『ロミオとジュリエット』ネタバレ雑感

キョロキョロ一人で歩いていたのでおのぼりさんがバレたようで、
キャッチセールスのおにいちゃんに
「おねーさん、ちょっと話し聞いて」的な事を言われたのですが。
気が動転して思わず
「私おねーさんじゃありませんので失礼します」と返答しました。
じゃあなんだ? 私はおにーさんだったのか…? と自問自答の池袋。

まいくろです。
少年社中の『ロミオとジュリエット』観てきました。


『ロミオとジュリエット』。
原作はあのシェイクスピア。
身も蓋もない言い方をするなら、
計画したら、関係者どうしで連絡ちゃんと取ろうね…
って事なんですが、
本当に切羽詰まった状況だったので、行き違っちゃった悲劇。
しかし今回はアレンジが入ってます。
きっとハッピーエンド! と、鼻息荒く劇場へ向かいました。

千秋楽を観劇してきました。
心置きなくネタバレ雑感です。


↓ ネタバレ注意!




物語の舞台は、
モンタギュー家とキャピュレット家が血で血を洗う抗争を続けている、
ヴェローナという街。

ある日、モンタギュー家の一人息子ロミオは、
キャピュレット家の一粒種ジュリエットに情熱的な一目ぼれをします。

夜も更けましたが、
ジュリエットにもう一度会いたいロミオは、キャピュレット家の庭に隠れています。
見上げると、窓辺でため息をつくジュリエット。
「ロミオ、此処から救って…」
ジュリエットも、ロミオのことを想っているようです。
思わずジュリエットに声をかけるロミオ。
2人は言葉を交わし、近く結婚式を挙げる約束をします。

別れ際、ジュリエットは言います。
「ねぇ、もしも僕が男でも、結婚してくれる?」
笑い飛ばすロミオ。
「キミは面白い事言うんだね」

でも、それは冗談ではなくて。
ジュリエットは、本当に男だったのです!

運命に縛られたロミオとジュリエットという若い2人が、
未来を手にする為に闘う物語。



あらすじ終了。
大まかな流れはほとんど、かの有名な「ロミオとジュリエット」です。



劇団公式サイト&チラシをみると、ジュリエットは明らかに少年姿。
自分は、サイトで写ってる姿のまま、
舞台に出てくるのかと思ってました。
だから「どうやってあの少年を女と勘違いするんだ?」と、
首をひねりひねり席につきました。

なんと、衣装は衣装で別でした。
すごい、手が込んでる…

ロミオのモンタギュー家が緑、
ジュリエットのキャピュレット家がピンクの衣装で統一されてるのは、
サイトと変わらず。

物語は悲劇的なほうへ悲劇的なほうへ進みますが、
散りばめられている細々した笑いが楽しいです。
例えば、ロミオとジュリエット初対面 IN キャピュレットのお屋敷 の場面。
「誰か来た、隠れて!」と言って、ジュリエットがスカートの下にロミオを隠します。
んで、流石に入りきれないロミオ。
スカートのレース部分から顔がうっすら透けてます(笑
「顔が透けているではないか!」と突っ込まれます。
おいおい一応女性なんだから…と突っ込みを入れつつ笑ってました。


ロミオは、物語の中では
「ロミオっぽくない(体力型&ちょいブサ?)」という立ち位置。
鈍くて難しい事を考えるのは苦手、
ケンカは強いみたいだけど、メンタルはちょっと弱い感じです。
確かにロミオっていうと、なんかナヨっちくて、
口を開けばクサいセリフばかり出てきそうなイメージ。
でも、このロミオは汗臭い感じで好みです。
モンタギュー家の人々(ロミオ友人)達も、小学生的なノリでした。
いぇ~い、ひゅ~! みたいな。
下半身ネタが多かったりするのも小学生男子的。


さてジュリエット、ちゃんと男の子です。
しかしキャピュレット家は女系一族。
代々婿をとって、家を存続させてきました。
ジュリエットの母であるキャピュレット夫人は、
ジュリエットを「女の子」として育て上げます。
これはしきたりだし、母の機嫌を損ねても現状は変わらない…と、
女の子の服を着て生きてきたジュリエットです。

線が細いから女装が似合うなこの人…と思いつつも、
時々見える二の腕はしっかり筋肉ついてます。
劇中設定は14歳なので、傍目には気づかないんでしょうね。
時々、急に男らしい話し方になります。
そのギャップがたのしい(笑


ロミオとジュリエットの両親は、各々両家の当主。
直系であるモンタギュー主人もキャピュレット夫人も、偏屈で頑固なのです。
嫁であるモンタギュー夫人は、夫にも息子にも強く言えないし、
婿であるキャピュレット主人も、なんのかんので妻の言いなり。

隣国ヴェネチアが攻めてきている状況でも
「ロミオが戻ってくれば我がモンタギュー家が覇権を握れる」というモンタギュー主人。
ジュリエットが「僕は男だ!」と主張すれば頭ごなしに叱り、
「あなたは女の子なのよジュリエット…」と壮絶な笑顔を見せるキャピュレット夫人。
どこか狂気をはらんでいます。

モンタギュー家とキャピュレット家の争いはずっと昔から。
当事者はもうこの世には居ないのでしょう。
もしも争いのキッカケがはっきりと記録に残っていれば、
両家の中にもっと冷静な考え方をする人間が多かったろうな…と思いました。
両家は憎みあう事を目的にしてしまっています。
「憎しみは憎しみを呼ぶ」。
ロミオが言っていたことは、昔から行われ、劇中でも展開されます。


ロミオの友人、マキューシオ。
大公家の血を引く者でしたが、ロミオとつるんでいます。
(軟弱な大公家に嫌気がさしたらしい)
彼と、キャピュレット家のティボルトが決闘をするんです。
マキューシオはティボルトの剣に倒れます。
目の当たりにしたロミオは、激昂してティボルトに刃を向けるのです。
「そうなってほしくないな」という展開をひたすらに突っ走ってしまいます。
そうなるように影で画策してる人がね、いるんですよ…

それが大公家のパリス伯爵。
虚弱なエスカラス大公を補佐する役目のようで、
実は上手い具合に操ってるような。
両家の争いを激化させ、共倒れした後に街の利権を奪取しようとしています。
この役者さんの演技がいい感じにいやらしくてネチっこくて、ハマってました。
そういえば、エスカラス大公。
女の人が演じてたので「あ、幼女を大公にして摂政状態なわけね」と思ってましたが、
明るいところで見たら、鼻の下が黒く塗ってあったような。
うん? もしかして男役だったのか?


ロミオとジュリエットを結ぶ橋渡し役、ロレンス神父。
某劇団『The Tempest』『十三夜』でも大活躍だった児島さんです。
さて、今回は悲劇だし、真面目なのかなぁ… と思いきや。
なんとアル中神父です(笑
「キャピュレット家の娘ジュリエットと結婚したい」と言い出すロミオに対して、
口に含んだ酒をぶちまけてしまったり。これは、後でロミオにやり返されてました(笑
そんでまた他人の股間を狙っていました…(笑
しかし児島さんですから、クライマックスのところはちゃんと真面目に決めてきます。


ジュリエットの理解者でもあるロザライン。キャピュレット家の人間です。
「両家の争いで、恋人ティボルトの身が危険にさらされるのは嫌、
 だから私は私のためにロミオとジュリエットの結婚を応援する」
と言った彼女。
物語後半にティボルトを喪ってしまう彼女。
もういないティボルトとの未来について語る姿に、ウルっとしました。
いつも強がっているけど、本当は心優しい人です。
特に彼女には幸せになって欲しかったのになぁ。

…そんな願いがちょっぴり叶うのがカーテンコール。
もしも誰も死なずに両家の争いが鎮まったら、って感じの皆々様。
ロザラインはもちろん、ティボルトの元に駆け寄ってひっついてます。
ティボルト、尻に敷かれるタイプですよ(笑

そうそう、カーテンコールといえば。

『SECOND CHILDREN』で泡音を演じておりました大竹えりさん。
なんと今回はジュリエットの乳母役です。おばちゃんです!
コレが実に典型的な、お喋りしたら止まらないオバちゃんってな感じで。
たおやかさは封印。化けてるなぁって感じです。

そんな乳母ちゃま。
カーテンコールで紳士的お辞儀をするパリス伯爵を、
とても可愛らしく(効果音つけるなら「きゅん☆」みたいな感じで)見つめてたので、
勝手に「老いらく(←失礼)の恋」とか思って和んでました。
もしも平和な未来だったなら、
乳母に追いかけられて、たじたじなパリス伯爵とかあったかも…なーんて妄想。



さて、注目の悲劇クライマックス。
ジュリエットの死の知らせを聞いて墓場に飛び込んでくるロミオ。
ロミオの手には、道中に薬屋から買った毒薬が。
ジュリエットを独りで死なすまいと、死体の傍らで毒を呷ります。
その瞬間、ジュリエットは仮死状態から目覚め、ロミオの腕にしがみつくのです。

あと1分…いや、あと30秒、
ロミオがジュリエットの前で悲しみにくれて立ち尽くしていたなら!
運命の悪戯とはこの事。
息を吹き返したジュリエットが、ロミオの名を呼んだ時、
「ロミオの毒薬が、薬屋のミスで滋養強壮剤…とかいうオチであってくれ!」
「もうなんでもいいからロミオ起きてくれ!」
と、全力で願ってました。

両家の争いを鎮めるため、自分達の未来の為に闘った、若者二人の生き様。
ただ一人生き残り、彼等のことを「語って弔う」ロミオの従兄弟ベンヴォーリオ。
ラストシーン、戦火の朱に染まった彼の表情が良かったです。
泣くに泣けないのです。
怒ろうにも、誰に怒れば良いのか分からないのです。



物語の終わりは、必ずしもハッピーエンドとは言えない終わり方でした。
ハッピーではないけれど、救いは有りました。
全ては瓦礫に埋まりと炎に包まれてしまったけれど、
支えあって扉を出て行った2人は、その2人を囲む人々は確かに存在したんです。


次回公演は早くも10月末にあるそうで。
微妙に「虎のこ」と時期がかぶっていそうな感じですが、
美声の井俣氏(今回お目当てにしてた役者さん)がイイキャラっぽいので、
時間作って観にいきたいなぁ。

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(画像は7年前に描いたものです)