『海の上のピアニスト』観劇感想(ネタバレあり)

『レッドクリフ』で大喬の存在が薄くなってそうで、せつない。
まいくろです。

劇場でお話してくださった方々、ありがとうございました。
色々ありすぎて、色々楽しすぎて嬉しすぎて、頭がポッポーな感じです。


Daisuke Nishida ONLY ACT SYNOPSIS TAKT Vol.2
『海の上のピアニスト』の観劇感想です。


船の上で生を受け、生涯船を降りることが無かったピアニスト、
ダニー・ブートマン=T・D・レモン=ノベチェント 氏のお話。
長い名前ですが、これで一人分。

まいくろ、一回目は後方指定席、二回目は前方自由席にて観劇。
後方席は、殿を正面から見れる位置。
前方席は、基本、殿の横顔を堪能する感じです。
殿は舞台上でウロウロ、あっち向いたりこっち向いたりしてたので、
常に横顔、ってわけでもないです。
そして客席にチラホラとドレメン&客演でおなじみの方々が…


以下、かなりネタバレ。
そして、とても長く…長くなってしまいました。

原作、結局触れずに観劇です。
むかし聞いたような気がする、その記憶だけが頼り。


↓ ネタバレ&長文注意!






「…ノベチェントは残っているよ。下船するわけ、ないだろう?」


舞台の上には、グランドピアノが一台。
その周りには、水しぶきを思わせるような白い布が下がっています。
そして、小道具入れの箱(この箱自体も小道具でした)と、
謎の空中ブランコが。

劇場内に響く波の音が大きくなり、開演。
まず舞台上にあらわれるのは、
『GOOD-BYE JOURNEY』『DECADANCE III』でおなじみの、奥田祐さん。
ピアノ生演奏で物語を彩ってくれます。

奥田さんの弾くピアノの音が心地よくなってきた頃に、殿があらわれます。
そして始まる、ナンバーワンな人の物語。



海の上のピアニスト、ノベチェントの物語なのですが、
主に語り手をつとめるのは、トランペット吹きの男。
ノベチェントの親友(←名前忘れました…劇中で言ってたのに)。
このトランペット吹き。
ノベチェントについて語るときの、嬉しそう&誇らしそうなところがたまらなくイイ顔。


まず語るべきは、ノベチェント。
生まれたばかりの彼は、ダンス室のピアノの上で発見されました。
おそらく母親は三等船室の移民でしょう。
船の上で産み落とされ、裕福な人に拾われることを願われ、置き去りに。

「ダニー・ブートマン」は、ノベチェントを見つけた黒人機関士の名前。
「T・D・レモン」は、ノベチェントが入っていた箱に書いてあった文字。
「ノベチェント」は、彼が見つかった年、1900年のこと。 
豪華客船ヴァージニアン号の船員総出で名づけました。

生まれた記録が無いので、戸籍も身分証明も無いノベチェント。
船を降りたら、ノベチェントは捕まってしまうのでは? と恐れた老ダニーは、
船が停泊している間もノベチェントを降ろしませんでした。
そして老ダニーが亡くなっても、ノベチェントは船を降りずに過ごしたのです。


ヴァージニアン号の楽団ピアニストとなったノベチェント。
トランペット吹きとして入団した語り手と、時化(しけ)の日に親友になります。

ここで、例の舞台上にあった空中ブランコの出番。
荒波で左右に揺れる船内、ストッパーを外せば当然すべるグランドピアノ。
そしてすべり続けるピアノを弾きつづけるノベチェント。
ノベチェントとピアノと共に、すべり続けるトランペット吹き。
その表現のためのブランコでした。
殿はブランコを大きく左右に揺らし、その上に立って、
トランペット吹きとノベチェントのやりとりを紡いでいきます。

かなり劇場の壁ギリギリまでブランコが行くので、若干ハラハラ。
あれ? 殿、確か○所恐○症だったような…
 (((( ;゚Д゚))) がっ がんばれ!


自称ジャズの創始者、ジェリー・ロール・モートンとの対決もあります。
殿も、ピアノの奥田祐さんも、大ハッスルです。
この音、聴けてよかった。心から思います。
ジェリーロールの演奏、それに対するノベチェントの演奏。
聞きほれる聴衆たち。
親友の動向をやきもきしながら見つめるるトランペット吹き。
呆れっぷりがもう見てらんない(笑
「出だしからいけなかった」から始まるツッコミというか解説というか…最高。
声出して笑いそうでした。


そして、海の上のピアニストが地上に降りることを決意するエピソード。
地名(停泊地)連呼の最高潮から、
穏かなノベチェントへの切り替えは見事。
陸から海が見たい、とノベチェント。
親友から貰ったキャメルのコートを着て、タラップを降りていく海の上のピアニスト。
一段目、二段目… 三段目…

この時の、トランペット吹きの言葉。
タラップを降りるノベチェントを一緒に見ていた、水夫の言葉。
二人は、同じ気持ちでした。
ガッカリしたけど、悲しかったけど、どこかホッとしてしまった。


船を降りたトランペット吹きとノベチェントは、連絡が途絶えます。
何故なら、そのとき戦争が起きていたから。

「戦争なんて、クソ食らえ」
ノベチェントならきっとこう言うだろう、と真似をして叫ぶトランペット吹き。
でも、ノベチェントの言葉とはやはり違う、と。
その言葉は、ノベチェントが言うからこそ、なのです。

ノベチェントの言う「クソ食らえ」。
元々は、ヴァージニアン号の船長の口癖でもありました。
「規則なんて、クソ食らえ」「ジャズなんて、クソ食らえ」
憎しみもあったけど、その奥に見え隠れする愛情、慈しみがありました。
戦争は、愛せません。


数年が経ち、トランペット吹きのところに、ある水夫から手紙が届きます。
その水夫は、ノベチェントが船を降りようとしたところを一緒に見たあの水夫。
ヴァージニアン号は、医療船として酷使され、
破損が激しいことから爆破される事となりました。
その知らせと共に書かれていた一文を見たトランペット吹きは、
ヴァージニアン号へ向かいます。

ダイナマイトが詰まれ、爆破の日を待つばかりのヴァージニアン号へ。
どこかにいるはずの親友、ノベチェントに会いに。


物語のクライマックスは、鳥肌セリフの連続。
「僕を踏みとどまらせたのは僕に見えなかったものだ」
「無限に広がる鍵盤、それは神様の弾くピアノじゃないか」
「許してくれ、僕は船を降りない」
鳥肌&涙です。中てられざんまい。

ノベチェントには足りないのか。
それとも、ノベチェントは持ちすぎているのか…
そんなことを考えながら、彼のシャウトを聞いていました。


全てを凍結させていったノベチェントを、臆病な人とは呼べません。
無限の可能性を前にしてワクワクする、っていう現象。
物語の登場人物なら、ヒーローなら、それは一般的なのかも。
でも、この世にいるのはヒーローばかりじゃないし。
…もしかして、もしかして。
ワクワクしてる人のうちの一部は、
恐れているドキドキと、ワクワクを取り違えている「吊り橋効果」だったりして。
それとも、あえてその吊り橋効果で自分を奮い立たせているヒーローだったりして。




さて、殿です。
今回の殿の髪型は外ハネ気味カールでして。
2006年『BIRTHDAY』アーカードを髣髴とさせる髪型でして。
たぶんまいくろは、
ツンツンとかピョンピョンとかしてる髪形の人に弱いんだと思います。


さて、一人芝居です。
見終わった後にまず思ったのは「貴方は誰ですか」でした。


一回目の観劇。
ほとんど語らずに舞台から去っていくのを見て、
表現者に徹した姿がとても格好よく見えました。

今までのアンドレ公演の殿は、まくいろにとってやっぱり「殿」でした。
アシッドなんだけど、土方なんだけど、やっぱりどこかに「殿」を見てしまう。
そういう目で観ることに慣れていた。だからすごく感想が書きづらかった。
書いていいのか…語っていいのか…? って。
今回感想書くにあたって「殿」と書いているのですが、しっくりこない。
まいくろにとってコレは凄くいいことです。


二回目の観劇。
こまごまの場面で、ドレメンがダブってきました。
穏かに微笑むノベチェントに村田(雅)さんがチラついて。
天国でノベチェントに対応する門番の口調の影に加藤さんを見て。
楽器で語り合った事を誇らしげにしていたトランペット吹きには佐久間さんが。
タラップを降りていくノベチェントを見つめていた姿に村田(洋)さん。
すべっていくピアノに掴まって楽しむ親友二人には、
WS出身ドレメン達のキラキラを。

一人芝居なんだけど…アンドレ名義じゃないんだけど…。
それでも、コレもいい事だと思いたいです。
人は人によって生かされている。



原作知識極少でも問題は特に無し。
登場人物の名前が若干覚えづらかったけど、特に混乱は無しでした。

色々な表情が見れました。
色々な声を聞けました。
Daisuke Nishida ONLY ACT SYNOPSIS TAKT 、
次はいつになるのか分からないけど、はやく観たいなぁ。
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