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『爾汝の社 再来』ネタバレ雑感

さて、先日観てきた『爾汝の社 再来』のネタバレ雑感です。

おや、26日15時よりシャッフル追加公演決定されてたんですね。
カモメとヒバリとトンビの組み合わせがマイベスト。
残念ながら良子さんは追加シャッフルには出演されませんでしたが、
17時からのラスト公演は女組。良子さん出演でした。
皆様、おつかれさまでした。

『爾汝の社 再来』の良子さんと、『誰ガタメノ剣』の信長と、
どっちがアイライン濃いかなぁ~と、ふと考えたり。
まいくろです。


さて、劇団レッド・フェイス。
『七慟伽藍』という作品がきっかけで存在を知りました。
戦国題材の活読劇をやる&それに知ってる役者さんが出るって事で。
そしたら『美しの水』の北条政子役の窪田あつこさんや、
『ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレット』のシャルル役、小田井涼平さんも出てたという…。
『七慟伽藍』観劇自体は、諸々の事情で断念。
劇団名だけ記憶に残ってた、という感じです。
(その『七慟伽藍』。どうやら、来月に名古屋公演するらしいですよ)
まさかその劇団の公演に良子さんが客演されるとは。
うーん、驚きでした。

舞台が遊郭だって情報を得て、
まいくろの脳内にポンッと浮かんだ遊女良子さんはなぜか『神殿』の斉藤(笑
『ゆめゆめ』あるのにねぇ…


以下、雑感をつらつら。ネタバレを含みます。

↓ ネタバレ注意!




江戸末期。
器量良しが揃っている、と吉原でも評判の遊郭「くるり籠(ろう)」。
今日も、銭にうるさいカカサマのもと、遊女たちが客を取っています。

ある日のこと、くるり籠で最も面倒見の良い遊女ヒバリが、
羅生門の前で保護した少女を連れてきました。
およそくるり籠に似つかわしくない顔をした、小汚い少女。
ヒバリの必死の願いにより、
少女は下働きとして住み込むことになりました。

ここの女たちはみんな、鳥の名前をカカサマから貰います。
少女が貰った名前は、「百舌(モズ)」。
他に行き場のないモズは、懸命に働きます。
そんなモズの前に現れた一人の女性。
「あちきは花魁。名は、トンビ…」

モズはトンビという名に聞き覚えがありました。
新造仲間のインコが、いつも得意げに言う言葉。

 ―あたいの母ちゃんは、この吉原で一番すごい花魁だったんだ。
 ―名前はトンビ。
 ―もう、死んじゃったけどね。

花魁幽霊トンビは、モズに何をさせようというのでしょうか?
そして、それぞれの過去を持ったくるり籠の遊女達は、
どのような運命を辿るのでしょうか?

ここは吉原。
見ての天国、住んでの地獄。
羽根を切られた鳥達が、はばたく話。



あらすじ終了。

登場人物たちのセリフを、わざと被せる演出だったのかな。
なんかね、洋画の吹替を見てる気分でした。
あと、ノリツッコミがすごく多かった。
まいくろの笑いの沸点が低かったせいもあるのかな?
笑いどころは多かったように感じました。

「辛いけど充実した日々」を表現した、
モズの走る周りを行き交う遊女&新造って演出が好みだったなぁ。
小道具はほとんど無し。
お膳台を運ぶのも、お料理をするのも、ふすまの開け閉めも、パントマイムです。
そういえば、小道具の扇子がすっごい見覚えあるような気がしたんですけど…
持ち寄りとか? それとも、ただのソラ似かな。

リーフレットに、衣装姿の男組女組個々の写真が載ってるんですけど、
男組の写真はなんかほんとに「女装」でね。
大丈夫なのかなぁとちょっと不安になったのです。
で、実際に演技してる姿を見たら、そういう不安は払拭です。
わりとどうでもいい話ですが、
リーフレットの男組ヒバリの写真が総理大臣に見えます…(´∀`;


さて、役別雑感行きます。


>百舌(もず)
本名は光子。
生まれ育った村が飢饉に襲われ、一家心中を図った父は死に、
母とともに生き延びるも、貧しさは変わらず。
「団子を買ってくるから待ってなさい」と、羅生門の前で置き去りにされました。
モズという名を貰い、くるり籠で働きながら、いつか母を迎えに行こうと思っています。

男バージョンのほう、「光子…13歳…」の声色に笑いました。
あの顔で(ごめん!)しかもあの声じゃあ(ホントごめん!)、
客を取るのは難しいよなぁ~、と。

「これでよかったんだよね、母ちゃん」という言葉。
彼女の「母」を失わせたこの世界を、運命を壊したかったのかな。
いまの彼女の世界は、くるり籠だけだったからなぁ。
まだ子供のモズには「親子」しか救われる関係がなかった。
それが彼女を悲劇へと誘います。
波乱の幼少時代を口頭で表現しちゃったのが、ちょっと物足りなかったかも。

ツバメはまだ死んでなかったし、ヒバリはモズを引き取る気でいた。
強くなきゃ生きていけないとクジャクが教えてくれてたのに…
彼女が真っ直ぐすぎたゆえの悲劇ですね。


>孔雀(くじゃく)
なぜか60歳以上のおじいちゃんしかお客にしない、派手な花魁。
その理由は、「金だけ置いてさっさと死ぬから」。
男にほれたら遊女としてオシマイだ、というポリシーらしいです。
ミミズク曰く、思い込みの激しい子。
これだ、って思い込むと、視野が狭くなっちゃうのです。

男組のほうは、座ると完全にガニ股でスケバンみたいな感じでした(笑
なんとなく、女子校を思い出しました。
ロッカーの汚さ&某昆虫の出現率は、
女子校>男子校>共学 らしいとのウワサ。

女組は良子さん。
孔雀の羽が髪の毛に飾ってあるんです。きれい。
きっと誰よりも優しいのに、わざと尖ってみせているクジャク。
彼女がくるり籠を去るエピソードが好きです。その時のモズの表情も、好き。
去った後に、もう一度くるり籠に足を踏み入れた時の彼女こそが、素なんだろうなぁ。
いんこ、いんこ、いんこ、いんこ♪
くじゃく、くじゃく、くじゃく、くじゃく♪ の時が可愛すぎでした(*´∀`)

彼女には、出生の秘密があります。
彼女自身も全く知らなかった、自分の父親の事。
父のもとに行く時、色々複雑な感情があったと思います。
でもそれ以上に、救わなきゃならない人が居た。
だからクジャクは決断したんです。性根は、ヒバリと同じように優しい人。

男女ともに、ラスト近くの言葉の意味が良く理解できなかった自分が悔しいです。
みんなを扇動する前の、しっとりとしたセリフ部分。
聞こえてたはずなんですけどね…何故だか。


>雲雀(ひばり)
くるり籠でいちばん面倒見が良い花魁。
羅生門の前で泣いていたモズを、保護したのも彼女。

男女とも、声がとっても可愛らしい。
たぶん、だからヒバリって名前なんだと思います。
くるり籠にいるくらいだから器量も良い。
そして面倒見がいいという出来過ぎな人。

インコ、スズメ、ヌエ、モズに漢字を教えるヒバリ姐さん。
男組のほうは「熱血! 猪木教室」という、アントニオな感じのお勉強会。
みんなしゃくれてました。年末から猪木づいているなぁ(笑
女組のほうは、
ボケたおす生徒に笑顔で「ぶっころすぞ、このやろう☆」と弾けるヒバリ先生。
どっちもなんというか…すごかったです。

回想シーンで「スズメは、なんにも知らなくていいのよ」って言います。
その時、女組ヒバリはお料理をしている動きをしています。
それがね、小道具とか無いのに本当に自然でね。見とれました。
彼女自身も捨て子で、ミミズクに拾われた過去があります。
それゆえに、人に優しいのかも。
あの時なくなるはずだった命だから、他の人の為に使おう、って思ってるのかも。


>燕(つばめ)
ロマンスに生きる花魁。
カカサマには内緒にしていますが、若手役者とデキています。
隙をみて部屋に連れ込んでいる様子。
そんな彼女は「縫い子」のヌエの、実の姉。

男組のほうで、寝起きでヌエの腕の骨を折ったんですね。
なんつー花魁だよ、とおもったら姉妹でした。
いや、姉妹でも腕を折ってはいけませんが(笑
モズのとやり取りで、ボケにのってひとしきり盛り上がったあとの、
「…ばか」の言い方が好きでした。

ツバメの夢は、自分の店(遊郭)をつくること。
だからそれまで泣かないし、弱音もはかないのだそうです。
たしか、「どうだ、遊女で御座い」だったかな。 
売られた事に対するネガティブな感情を表に出さずにしっかり立っています。


>鴎(かもめ)
花魁ですが、元々は魚屋の女将。夫の借金のカタに売られました。
稼いでも稼いでも、それ以上に夫が新たな借金をこさえるので、
いつまで経っても遊女を辞められません。

人妻好みにも対応かぁ。客層を選びませんね、くるり籠。
「待ってる」という夫の手紙を懐に隠し、身体は売っても夫に操を立てています。
ああ…なんでいい女ってこういうダメ男にくっついちゃうんだろう(笑

母性の人です。
実の母を失い、母のように懐いていたヒバリは身受けされ。
寂しがるモズに「私を母ちゃんだと思っていいんだよ」と声をかけます。
カモメさん自身も、夫のもとに娘を置いてきています。
その後の場面での、
モズがはにかみながら言う「えへへ、かー、ちゃんっ」の可愛いこと!


>蚯蚓九(みみずく)
花魁、手相を見るのが得意。
くるり籠の中での発言権はけっこう強く、
ことあるごとにカカサマはミミズクに手相を見てもらいます。

男女でかなり差のあった役作りでした。
男組は「ほぅほぅ…」という口癖がある様子。サバサバ系おネェです。
こっちのミミズクの名の由来は、この口癖でしょうか。

女組はですね。窪田あつこさん。かなーり、個性的な花魁です。
なんといっても、なんか訛ってる。
こっちのミミズクの由来は、博識&シルエットなのでしょうか?
…とおもったんですけどね、彼女の漢字表記は鳥のミミズク(木菟)じゃなくて、
ミミズ(蚯蚓) + 九 なんです。あのニョロニョロした、畑のお友達。
そうすると由来は… こんなところじゃ言えないこと?


>丹頂(たんちょう)
花魁ですが、いまは病に倒れていて座敷に上がれません。
細見(さいけん@吉原のゴシップガイドブックみたいなもの)でも、
「復活できるのか!?」みたいに取り沙汰されています。

「もっと見ていたかった」って惜しまれる、散りぎわの桜が好きなタンチョウ。
彼女の本名は、さくら。
死に際のタンチョウに時期はずれの桜を見せる、くるり籠の遊女達。
キレイです。

クライマックスで、遊女達を助けに来ます。
その時のタンチョウ、えらい男前でした。
元気な頃の彼女は、あんな感じだったんでしょうね。


>目白(めじろ)
タンチョウの抜けた穴を埋めるべく、カカサマが採用した原宿の花魁。
紹介者はどこぞのお侍さんだとか。
「原宿ガール」と作中では言われます。
三白眼気味だからメジロ、と勝手な想像。

実は彼女、遊女であって遊女でないのです。
ある任務をうけてくるり籠にやってきた、くのいち。
冷徹であれ、必要ならすぐに命を捨てろ、と教育されてきたメジロにとって、
このくるり籠での生活は未知のもの、それでいて温かいものでした。
任務が終わればおさらば。だけど離れたくないなぁ、と思いはじめます。
ターゲットの部屋に向かうまでの行き方、女組はかなりアクロバティック。

彼女が捕まったあとで、遊女達が口々に「メジロはかわいそう」と言います。
ここね、なんか素直に受け止めらなかった部分です。
理由は「かわいそう」という言葉自体にあまり良い印象を持ってないから。
だから素直に聞けなかった。
みんなは心から、メジロの不遇な人生を悲しんでいたのはとてもよく分かりました。
でも、あの中の誰か一人でも、
「そんな辛い中でよくがんばってきたね」と言ってくれないかなぁ…と思っていました。


>雀(すずめ)
新造(花魁の雑用をする。そんな彼女自身も遊女)。
カカサマ曰く「ちゅんちゅんスズメ」。おそらく、口がたつのでしょう。

父も母も知らないスズメ。カカサマを本当の母親だと思っています。
カカサマの真意は分かりませんが、
キセルと小判の箱をスズメに渡したのには何らかの意味があると思います。

なにげに、一番モズに悪戯してると思いました。
それと同時に、一番モズと仲良しって印象。
読めた手紙を読まなかったのは、モズのことを大事にしてるから。

人生は思い通りに運んでくれないものだ、と言います。
私には分からないことだらけだ、と。
分からなくていい事もある、無理に知る必要はない…といったのはカモメだったかな。
分からないからこその彼女の明るさが、この話の救いです。


>鵺(ぬえ)
くるり籠の縫い子。
遊女達の洋服の繕いが主な仕事です。
花魁、ツバメの妹。姉がここに売られているから、というのが就職の理由。
ときどき、会話内に英語が交じります。理由は謎。ルーの先祖?

姉に似ている、とモズに言われて、嬉しそうにするところが良いです。
姉を誇りに思ってるって事ですもんね。

鵺という生き物は想像上の動物だけかと思っていましたが、
実際にトラツグミという鳥がいて、それを鵺と呼ぶ事があるそうです。
針仕事をするから太陽が好き!と言う彼女に、
夜の鳥と書く「鵺」の漢字があたってるのが不思議。

しかし、いくら夜だからって回り見えなさ過ぎです(笑
鳥目か、鳥目なのか。ビタミンAをとるんだ、ヌエちゃん。
彼女も、スズメと同じように救いのポジション。


>印児(いんこ)
新造というか、禿(かむろ)なのかな?
くるり籠で生まれ育った彼女は、花魁になるのが夢。
ただし、彼女の母はそうは思っていないようで…

「あたしインコ! ほっぺが赤いから、イ ン コ ☆」
何度言えば気が済むんだ~! とね(笑
出てくるたびに言ってた気がします。
母親はインコを「命をかけて生んだ」そうなので、おそらく育児はしていないでしょう。
あくまで脳内妄想ですが、
カカサマに「ほっぺが赤いからインコ、と母が付けた」みたいな話を聞いてるのかも。

女組のインコは、モズとの会話の中で妙に大人ぶって話します。
その時すっごいセクシーでね。
終始そういう雰囲気の彼女も観てみたいなと思いました。


>鳶(とんび)
くるり籠、伝説の花魁。
いわゆる太夫クラスの花魁です。
全盛期は殿様よりも偉かった、とは娘の弁。
かなりの高額での身受け話がありましたが、カカサマによってその話は白紙に。
娘を産み、命を落とします。

この郭のナンバーワンは、トンビの名を貰うそうです。
鳶は旋回して飛びます。だから、トンビを掲げるこの場所は「くるり籠(ろう)」。
籠は鳥籠でもあり、牢でもあり。

娘のインコを思うあまり、幽霊となってくるり籠を徘徊しています。
インコが助かるという確証が無いままに、
モズにあんな行動取らせたところが、なんかおっちょこちょいだなぁと思いました。
気合で年寄りを昇天させる力があるのに、なんか憎めないのは、
そういう部分が有るからなのだと思います。

「私は、○○がぁ~夢ッ」の場面。
あれは、トンビがモズに見せたビジョンで、
遊女達の発言はトンビに言わされている…という事を、
遊女達は声色を変えることでしっかり表現していました。

「灰にしちまいな!」とか、高笑いとか。
男女ともに迫力必須の場面。どちらも甲乙付けがたい怖さでした。


>可々様(かかさま)
くるり籠の主。本名は「タカ」。
このとき自分、「鳶が鷹を産む」という言葉を思い出しましたが…
ぜんぜん関係なかった(笑

金は、人生において一番余計なものだといいます。
でも、お金に五月蝿いのです。稼げ稼げ、と遊女達をたきつけます。
それは早くノルマを終えて社会復帰して、
人並みに幸せになって欲しいからだと、言います。
でもね。
なかなか年季明けになれないカモメに対し謝罪の意を示しますが、
カモメが去っていくと高笑いするんです。
幸せになってほしいという語りはただのでまかせだったって事?
それとも、はやくカモメが夫に三行半を突きつけて、
浪費家の夫から自由になれるようにわざと追い詰めてるって事かな?

ラストの火事のシーンで証文を探していましたが、
たぶん、遊女達がここに売られたときの証文なんでしょう。
遊女達の羽根を切るカカサマ。安全な鳥籠で遊女達を守るカカサマ。
たぶん、どっちも真実なんだと思います。
侍(ひいてはシャバの人々?)への、
「こっちから見れば、あんた達の方こそカゴの中だ」ってな言葉が、印象深いです。

リーフレット男組の表情は、秀逸です。表情筋鍛えてるんだろうなぁ。
両キャストとも、腰に悪そうな姿勢でずっと演技してました。




普段観てきた系統ではないな、というのが芝居が始まってすぐの率直な感想。
観た事のある女優さん俳優さんの、観たことがない一面が観れたのが貴重でした。
個性派な遊女達が集まってるのに、上手くまとまってるのは凄いなあ、と。

ラストシーンの三つの陣営は、死と生とその狭間なのかなぁ。
モスは死んでいるのか、焼け野原を越えてどこかで行きぬいているのか。
真ん中にモズがいるのは、私たちに判断を委ねているのかなぁと思いました。

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