『ハーメルンの記憶』役別雑感 1

23日に遠征してきた
バンタムクラスステージ
『CXXX:PIEDPIPERS/ハーメルンの記憶』の、
超絶ネタバレ長文役別雑感です。

しかもまだ全員分じゃないので、
今回は前半のみUP。
まいくろです。


毎回観劇後に役別雑感を書く、って訳じゃないのです。
面白くて大好きだけど役別雑感を書かない芝居もあるし、
ストーリーは苦手だけど
キャラクターは好きだから役別雑感を書く、ってパターンも。
うん、結論として時間と気分次第ってこと(笑

『ハーメルンの記憶』はストーリーも好みだったけど、
キャラクター設定と世界観がすごく細かく創られているので
全体的にまとめず、役別の体裁で書いちゃおう。


『ハーメルンの記憶』の時代設定は、
現代よりちょっと未来の2043年。
電子ネットワーク技術が、今よりもっと進んだ時代。

ユーラシア大陸から
日本国土の一部にまで及んだ紛争が終結して、
10年経つか経たないかという頃です。

紛争初期の頃から日本は「移民局」を立ち上げて、
海外からの移民を受け入れていました。
停戦協定によって紛争が終結した翌年には、
戦災孤児を受け入れ、育てる施設も設立されます。
物語のはじまりは、
その「戦災孤児救済センター」に関連したある事件から。


2043年のある日、移民局に匿名の通報が入ります。
それは「戦災孤児の入国リストに改竄がある」というもの。
調査の結果、その通報に信憑性があるとのことで、
厚生調査官が孤児救済センターのある、
兵庫県西宮市に調査に向かいます。

その西宮市のショッピングモールのフードコートで、
白昼堂々、女性が何者かに射殺されるという事件が発生。

県警の捜査により、被害者の女性は
戦災孤児救済センター出身ということが判明します。
そして彼女が、何者かの依頼で、
こっそりと孤児達をセンターから連れだしているという事も。


二つの事件を繋ぐキーワードは「ハーメルン」。
県警の雁屋(カリヤ)と厚生調査官の縣(アガタ)は、
消えた130人の子供の行方と、
そこに隠された真実にたどり着けるのか…

そんなサイバー・フィクション・サスペンス。



まず、
女性が銃撃され、死亡した事件を捜査する刑事さんから。
この刑事の設定が、めちゃくちゃ好みなんですよ。
近未来の設定に、ググッと引き込まれました。


雁屋、根路銘、柳楽。


↓ ネタバレ注意!




>雁屋春樹@福地教光さん
兵庫県警の情報解析捜査官。
32歳の若さですが、情報系技術のエキスパート。
元は自衛隊の情報士官なのです。
除隊後に再就職して、
そのたぐいまれなるハッキング技術で
警部の地位まで上りつめました。

町中に設置されている監視カメラ等のデータを使って、
現場状況をホログラム映像で原寸大に再現。
その映像内に立ち入って、
犯人や証拠などを見つける…という捜査を行います。

独特の捜査。
ほんと舞台ならではの表現方法だなぁと思いました。
実際の現場にいる? と思わせておいて、実は映像とかね。
ほんとだまされました。
だって、現場をフムフム歩いてる雁屋さんが、急に
「30フレーム戻して」とか言い出すんです。
そしたら普通におしゃべりしてた登場人物達の動きが、
カチカチカチって巻き戻されるんですよ。
初見は、なにごと!? と思いました。
捜査中、雁屋さんは何回も巻き戻しするんですけど、
現場の人物(役者さん達)が、
まぁ人形のように無機質に動くこと動くこと。
停止中は、微動だにしません。


雁屋さんは、監視カメラの死角から撃った狙撃犯の姿を
店内の「ある部分」から見つけだします。
まいくろ、まったくそこに気づきませんで、
ずっと店内ウェイターの背中とか腕ばっかり見てました。
むしろウェイターを超疑ってました。
だって、雁屋さんの顔がそっち向いてたから…(笑


そんなデキる男、雁屋さん。
でも、肉弾戦はあまり得意じゃなさそうだし、
口がうまいかって言うとそういうわけでもないような。
あ、でも巧妙に相手を誘導する技術はあるので、
口はうまいと言っていいのかな。

あと、けっこう人でなしっぽい部分もあります。
「特定の人物の過去の行動や感情パターンを解析して、
 擬似人格データをつくる」という技術を使って、
被害者が発言したことのない「セリフ」を作成し、
容疑者に聞かせて揺さぶりをかける…という、
いいんですかソレ!? 的な取り調べをしちゃったり。
その件について責められて、
「過去の本人データを元に創り出されたものだから、
 被害者自身の言葉みたいなもの」ってな弁解をします。
さらっと聞き流してしまったのですが、
この雁屋発言、ちょっと考えさせられちゃうんですよねぇ。
趣味嗜好まで解析したデータから構築されたとはいえ、
あくまでも人格プログラム。
その人自身と言っていいのか…。


でもやっぱり一言で言うなら、
雁屋さんはHETAREな雰囲気の人。
彼女にだって、びしっとプロポーズができません。
そうそう、婚約者ゆかりちゃん。
雁屋さんの仕事が忙しくて、
なかなかゆっくり話をすることができないのです。
雁屋さんと彼女との事は、
「ゆかり」の項で書こうと思います。


雁屋を演じた福地さんは、
バンタムクラスステージの看板役者さんだそうで。
確かに演技見てて納得。
ファンも多いようで、お花どっさり届いていました。
なにげに6番シードの公演に出演されたこともあるし、
東京進出してきたら、
あちこちの公演観れるんじゃないかなぁと思ったりして。

というか、6月に遠征して行こうと思ってる『おぼろ』に
すでに出演が決定しております。
12月の、バンタム東京進出第1回公演も行くつもりだし、
年内で少なくともあと2回は福地さんが観れるわけだ♪



>根路銘(ネジメ)@早川丈二さん
基本、いつも雁屋のそばにいる、
赤いロングコートでくわえ煙草のおじさん。
雁屋の相棒です。

でも彼、実は人間じゃないのです。
兵庫県警の中央管制システムに雁屋が擬似人格を貼りつけて、
人型に見えるようにしたもの。
コンピューターシステムに人格を貼りつけたこの存在は、
作中では「マネス(自律擬似人格)」と呼ばれてます。
ちょっと前のドコ○のCMで、
スマホやタブレットが人間型になってたのを思い出しますね。
(渡辺謙がそばにいてくれるなら、
 いくらでもド○モに乗り換えてやるわ! と
 Twitterで荒ぶった、まいくろの懐かしい思い出)
CMの方はあくまでも擬人化で、
マネスとはちょっと違うのだけれども。

雁屋は身体に、
ネジメさんとコンタクトをとれる機器を埋めているので、
おうちでもお外でも人型のネジメさんを視認し、
会話(アクセス)することができます。
それ以外の人間には、ネジメさんは見えません。
だから雁屋は、
外では独り言が多くて奇行を繰り返す変人扱いされることも。
例外として、雁屋の自宅にあるアトリエには
マネス視認化システムがあるので、
アトリエを訪問した人間なら、マネスを見れます。
行ってみたいなぁ。あのアトリエ。

だってネジメさん、マジかっこいいのです。
初登場時は人間だと思ってたので
「お、先輩刑事かぁ(´∀`*)」くらいだったのですが、
マネスの存在を説明されたら
もう「連れて歩きたい!(゚∀゚*)」に(笑
データベース検索中の、
「バックグラウンドで作業中」的なエアギターとか、
雁屋のコマンド入力に対しての、応答指パッチンとか!
(しかも雁屋も「○○してください」と敬語だし)
擬似人格でありますが、
雁屋の言いなりってわけじゃないのもポイント高いですよね。
いやはや、どんだけちょいワルおやじ好きなんだ、私は…
(参考:『ごんべい』五代目フィーバー)

作中でネジメさんが
別のマネス(と言っていいのか?)に侵入されますが、
そこが、なんというかすごく燃えるのです。
起きているのはデータ上の電子的なやりとりなんですけど、
今回それを人間が演じてるわけで…
なんていうんですかね、この不思議な感覚。
ネジメさんが「俺に触らせないのは賢明だ」から
徐々にバグっていく時の違和感に、ゾクッとさせられました。


作中では、
雁屋以外の人がマネスを連れている図は見れませんね。
雁屋がつくった独自の存在のようです。
ネジメさんの存在も警察内では公然の秘密…的な。
ただ、パンフレットを見ると
この世界には雁屋以外の情報解析捜査官が居るみたい。
彼らがネジメさんとおつき合いがあるのかどうかは、
続編が上演されるまで脳内で妄想ですね。



>柳楽(ナギラ)@殿村ゆたかさん
雁屋を「旦那様」と呼ぶ、貫禄のあるおじさん。
(なんとパンフでは「お爺さん」と表記されている!)
雁屋に対しての態度は、どこか保護者的。
それもそのはず、ナギラさんは
雁屋の自宅メインサーバーに人格を貼りつけたマネス。
自宅及びその周辺のセキュリティを担当しています。

自律擬似人格なナギラさんですが、
けっこう女心に敏感だったりします。
いや、むしろ雁屋が鈍すぎるだけなのかもしれない。
(雁屋が意図的に鈍くふるまってる感も否めませんが)
雁屋に「鈍すぎる!」とプリプリしてるナギラさんが、
ちょっとだけかわいい。
しかもそのままフェードアウトしていく(笑

今回の作品は、
舞台上に姿見(鏡)がいくつかおいてあって、
舞台装置として使用しています。
ナギラさんやネジメさん関連のシーンでも鏡が活躍。
ネット上にいくつも開いたウィンドウを、
鏡を並べて表現しています。

…あ、祇園夫婦の部屋で彼らを囲うように置いてたのは、
なにを表現してたんですかね。
天井の照明が反射して眩しかったので、
豪華なシャンデリアの光的なモノを表現して、
物的に満たされても満たしきれない、
心情の寒々しさをほのめかしてた…とかこじつけ。

とまぁ閑話休題。

ネジメさんとナギラさんの、
姿や性格の元になった人物については、
超絶ネタバレ情報満載のパンフレットにも、記載なし。

最初は雁屋が自分への戒めとして
「自分の父親」と「彼女の父親」を
側に置いてたのかなぁとか妄想してたのですが、
そしたら雁屋自身を「旦那様」って呼ばせはしないですよね。
自衛隊の時の先輩とか?
いや、そしたら元同僚の縣さんがなんか反応するよね…
雁屋の人生に関係した誰かを、データ上で成長させた姿とか?

うーん、やはり続編か過去話バージョンの上演を期待するしか。
スポンサーサイト

Comment

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

Trackback

http://maikuro96.blog90.fc2.com/tb.php/930-3fab3fe0

«  | HOME |  »

最近の記事


カテゴリー


リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索


プロフィール

まいくろ

Author:まいくろ
ついったー:maikuro9696
(画像は7年前に描いたものです)