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無頼組合『スタンダード・ディ騎士』役別雑感 3

『スタンダード・ディ騎士(ナイト)』
各話ごと役別雑感、ラストです。

これは8月中には書き上げておきたかったので、
一応ギリギリセーフだな…



『101ストリートジャズ』
ラジオから流れるDJの声が告げる、
夜更けのサウスベイシティの気温は桁外れ。
私立探偵の風吹淳平と鶴田紅のふたりは、
某会社に出入りする人間を監視してくれとの依頼を受けて、
ビルの向かいにあるバーで張り込み中です。

もうすこしで今日の依頼も終わり…というところで、
依頼者から電話がかかってきます。
「今までやってもらっていたのはフェイクだ。
 君たちが今いるバーの店主、彼女を店から出さないでほしい」
風吹は依頼の正確な意図を確かめるために依頼者の元へ。
紅ちゃんはいつものメンバーをバーに呼んで話をし、
風吹の戻りを待ちつつ間を持たせる作戦に。

なぜ依頼主は、彼女を店から出したくないのか?
探偵としてはスタンダードな依頼から始まった、暑い夜の話。



↓ ネタバレ注意!

っていうか…夜の気温45℃って言ってたよね?
暑すぎでしょ!!!(笑
熱中症での搬送患者数もかなり多かったなぁ…
サウスベイシティって私の想像以上に大きい街のようです。


>山岸晴美(千野十和子)@山畑恭子さん
101交差点にほど近い「BAR ハミングバード」の雇われ店長。
気怠げな色気のある女性で、
お客とは最低限の会話しかしませんが、
頼んだお酒の種類は覚えてるので無能ではないし、
会計時も客(浮浪者)に「稼いだらまた来て」と、
愛想とも本音ともとれる感じの距離感で、どこかワケアリな雰囲気。
(そういえば、彼女が南雲ちゃんのおかわりに
 「八海山ね」と対応したとき、笑い声がしたのは
 南雲ちゃんの俳優さんのリアル好みのお酒だったのかな…?)

キリコの話した『サブウェイ・タンゴ』や
南雲ちゃんの話した『摩天楼セレナーデ』も
彼女はカウンターで聞いていて、どちらにたいしても
「それ、本当にあった話?」と半信半疑(いや3/4疑くらいか)。
彼女の正体を知っていると、
信じたいけど「そんな話あるわけないわ」って感じになるのも、
ちょっとわかるよなぁ…

今は山岸晴美と名乗っているけど、
実は彼女はジャズ歌手の「千野十和子」で、
風吹たちに今回依頼をしてきた人の元・奥さん。
風吹が「この人と会ったことある気がする」と思ってたのは、
歌手の千野十和子を知ってたからなんですね。
彼女の目を盗んで凝視する風吹(でも彼女気づいてる)に笑。
「前に会ったこと無い?」「有るとしたら、生まれる前ね」
ってやりとりは、
実際に口に出すとすごい破壊力だけど、
舞台や文面で見るとかっこいい…!
そんな「ハードボイルドあるある」な会話でニヤニヤします。
この辺りで彼女、偽の手がかりメモ書いてるんですね。
探偵が自分に興味向けてきた 
 → 計画をじゃまされる可能性
   → 遠ざける作戦の種まき。…頭のいいひと!

娘の時間と、家族の時間を盗んだ相手に復讐をしようと、
誘拐犯「羽生」を拉致して、殺そうと計画。
羽生と対面して
「俺だって刑務所に入って罪を償った」発言されたときの
年数の重みを感じさせる表情にドキッとします。

相手が許せない。その罪は収監程度では償えない。
その決意は強いのだけど
ギリギリのところで見せる「これでよかったの…?」に
彼女の優しさや、紅ちゃんたちの話を聞いていた効果が出てる感じ。
…私は、「娘のせい」にして、自分の時間を止めていないか。
そんな躊躇を感じるつぶやきでした。


>千野英作@音野暁くん
元、音楽プロデューサー。
終演後ブログによると51歳設定だったそうです。
風吹への依頼料の高額っぷりに、
彼の必死さと社会的な有能さを見る。稼いでるんだろうなぁ…

5・6歳くらい老けるのは
髪型をセットする程度でオテノモノな音野くんですが、
今回は髭を生やして、髪に染め粉をはたいて白髪混じりビジュアル。
本気で老けにはいってるなぁ…と、ニマニマ。
会話の内容(娘云々)から50代頭くらいかな、と推測してました。
(観てて受けた印象と設定の数字が近くて、なんかうれしいなぁ…!)

奥さんとのやりとりでの、
背後を甘さをカバーして守る感じの雰囲気、
相手の意志や人格を尊重する口調、あとはなれそめの内容で
奥さんとは一回り違うくらいの
歳の差夫婦なんだろうな、と想像。
(極端に言うと、
 奥さんに対しても「恋人」と「娘」への対応が混じってる感じで、
 その辺で「歳の差夫婦なのかな~」って)
3人で花火見に行こうってシーン、
なんだあの距離感!? 
スタイリッシュラブラブでこそばゆい。
コレを経ての、ラストの交差点の勢いも好きだったなぁ。
娘が亡くなった場所で誘拐犯が死ぬんじゃなくて、
壊れた家族の時間がまた動き出す感触。

奥さんが、亡くなった娘に固執してたから
よけいにそう見えたのかもですが…
現在時間軸の英作さんは、娘のことは忘れた訳じゃないけど、
それはもう戻らないものだって頭切り替えてて、
今、生きてる(元)妻を守りたい、って事に尽力してる感じ。
交差点のあれは、奥さんごと、
奥さんの中にいる娘さんも抱きしめたって感じがしたんですよね。
なんというか、押し込めてたものに向き合った感。

そうそう…たしか1回、
夫婦の会話内で父親が娘を「彼女」と言ってたシーンがあって、
言葉の体感距離が自分の娘のはずなのに妙に遠くて、
個人的にそこがちょっとひっかかりが。
(「あの子」という呼称を想像してたので一瞬面食らった)
娘も一個の人格として認めてるからこそ「彼女」なのかなぁ…
あっ、もしかして
「パパの洗濯物、私のと一緒に洗わないで期」が来てたとか?

「母親失格ね」のくだりでの、笑顔に諫め一滴な表情や
終盤駆け込んできての「どう、なった…?」など、
相手の話を聞いてからスタンス&声を荒げないあたりが、
(娘に構えてなかった点でお互いさまだからなのだと思うけど)
大人で包容力あるなぁ、オジサマだなぁと思ったのでした。

あと、妻の体調を気遣ってライブの回数を減らすのを提案するときに
「スローダウン」というジャズ用語っぽい表現をつかうあたりが
プロデューサーとしての発言と夫としての発言が50/50っぽくて
やたらスマートです。

英作さん、声を荒げたシーンもあったけど、
自分の力不足…というか、
大きくなった歯車のずれへの憤りっていう方向で
個人に向ける怒号とはちょっと違ってて。
離婚届入りの封筒を胸ポケットから出す時からの一連のシーン、
とても好きですねぇ。
無理に明るく振る舞うさまや
肩をふるわせて顔を伏せ、無念と憤りの混じる姿はせつなさ乱れ撃ち。

これは奥さんの話にもなりますが、
彼女はあのシーンでずっと背を向けてお酒飲んでるわけです。
英作さんの顔見ると揺らいじゃうから、
ずっとそうしてたんだろうな。
そんで、軽蔑されるようにわざと振る舞っている感じ。

風吹から英作さんの話を聞いたときの、
あの人がまだ私のことを思ってるわけがない、私は壊れてる、
私にはそんな価値無い、一緒にいたら彼まで駄目になる、的な態度に
「互いを嫌になって別れたんじゃない」という
英作さんの言葉が重なって、まさにそういう二人で。
もう、なんなの? 早く再婚しなよ! って客席で思ってました。
(たぶんこの一件のあとには再婚したはずだ)

別役の磯崎(パワセクハラ・クズの三拍子そろったマネージャー)が真逆の男だったので、
千野さんの小綺麗な服&誠実な動きが、はえることはえること(笑
同じ役者の、同じ「封筒」って小道具でも
磯崎とは全然違う芝居なのが面白いですよねぇ。

同じ役者でっていえば、音野くんと山畑さんは
前々回公演『グッド騎士(ナイト)ベイビー』で
薄幸の強がり悪女とその部下の贋作画家でコンビ組んでて、
特に音野くん(当時の役名:菊地)に関しては
彼女への想いが報われないで死んだので、
今回その二人が夫婦役やってて
さらに報われてたってのも感動ポイントでした(笑


>羽生秀樹@宮本尚さん
千野夫婦の娘「こずえ」ちゃんをさらった男。
父親がエライヒトなんだそうです。

事件当時(?)大学生で、
こずえちゃんをさらった動機は「少女を育ててみたかった」。
それで中学生ねらうのか…? と思ったけど、
中学1年生なら12、3歳ですもんね。まだ子供です。
それ以下になると少女っていうか幼女だもの。
彼女を外界から遮断した部屋に監禁していました。
数年で彼女は助け出されますが、
その心の傷は深かったようで、自殺してしまいます。

こずえちゃんのママに復讐で殺されそうになって、
「最初は違った(反抗的だった)けど、
 一緒にゲームしたりご飯食べたりしてた」
と、監禁中のこずえちゃんの様子について言うんですよね。
耳をふさぐママが痛々しい。
そりゃあね、逃げ場ふさがれて世界がそれしかなくなって、
気まぐれでいつ殺されるかわからない環境になったら、
心は麻痺して「生きたい」ってのを優先して
自分をさらった男とも仲良くなって
どうにか生きようと適応するだろうよ、と思ったのです。

彼女が自殺した理由は父親の側からしか語られないので、
もしかしたら万が一本当にこずえちゃんが羽生に惚れてて、
引き離されたショックで自殺かも…という考えが
初見では頭をよぎったのですが、
羽生くんが「俺の父親は(以下略)」と吠えたあたりで
あぁ、その説は無いな…と思った次第(笑

自分が家に戻ってきて、
父も母も喜んでくれたけど互いに自分を責めてギクシャクして、
寄り添ってくれてるけど時間は戻らないってことに
こずえちゃん、絶望しちゃったのかなぁ…
自分が両親の重荷になってる、とか思っちゃったのかなぁ…?

羽生くん、目隠しされたり縛られたり口をふさがれたり
背後から銃を突きつけられたりしてますが、
こちらに見えてる表現器官のみで
「ヒョロヤサ人生なめてる男」っぷりをうまく見せていました。
引き金を引くシーンでは、クズだなぁと思ってましたけど
同時に唯一「自分で自分の道を切り開いた行動」という面で、
男らしい顔だったかもなぁと思ったりしてました。
(やっても親がもみ消してくれると、思ってたんでしょうけど)


>風吹淳平@シラカワタカシさん
サウスベイシティに事務所をかまえる(家賃滞納中)の探偵。
今回の依頼料で、たまった家賃は完納できるっぽいです。

地味な張り込みは性に合わない的な態度で、
紅ちゃんをおだてて自分は抜けだそうとしていましたが、
そうは問屋がおろさない(笑
バーのママ(山岸晴美)に見覚えがあるようで、
隙をみては凝視していましたが、見てるのバレバレだ~(笑

山岸晴美こと「千野十和子」の私刑決行を止めるべく、奔走。
こずえちゃんの件での羽生の刑期が短すぎる、
裁判官と羽生の父親が裏取引をして短くしたのではないか…
という疑念が、彼女の怒りと悲しみのひとつの要因。
この限られた時間で
「羽生の父と裁判官の癒着」の証拠を探すのは無理。
「別件で羽生を捕まえて、刑務所に送る」という方法に出ます。
言い逃れや裏工作できないように羽生の現行犯逮捕を狙う風吹は、
自ら羽生に銃で撃たれるという作戦を決行。
これで銃刀法違反&殺人未遂罪。収監は免れません。
「羽生が刑務所にいる間に、
 裏取引の証拠をさがし当てる。これで勘弁してくれねぇか」
たしかに、言葉だけでは彼女は止められなかったと思います。
ある意味、ショック療法的な反則技でした。

風吹探偵、防弾ベストを着ていたものの無傷ではいられず。
「あばらの2、3本はイったな…」
ってセリフ、ハードボイルドあるあるすぎるよ~!


>鶴田紅@小川直美さん
くしゃくしゃの髪と眼鏡がトレードマークの、
風吹探偵の(自称)助手。
気温的に夏仕様の衣装ですが、いつものテイストは厳守。
あいもかわらず、フニャフニャふんわりな喋り方でかわいい。

彼女の性善説気味な思考回路と感情移入力は、
風吹やキリコさん、南雲のような「アウトロー」には
なかなか持ち得ないもの。
そこが過去にも様々な事件で突破口になったり、
救いになったりしています。

「張り込みが地味な仕事」と言う風吹に
「カーチェイスしたり、銃撃戦する方が異常なんですぅ~!」と
至極まともな発言。
そうだよな、たしかにいつもの騎士シリーズ見慣れてるから
風吹の発言に「うんうん」って思ってたけど実際の探偵の仕事って
浮気調査とかそういう方向がメインだよなぁ…!

風吹からは子供扱いされていますが、
自称探偵助手として毎回ひょんなところで役に立つのが紅ちゃん。
今回、バーのママがメモに残した手がかりから行き先を割り出す際、
「サウスベイシティに蛍を戻す会」に所属しているという
紅ちゃんのプライベートな活動が重要な助けになりました。
そうそう、(前回公演含め)マイボトル携帯してたね…エコ!

家族三人で花火を見に行こうという千野夫妻の約束。
こずえちゃんは居なくなってしまったけど、
二人に見せるために花火を打ち上げたのは
紅ちゃん・キリコ・南雲でした。
救われ、再生した家族を見ているすすで汚れた紅ちゃんの笑顔が
とても晴れ晴れとしていて、ほんとうにいい子だなぁって。


小川さんは『サブウェイ・タンゴ』の二人目のコールガール
(暗がりで磯崎に集金されてたウェーブヘアの女性)
の役もやってたそうです。
スバルちゃんよりも気弱げな感じ。
封筒をおずおず渡して、そそくさと去っていきます。
名も知らぬコールガールちゃん、
セクハラ磯崎の視線にぜったいに負けないで…!
そして早めにその仕事から足を洗ってね…!



そうそう、バーにいる浮浪者(松戸デイモンさん)が
風吹に山岸晴美の正体のヒントを教えてくれるんですよ。
浮浪者もあの歌手のファンだったそうで。

でもあえてママ本人には
「知ってるよ」とは告げないでいたんだろうなぁ。
でも彼女が好きだから、小金を稼いではたびたび通ってた。
隠してるんだからその過去にふれるのは良くないことだって思ってた。
彼は浮浪者として、日の当たらない世界で生きているからこそ、
そこに足を踏み入れた人間の気持ちは分かる、的な。
でも知ってることは誰かに自慢したかったので、
風吹に対価なしで教えたんでしょうね。
…などと妄想してました。



だいぶ時間がかかってしまいましたが、
やっと私から見た『スタンダード・ディ騎士(ナイト)』を
自分の身から手放して
(とりとめもないし全部書き出せた訳じゃないけど)
文章にできました。

いやー、なにしろ音野くんの「磯崎」と「英作さん」のギャップがすごくて!
特に磯崎についてはアウトプットしたいけど心の赴くままに書いたら
どうやっても磯崎のゲスさに対する悪口しか出ないし、
英作さんのほうは
白髪まじりプラス黒ジャケットの琴線に触れるビジュアルで
やばいやばい私なに口走るかわからん状態だったし。
「少し時間おいてクールダウンしてから」
と思ったのだけど、
時間をおいても書き出したら結局火がついてあんなことに。
実はあれでも磯崎は半分くらいの量に削ってるのです…!(苦笑


とにもかくにも、
生き生きとしたキャラクターに愛着を持ってしまう「騎士シリーズ」です。

長々と読んでいただき、ありがとうございました。
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