『Madam river and Mr.sofa』役別雑感 3

これでラスト、『Madam river and Mr.sofa』の役別雑感。

ホーレス、ドーリー、ハック。


↓ ネタバレ注意!


>ホーレス@村田洋二郎さん&村田雅和さん
ハックの部屋の上の階に住み始めた男。
だけど、部屋の名義は友人(ダニー)名義。

ホーレスは女の死体を、部屋に隠しています。
ドイツにはクリスマスを終えた26日に、
ツリーを窓から外に投げ捨てる風習があるそうで。
そこでツリーを投げ捨てるふりをして、死体を川に沈めちゃおう! てな魂胆。
友人のダニーにツリーの調達を依頼しますが…
この辺から彼の計画に狂いが生じてきます。

彼の「この川は死体が上がらない、歴史がそれを証明している」で騙されました。
ドーリーの事件が過去で、ホーレスの事件が現在なんじゃないか、って。
普通に、階が上下なだけでした。
コレに気付くまでにチンプンカンプンな、まいくろ頭脳。2回観劇必須です。

混乱する要素はココにもあります。
今回、女を死体にしたのはホーレスじゃないということ。
まぁホーレスが、彼女を死体にしようとしたのは事実なので、
ホーレスは、「彼女は俺の投薬で死んだ」と思っている様子。
だけど、死んだ彼女はホーレスの前に姿を見せるのです。
そのうえ、依頼した殺し屋クリストキントも動き始めて…色々込み入ったことに。

ホーレスが彼女を殺したかった理由は、彼女が手に入らなかったから。
「プロパビリティ(蓋然性≒確率による・見込み)の犯罪だよ」とか、
「毎日、毎日…。だけど死なない。あいつを待つ。死なない…」の言葉にゾクゾク。
あのあたり、riverホーレスには冷たく青い怒りを、
sofaホーレスからは虚無を感じましたが、
千秋楽ではsofaホーレス、声を荒げてましたね。
ハックによって彼女とホーレスの間にあった誤解はとかれ、
彼女の前で嗚咽し崩れ落ちるホーレス。切ないです。
彼女の気持ちはそこに有ったのにね。

キャスト、どっちの役者さんも似合うなぁ…
自分としては感情についつい納得しちゃうriver、ゾクゾクするsofa。
riverホーレスはいつか「全部、全部だ!」と言い出しちゃうんじゃないかと思ってました。

パーティで、アンブロースにドナルドが帽子をかぶせる時、みんな拍手。
sofaホーレスが少し戸惑いつつも拍手するところ、見ていてちょっと救われました。
殺人を実行しようとした自分が祝って良いのだろうか、みたいな躊躇がね。
sofaのほうが病んでるように見えたので、このシーンは氷が溶けるような印象でした。

千秋楽riverホーレスは、
まさかの鍵屋(西田さん&佐久間さん)乱入で散々な目にあってました。
一緒に鍵屋を追い出してくれると思ってた親友ダニーまで鍵屋側のボケに乗っかるし(笑
そんなriverホーレス洋二郎さんは、sofa千秋楽で鍵屋になって乱入。
ドアの鍵を直しますとか言ってたけど、
効果音でドカッバキッって音が…直してるんかそれ ヽ(゚∀゚;




>ドーリー@田中良子さん&芳賀恵子さん
ハックの元妻。
詐欺師のハックに「頭がきれる」と評価されるほどの女性。
ハックの浮気に何度も泣かされた…と本人談。
浮気は誤解だ、というのがハックの言い分。
2人の主張は平行線ですが、
自分は浮気に関して「相手が浮気だと思ったら浮気」と思ってるので、
2人の話を聞いたら気分はドーリー側になっちゃうかも。
(その前に「どこからが浮気だと判断するか」を夫婦が認識しとく必要があるけど)

男の死体を前にして、ハックに助けを求めます。
「あなたしかいないの」って。
この発言は、実はそれ以前にもしています。
ハックが出所した一昨日、ドーリーはハックに電話をかけてきているのです。
ここで疑問。
ドーリーはいつ死んだのか? って事。
自分はこの一昨日の電話の時点で死んでるだろうと考えていたのですが、
いくら年末の寒さとはいえ色々大変なことになるのでは? と思うのですよね。
「あなたしかいないの」は、死体云々のお願いじゃなくて、
ドーリーが守りたかった「彼」の誤解をとくのをお願いしたいけど、
私はもうアレだし頼れるのはもうあなたしかいない…って意味だったのかな。

オニオンスープに毒が入ってる、と嘘をついたのは、
ハックがどういう男だかをドーリーは分かっているからでしょうね。
事情を知れば、きっとハックは男を殺したのは自分である、と罪をかぶるでしょう。
でも凶器(毒)のありかがハックの供述と違えば、
ハックは犯人扱いされることは無い…とドーリーは考えて、嘘ついたのかな。


クライマックスの「やめて、ハック」が、両チームでだいぶ差がありました。
静かにいうriver、感情あらわに叫ぶsofa。
守りたかった彼を、どう愛してたか…の差かなぁって思いました。
riverドーリーは密かに愛してたんだろなって。まだ少しだけ、戸惑いまじりで。
んで、sofaドーリーは燃え上がってたんじゃないかなって思いました。
しかしどちらのドーリーも告げられず、こんなことに。

良子さんのriverドーリーはですね、
バルコニーで切なげに佇むところが儚くて、
このまま消えちゃうんじゃないかって思ったのを覚えてます。
sofaを見た後だから彼女の正体を知ってたので、部屋に戻ってきてくれてよかった…

千秋楽sofaドーリー、妙な音楽かけてハックをしきりにダンスに誘ってました(笑
(なにげに『枯れるやまぁ』で秀吉と踊ってたのと同じだ!)
あの時と「音楽かけましょ? イヤ!?」って時の一種脅迫的な笑顔が、
芳賀さんの魅力だわ~と思ってしまいました。
性根の強い女子は大好きです (*´∀`)



>ハック@窪寺昭さん&西田大輔さん
ドーリーの元夫。離婚して4年弱。
詐欺集団「トムソーヤ」のリーダー的存在のようです。
2年前に逮捕され、一昨日、刑期を終えて出所してきました。

詐欺集団の仲間には「ハックルベリー」と呼ばれます。
『ハックルベリー・フィンの冒険』といえば『トム・ソーヤー』の続編ですが、
名前を使っただけで、今回の公演には特に関連は無いのかな。
作中の印象しては、
詐欺集団メンバー的会話の時だけハックルベリーって呼ばれてるような。
愛称というかコードネーム的な感じかな?

ハックが無人の部屋に戻ってくるオープニングのシーン、凄く好き。
クライマックスで、「もう、電話してくるなよ」ってドーリーの背中を押す発言。
でも、アンブロースに質問されます。
「もし、また電話が来たらどうする?」って。
そして続けて「…それって、ラグタイム?」って。

ラグタイムは、ジャズにおいて「至高なる音の作成を待つ時間」。
音が出来るのを待つ…ってことは、
本当は電話がかかってくるのを待っている気持ちがあるってことなのかな。
幸せな2人を祝福しつつも、ほろ苦いブラックのコーヒーを飲むハック。
『Madam river and Mr.sofa』の恋は、ちょっと大人向けです。

あのシーンは、時系列としては最後なんだろな。
勝手にラストシーンの1年後だと思ってます。
アンブロースが「ずっと」気になってたの、って言ってたし。
アンブロースはクリスマスにしか出てこない印象があるし。
ドーリからの手紙に書いてあった、
「おかえり(←だよね?)」に晴れ晴れと微笑むハックが素敵なのです。
その後に響き渡る曲が「Hello, Dolly!」でね。鳥肌でした。
helloって結構和訳の幅が広いわけです。
電話を受ける時の「もしもし」とも訳せるらしいけど、
個人的に、なんとなく今回は「ごきげんよう」で訳してみたい。

riverハックは窪寺さん。
死体をごまかさなくちゃならないドタバタの時のキレがいいですね。
ハックの困った顔が大好きです。心底同情してしまう。
あとはラストシーンのコーヒー飲むあたり。切ない…

sofaハックは西田さん。
「心配すんな」ってな感じの自信満々セリフがやっぱり説得力あります。
後半の「ドーリー!」って叫びながら走っていくところが…愛です。
あとは、フライドに耳打ちするシーンに ヽ(゚∀゚*)ノ ってなりました。
頼られてるよ! ガンバレ、超がんばれ、タッキー!





「私たちは一緒だ、ここに佇むミスターソファーだ」って、
ドナルドがホーレス言います。
ハックもね、ミスターソファーだったりします。
間に合わなかったのです。
ヴェラの言った、「優しさで千載一遇のチャンスを逃した」という言葉。
それって2年前の事を指してたのかな。
本当は2年前に渡すはずだった花束。

『Madam river and Mr.sofa』は、
たぶん物語としてはハッピーエンドなんだけど、せつないのです。

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(画像は7年前に描いたものです)