモノはないか? と聞いてみたり、
上司というより兄的な部分があるのかもしれません。
自分がそういう心持ちだから、
上司のチャン大佐にも父的なモノを求めてしまった…?
ここで生きていくしかないけど、
こういう生き方しかないのだろうか…と、
表情には出さずに揺らいでいる印象を受けました。

唯一の血縁者であるニコラスの脱走と、
彼を「抹消する」決断を下したチャン大佐。
マーク軍曹は、
日本で出会った刑事の雁屋に助けを求めます。
チャン大佐より先に、
ニコラスを見つけなくてはなりません。

かの子ちゃんの病室で、ニコラスと会うことに成功。
しかし雁屋との内通が発覚し、
チャンの指示で部下から銃を向けられます。
でも、部下たちはなかなか引き金を引きません。

チャン大佐たちが来るのは想定していたようで、
ちゃっかり防弾装備。
この辺の雁屋の様子がちょっと好きだったりします。
ソレを見てちょっと砕けた感じに話すマーク軍曹もね。

少年少女たちが従っていたのは、
チャン大佐ではなくてマーク軍曹。
部下が軍曹に従ってくれたのは想定外だったのかな。

部下の少年兵達は
アンサンブルキャストの方々が演じています。
任務が開始するまでの潜伏中は
ホテルでテレビゲームしてるんですが、
ほんと今時の子供みたいなあどけない少年少女でね。
それが「狩りの時間だ」になると
一気に眼の色変わるんだから恐ろしい。
でも彼らにとってはコレが普通の生活なんですよね。
…と、それを受け入れてしまってる、
自分の感覚の麻痺っぷりに背筋が寒くなりました。

「暴力表現」についても、同じですね。
これだけ銃をバカスカ撃ってるし、
脳をいじる云々の話が出てきてるのに、
「暴力表現についての注意書きがつくほど、
 ひどい暴力表現出てきたっけ?」って思っちゃった。
やはり、麻痺してるんだろうなぁ…

丈太郎さん、
稽古場ブログで写真見たとき、すごい背が大きくて。
(勝手に2mくらいあると思ってた・笑)
手足もすらっと長くて、背筋もぴしっとしててね。
銃を出すときの仕草なんか、まぁ映える映える。
配布リーフレットの写真がお気に入り。

代表作欄に書いてある『几帳面独白道化師』、
買ってきました。

役別雑感全部UPして、他の人のネタバレ感想探して、
ひといきついたら、
次の観劇日がくる前に堪能するんだぁ(*´∀`)



>ニコラス@河口仁さん
マーク軍曹の肉親。弟なのかな?
本名は不明、
ニコラスはチャン大佐がつけた呼び名っぽいです。

孤児として入国し、日本人としてとけ込むのが任務。
とけ込んだ後は、内通者になる予定だったのかな。
例外として、
自分の命が危うくなるような事態が起こったときには
周りの者を排除してでも、
本国に帰還するようにと命じられています。

戦災孤児救済センターに受け入れられますが、
ハーメルン計画のモルモットとして選抜されてしまい、
後期実験(脳のコピー)の臨床実験を受けることに。
自分の生命に関わる事態だと認識したニコラスは、
実験施設の人間を皆殺しにして、本国に帰還。

田宮博士はここで、ニコラスに撃たれています。
ですが実際、
博士は撃たれる前に自殺しようとしてるんですね。
実験が行き詰まったからなのかなぁ。
ニコラスの
「あの子が泣いてるんです。あの子はどこですか」
を聞いてちょっと喜んでるっぽいので、
脳のコピーという、
神を恐れぬ行為に対しての罪の意識が自殺動機か? 
という、まいくろの予想はハズレ。

チャン大佐と施設は内通しているのだから、
大佐の息のかかった工作員孤児は
選抜されない仕様だったはずなんですよねぇ、たぶん。
うっかり手違いでモルモットにされてしまいました。
不運でありますが、後々、ある人の救いになります。

実験台にされたことでニコラスの脳には、
祇園夫妻の娘であるエスターハス症候群患者、
かの子ちゃんのブレインマップがコピーされています。
ただ、完璧な成功ではないのです。
完全にかの子ちゃんに書き換わったわけではなく、
ニコラスの意識とかの子ちゃんの意識が同居しています。

かの子ちゃんの言葉を両親である祇園夫妻に伝えるため、
そしてその祇園夫妻に「復讐」するため、
ニコラスは本国から出奔、日本に戻ってきます。
『ハーメルンの記憶』の一番はじめのシーンは、
ニコラスがチャン大佐の元から脱走するところ。
「頭の中が水浸しだ…」という意味深なセリフは、
後半にならないと謎が解けないのです。
こういう所が、2回3回と観たくなる仕掛けですよね。
覚えてれば1回でもわかるんでしょうけど、
そんな記憶力は、私には無ーーーい!(笑


かの子ちゃんの言葉を祇園夫妻に伝えるところが、
まいくろの食いつきどころ。
「ごめんなさいって言いたいの。
 でも、ごめんなさいが上手にできないの…」
ってなセリフを言うとき、かの子ちゃんモードにならずに
ニコラスが伝達してる、って感じに言うのがね。
創作作品においてこういう展開の時って、
身体の持ち主が意識を明け渡すパターンが多いんですよ。
でも、これは二重人格でも憑依でもなく、
あくまでも「脳内データの一部上書き」だから
発言者はあくまでもニコラスなんですね。
そういう所がサイエンスフィクションなのかな、
面白いなぁって思いました。

「彼らが亡命する時の話も、いつか上演したい」って
Twitterで細川さんも言ってたので、
楽しみに待っていることにします(´∀` )

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(画像は7年前に描いたものです)