『鏡花幻想譚 その四』行ってきました

六本木に着いてから初めて
「あれ、なんかこの景色見覚えがあるよ?」と。
あぁRAGTIME S&D(俳優座)で降りたわ…この駅。
劇場と作品と駅名が結びつかない。
まいくろです。


そんなわけで本命女子さんこと安藤繭子さんが参加した
「今井里美企画 vol.17『鏡花幻想譚 その四』」を楽しんできました。

泉鏡花という小説家の作品に触れたのは今回が初めて。
卒論で鏡花研究をした友人に連絡とって、
鏡花作品の話を聞いてみれば良かったかしら…
などと考えつつ、六本木へ。

開演前にはドレ友さんで繭友さん(造語)でもある方々と待ち合わせ、
ランチを一緒したり、アンドレ話に花を咲かせたり。
楽しい時間をすごしました。
その節はありがとうございます(´∀`*)


さて、今回の企画は休憩を挟んで二部構成。
思うがままに書いてたら、またもや長文になりにけり。


↓ 続きは「MORE」よりお願いします。



第一部(前半)では、
鏡花研究家の田中センセイが『海神別荘』の予備知識や、
過去に行われた『海神別荘』公演について語ってくれました。
レジュメも配られて本格的。
久々に「講義」に参加した気分。

『海神別荘』は、戯曲として書かれてから実際に上演されるまでに、
実に十数年という時間がかかったそうです。
(しかも初上演は作者の死後だったらしい)

作者は観たかったのか。
「舞台で表現できるもんならやってみろ」という挑戦的な意図が含まれていたのか…
真実は本人のみが知る。

第一部(後半)は、
役者をされている(前回の企画にも参加してたとか)森氏が、
鏡花のエッセイ文「ことば」を朗読。
森氏の「ことば」への考え方も、朗読後に語ってくれました。
日本のことばの、活字に残らない微妙なニュアンスについて。
忘れてはならない日本の心について。

魚「一匹」がおろされて「一枚」刻まれて「一きれ」、
その数きれが器に盛られて「一杯」…といった、
ものの数え方の変化について例示されてました。
日本の言葉は面白いですよねぇ。
その言葉を操り、幻想世界を作り出した泉鏡花。


休憩を経て、
作品『海神別荘』の朗読会が始まりました。


五弦ウッドベースの音色と、
小道具が奏でる波の音と共に入場する出演者の方々。

久しぶりに目の前に現れた本命女子さんは、
海底にある海神の館に勤める侍女の役。
以前にも増してキレイになっていて、
生成の生地と珊瑚色の布で作られた衣装もお似合いです。

海神公子(海の王。乙姫さまの弟らしい)に語りかける声には尊敬が含まれ、
公子が「じい」と呼ぶ、
ちょっとおちゃめな僧都に語りかける時は孫娘のように少し親しげ。
海の宝を列挙する声を聞いて、
まいくろ脳内には鮮やかな色が満ちあふれました。


『海神別荘』は、
人身御供として海に捧げられた美女が、海神の公子の下に嫁ぐ時の話。
人間から海底で生きる存在になった美女は、
「死んだわけでなく、海底で暮らしているのだと家族に伝えたい」
と公子に訴えます。
渋る公子に頼み込んで地上に行ってみた美女ですが、
人外になった美女は人間の目には蛇神にみえるようで、
皆に拒絶されてしまいます。

「人間の目が蛇神に映してしまうのだ」という公子。
しかし美女は「公子が魔法でそうさせたのだ」と嘆き、公子をなじります。

海底の世界で悲しむことを許さない公子は、
美女を殺してしまおうと考えます。
「殺すなら公子自身の手で」と望む美女。

いざ美女を剣で貫こうとするとき、美女は公子と目が合います。

美女は
「その顔のお綺麗さ、気高さ、美しさ(中略)…もう故郷を忘れました」
「早く殺して。ああ嬉しい」
と、にっこり笑うのです。

公子は剣を納めて美女の手を取り、
そしてふたりは夫婦の契りを交わします。


…文にすると、なんというか唐突なんですよね。
先日予習しようと原文を読みましたが、
美女のセリフがいまいちよくわかりませんでした。

しかし目の前で生の声を聞くと、
この展開に違和感がなくなります。

美女役の声はよく通るのにどこか儚くて。
公子役の声は、自信と気品と強さに溢れたイケメンボイスで。

なんと言えばいいのかな…

この美しき公子の世界(人生)の一部に生きられるなら、
ここで滅びても自分の命にも得るものがあるんじゃないかな~って感覚。

あと、美しさが形をとったような公子を眼前に見て、
その美しさを最も深く感じることができたこの瞬間が魂の最頂点であり、
高ぶりを抱いたまま散りたいと思った…とか。

そういえば昔このブログに、
「喜び最高潮! このまま死んでもイイ」的なことを書いた記憶があります。
ブログ内検索したら、
『堕天(2008)』久坂@本命くんの終演挨拶&写真見ての発言でした。
しかもその死んでもイイ発言、一瞬で撤回してるし…
(まだまだいい本命くんが観れるかも、ってことで)

俗なレベルに言い換えると、この時の自分の感情みたいなものかなぁ。



朗読会中、
幸運にも本命女子さんの顔は常に見えていたのですが、
席の関係で他の出演者の方の表情はよく見えなかったのです。
その分、想像力を最大限に駆使して物語に浸ることができて、
まいくろとしては結果オーライとなりました。

聴覚への刺激と、自分の中にある想像力を掛け合わせた、
自分だけの『海神別荘』。
とても楽しく、学びあるひとときでした。

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