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『桜の森の満開の下』 ネタバレ雑感

千秋楽の帰宅途中の記事から、
続編を書かずにそのまま仕事ラッシュへ突入してしまいました。
さすが師走。まいくろです。

さて、先日観てきた『桜の森の満開の下』の全体的な雑感です。
役別雑感は、『美しの水』上映会前には書き終えたい、というペースになると思います。


↓ ネタバレ注意!




物語の舞台は、日出ずる国。
大王(おおきみ)が亡くなり、
大王の妻の血縁シシュンと、その兄アナホベが後継者争いをしています。

大王の息子にあたるウマヤドという青年は、出世欲があまり見えません。
現状はシシュンが後見人になっています。
おそらくシシュンとしては、
年長の自分がまず大王になり、ウマヤドが継ぐ…という流れにするのでしょう。
アナホベは暗殺を警戒してか、体調不良を理由に表には出ず、
有力豪族のモリヤらが主に動いています。

どちらの陣営も、人心を味方につけ大王になろうとしています。
日照り続きの今日この頃。
ウマヤドの提案で雨乞いの儀式をしようということになります。
雨が降れば、国民の意識はウマヤドのいるシシュン側に向かうことでしょう。
日照りが続けば、アナホベ側が一気に力を持つことになるでしょう。
まさに運を天に任せるということになります。


ウマヤドには、実は特殊な能力が有ります。
それは「先見(さきみ)」というもの。
これから起こるひとつ先の事が、ウマヤドには見えてしまうのです。
ですが、彼はその力と上手く付き合えていません。
相手と語らずとも、相手の言う言葉が先に聞こえてしまう。
相手に聞かずとも、相手が何をするか分かってしまう。
一度も覆されたことの無い、ウマヤドの先見。
わかりきっている「これから」を楽しめず、また、楽しまずにいます。

先見の力に悩むウマヤドは、桜の木の下がお気に入りです。
ここなら、一人になれるから。落ち着くから。
「…あんた、また来たんだね」
そんなウマヤドに話しかける女。
ウマヤドが桜の下に来ると、どこからか現れる美しい女。
女は、自分の素性については語らず、ウマヤドの話が聞きたいと言います。
話したくない、と答えるウマヤドですが、女の言葉に、ウソがつけなくなります。
「いいや、あんたは話したいんだ」
「ここ以外に話せる場所があるのかい? 一人になれる場所があるのかい?」

桜の森の満開の下、そこは人の心を狂わせる。
八つめを求めた為に、他の七つを失った男の物語。



------------------------------------------------------------------
あらすじおわり。

まず劇場に入って、舞台装置が怖かったです。
木の幹を表現したのかな…? シワが血管みたいでした。
んで、上見たら灯篭が吊るしてあるじゃないですか。
なんかもう、鎮魂会かと思うくらい怖かった。

人は死んだら、肉体は土にかえります。
肉体の中に、魂の一部が残留してるとしたら、その魂も土の中へ。
その土の上に立っているのがこの桜の木なんだ…とか。
そうしたら、この灯篭は花でもあって、
桜の木に吸い上げられて実った魂でもあるんだ…とか思えてきて。

まいくろは桜の花は嫌いじゃないです。
雪みたいに、まわりの音を打ち消す雰囲気が好きです。
満開の桜を見ると、「わ」って感じになります。
「わっ」とか「わぁっ」とかじゃなく。ただ、「わ」。
たぶん、桜に吸い込まれてしまうんだと思います。「ぁ」とか「っ」が。


映像、ここ最近一番のナイス効果です。
一番最初の骸骨愛で女シルエット、あれは絶対芳賀さんだと思ってました。
そしたら足元から桜になっちゃいました。
映像でした。びっくり。
モリヤの最期でもイイ感じに使用されます。
映像のユトラから実際のユトラに切り替わるところ、違和感無くて流石だな、と。

初演ver@DVDではよく分からなかった、
語り部と語り女の領域とウマヤドたちの世界の境目も、
扉を開ける仕草で少し分かりやすくなってました。
途中、語り女がする動きが今も気になってます。
あれはノックだったのか? それとも、ナイフを突き立てるつもりだったのか?


内容について。
今まで観てきた作品の中で、たぶん最も苦手な作品です(笑
だって、持ち上げて突き落とす展開ですから。
展開分かってるのに、やっぱりショックなものはショックですね。
突き落とされても這い上がる展開に慣れてると、ずずーんと来ます。
DVD初めて観た時は、ちょっと食欲がなくなりました(笑

光が見えるはずのラストシーンなのですが、
自分の耳のせいか、上記の意識のせいか分からないのですが、
毎回頭がぐわんぐわんして、光を見つけそこねていました。
あれは、混沌からひとつのものが生まれた瞬間だったのかな。
あのシーンで自分が手に入れられたのは、その感覚だけ。

あくまでも 作品全体としては 苦手、って話です。
嫌いだったら、三回も観たりしません(*´∀`)
見所とか好きなシーンは沢山あります。
語り女&語り部と山賊モードなウマヤドの対峙シーンとか、
雨乞いでの、語り女の登場の仕方とか、トジコ大活躍の儀式とか。
やっぱり、好き好きシーンに必須なのは、役者さんの目力だなぁと実感。

一番壮絶だと思ったのは、
オープニング(時系列ではエンディング?)のウマヤド咆哮。
奥の語り女の笑みも壮絶。初っ端から見所でした。背筋がぞくぞく。
いらっしゃい、のような。おかえりなさい、のような。…そんな笑み。

一番キレイだなって思ったのがシシュン最期あたりのシーン。
ウマヤドとシシュンを隔てる、満開の桜でできた壁。
もう降りすぎだろ! ってくらいの桜、桜、桜。
全ての音を吸い込むような、それでいて一枚一枚が音を出しているような…。
なんとも不思議な風景でした。

あれだけ桜が舞い踊っているにもかかわらず、新嘗祭とか言ってるんですよね。
新嘗祭って、稲作の祭りだから秋のような…。
たぶん、物語中の桜は孤独の領域にあるものの象徴で、
ウマヤドにだけ見えるものなのかもしれないなぁ。
実際に咲いてるわけじゃあないのかもしれないなぁ。


母親に否定されながらも慕い続ける、ウマヤドの境遇が余りにも哀れでした。
シシュンはウマヤドの為を思って、
「(ウマヤド母は)いっそ死んでくれたら」と発言するのですけど、
それはウマヤドを傷つける言葉でもあるのです。
ウマヤドはそんなシシュンに対して「…それでも、母ですから」と言うだけですが、
胸が締め付けられます。
一番身近な人に否定され続け、自己の土台が歪んでいるウマヤド。
ナツメが、シシュンが、ムツがどんなにウマヤドの存在を肯定しても、
ウマヤド自身の根っこの部分は否定で作られてしまっている。
それプラス、先見という自分だけの特殊能力。
ウマヤドはまだ歳若いはずなのに、
誰よりも早く子供らしさを封印せざるを得なかったのでしょう。キビシイです。
もちろん、子供らしさを押し込めただけでは、大人になれるわけじゃありません。
ウマヤドの幼馴染ユトラは、よくウマヤドに「大人になれ」と言います。
そんなユトラは大人なんだろうか? というのは別の話。


そうそうユトラといえば。
クライマックス、 本当の八つ目 の衝撃的シーン。
まいくろは、ウマヤドを大人にするためにユトラがあえて見せたのかと思ってました。
「お前が慕うアスカは母ではなく女なのだ。だからもう捨ててしまえ」と、
ウマヤドにはっきり見せて教える為かと思ってました。

そうしたら、一緒に観劇した友人曰く、

衝撃シーンをウマヤドが見る
 ↓
ウマヤド、アスカを憎む
 ↓
ウマヤドがアスカを殺すなり、傷つけるなりする
 ↓
先王の后という、旧い体制の権力が削がれる
 ↓
散らない桜計画 達成

という思惑があってユトラはああしたのでは? と。
すげー! と思いました。考えてもみませんでした。
たしかに、ユトラがアスカを傷つければ、
どんな理由があるにせよウマヤドはユトラを憎むでしょうから。


美しいものはずっと見ていたい、とユトラは言います。
滅びるから美しい、とシシュンは言います。
どちらも一理ある。
存在するものはいつか衰え失われます。
でも、自分の心の中に美しい姿のままを留めておくことは可能です。
だけど、留めておくとしてもそれは「自分」が生きている間だけ。
「自分」の心が存在する間だけ。
自分の心が存在する間の期間を、永遠と呼んで良いのでしょうか。
「自分」を中心としたら、その時間は永遠なのかもしれない。
だけど自分が死んだ後は? 
自分の心が消えたら、留めていたものも一緒に消えてしまうのでは? 
世界を中心にしたら、それは永遠とは言えないよなぁ。
…と、そんな感じでいちいちグダグダ考えてしまうのです。

この作品は、考えるのではなく、感じる芝居なんだろうなぁと思いました。
目で見て、脳で考察するんじゃなく。細胞の一つ一つに空気を吸わせる感じ。


本命くんのカツミについては、役別雑感でザクザクっと書いて行こうと思います。
あの髪形はなんと言えばいいんでしょうね?
9:1分けって言うのもなんか違うし… 
今回の本命くんは、新ジャンル。
雷に怯える、腰抜け腰巾着くん+生首 です(*´∀`)

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