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R★H 『ドリームランド』役別雑感 1

10月8日~12日に、
東京・新宿三丁目のSPACE雑遊で上演された

ロデオ★座★ヘヴン 7th act
『ドリームランド』

役別雑感をどんっとアップします。
まいくろです。


登場人物全員、いい意味で個性的です。
極端に悪い言いかたをすると
「社会不適合な部分を持つマイノリティ側の人」というか。

人間には長所と短所がありますが、
今までの経験上、物語の登場人物は
長所7割・短所3割くらいで描かれていることが多かった。
この作品の登場人物は、その逆くらいですかね…(笑
「うわっ」と思っちゃうような人物だらけです。
だけど、現実にいるよね…こういう性格の人。
(ここまで表に出さないだろうけど)

ややもすればコメディになってしまうような
イカレた人物が多いのに、やたら現実的なんですよねぇ。
それは彼らがマッドじゃなくてクレイジーだからなのかな、って。
私もこの言葉の正確な使い分けは説明しがたいんですが、
「もともと頭がオカシい」んじゃなくて、
「何かに夢中になってるゆえに周りが見えなくなってて
 オカシくなってる」という感覚。

その「何か」が判明すると、彼らのクレイジーが、
精一杯の不器用なアイラブユーだったんだってわかる。
だから初見、
そのアイラブユーが交錯する一瞬を描いたシーンで
熱いものがこみ上げてきて、カタルシスを得ました。
2回目観劇以降は、
最初からどの登場人物も愛しく見えました。


大道具はなく、基本的にイスと机で表現。
各シーンのつながりは薄暗闇で、
そのたびに、役者がイス・机を持ってきて景色を作る方式。
シーンの中心になる人物は、演技を始めていて、
持ってくる役者はサクサク動きます。
イスはイスとして使うし、机は机として使ってました。
別のものの代用にはしてなかった…かと。
それでも、イスの種類や役者の服装・演技で「どこ」かわかる。

メインは中央とその奥。
左右のエリアは使ってない道具の待機場所であり、
別の場所にいる登場人物を描く場所であり。
(基本的に左右の人は動かないけど、
 表情でその人のテンションを表現してるように見えました)


以下は役別雑感。
トーヤ、エイジ、ウメガイ、
アイハラ、カズヒロ。

↓ ネタバレ&長文注意!



>トーヤ@鶴町 憲さん
はしゃぎすぎる悪癖を持つ、元・暴走族の、鉄くず屋。
「はしゃぎ」以外でも、
スイッチが入ったらなかなか止められないようで、
冒頭のシーンでも舎弟(エイジ)をたたく強さが
どんどんエスカレートしてましたねぇ。
お笑いシーンからつながってのソレだったので、
初っ端から背筋が冷えました。

トーヤくんは深く考えずに言葉を発する気質のようで、
基本は笑いを持ってきてくれる登場人物です。
彼が五臓六腑からあふれ出すはしゃぎを止められないという
お葬式シーンでは
「(香典の)おつりでねぇかなぁ~」の名言、
マックスコーヒーでご機嫌になる「大きな赤ん坊」っぷりに
笑いが止まりませんでした。
「やったのは俺なのに、ずるい」とか
「どうせなら、なんかやっときゃあ良かった」とか、
「理詰めでおねだりしてくるんだよ」とか、
こまごまの言葉がやたらツボにはまります。

口下手…というか語彙力が無いというか、
自分の気持ちを的確に表現するのが苦手。
むしろ的確に表現できる「大人」になるのを拒否してる感じ。
「はしゃぎ」が現実逃避にも見えますね。
特攻隊長のころの輝きに固執してるというか、
エイジと一緒にいるときは永遠に暴走族っていうか…
でも、「義」の心も持っているみたいだし、友人思いです。
でも考え無しの発言が多すぎ!(笑

後半の、妻との会話でも、
売り言葉に買い言葉のようなテンションで喋ってます。
「あかり(娘)の名前をいっさい口にするな!」
てな感じの激高で客席を凍らせるものの、
そのあとの
「堕天使」のくだりでの見事な失速には大笑いです(笑

鶴町さんは何度か観ている役者さんですが、
見た目ほぼ変化なしなのに、
前観た役の印象を全く引きずらせないのが
すごいなって思います。

あと、言葉にできないような絶妙な表情をつくるのが上手。
スタジアムを重機で破壊しようとした伝説とか、
エイジの身長縮めた伝説のときの彼の表情とかね。
うっとり+懐かし+そんなこともありましたっけ+ドヤ…みたいな。



>エイジ@音野 暁くん
実家は養豚場。
名字は「ナマタメ」みたいな響きだった気がする。
族卒して本格的に家業して20年(?)みたいな発言があったので
実年齢と同じくらいかぁ。

「元は暴走族の総長で、トーヤくんのところとの抗争で
 頭に金属バット食らって身長5センチ縮んだ」
的な過去話が出てきましたが、
これ、たぶんトーヤくんのフカシなのか…?(笑
トーヤくんが家に来たとき
「身長5センチ縮めてみろやー!」って挑発(強がり)してたし。

母親が危篤になったとき(?)に相談にのってくれた
葬儀社の女社員(トモセ)に惚れてます。
なんてわかりやすい反応なんだ、と笑えるくらいの惚れっぷり。
「心の広い、余裕のある大人」を気取る様がおかしすぎます(笑
カズヒロさんの奥さんの葬儀のシーンでヘラヘラしてて、
トーヤくんに調子合わせてるのか? と思ってたのですけど、
彼女に会えて喜んでた、もあったのですね。

漢字で書くとダイレクトなので表記をおさえますが、
ゴール○ンボンバー(バンド名)がいうところの現役「DT」。
田園都市線じゃないやつ。
(元総長とか嘘だろ、と思ったのもこれが理由のひとつ)
うっかりでも相手に触れないし、
急に服をつかまれてオドオドしてるところとか、
アメ○ーークの「女の子苦手芸人」で出てきそう(笑
女の子全般じゃなくて、好きな子限定の反応みたいですが。

住み込みで雇った子(メイ)に
「DTでしょ」って指摘されてからの真顔と
声がやたらでかくなるのと
「そうじゃない」の理由をまくしたてるくだり、
毎回同じなのに笑えます。
ワイン飲んでたら非DTなのか…それは初耳(笑
指摘する側のメイちゃんの「DT」の言い方も好きです。
言いよどむ…というか、
口に出すのもみっともないのを、言ってやってる感。
まぁ男は(年数は個人差あるけど)必ずみんなDTですし、
なんというかエイジさん強く生きてくださいね…って、
温かい目で観てました。
以前にTwitterで言ってた「○○設定」に
まさかこれが入ってくるとは思いませんでした。
盲目とか老人とか幽霊とかいろいろ考えてたのに!(笑
想像から一番遠い設定でした。

あと、田舎特有の「ムラ意識」が染みついている発言が
ちょくちょく出てきます。
DTよりも、見ていてこっちの方がヤバいなと思いました。
冠婚葬祭の様子でランク付けされる、的な発言とか、
「人としての例説がなってない、アイツの家アレだから」とか。
(彼が爆弾魔で前科がある、という意味なら
 「アイツ」個人を指すと思うので、「家」と言ってたっぽいし
 やっぱり部落差別なんじゃないかなぁ…)
トーヤくんと喋ってるとき以外は基本訛ってるし、
なんか自分の田舎と似た言葉遣いだったので
そこを思い出して嗅覚まで刺激されそうな勢いでした。
「くせぇべ」で「うん」って思ったよね(なんかごめんなさい)。

エイジがトモセを匿ってるところで、
「大丈夫だから」って言うところがすごい好き。
精一杯の勇気でHETARE心を抑えて、トモセの手を取るあたり。
彼女からもらった缶コーヒーを、大事に持っていてねぇ。
その缶コーヒーも彼女が
「業者からもらったけど仕事中に持ってるのじゃまだから」
って理由で、ぱっと渡したものなんですけど、
彼にとっては運命の繋がりなわけで、宝物なんですよね。
なんかそういう女々しいけど純粋なところ。
トモセとのやりとりのあと、
場面が変わるまでの間に一気飲みしてケジメをつけるところ。

あと、すごくイイ演技してるから大好きなんだけど
イイ演技すぎて演技に思えなくて観ててつらかったのが、
「病院から自宅への遺体の搬送が、パック料金にはいるか」
を気にする場面。お母さんが亡くなったときのエピソード。
母親の死を悲しむとか、
なんでもいいから早く母親を家に帰らせてほしいとか、
そういうのより先に
お金のことを考えなくちゃならないギリギリの資金繰り。
質問する時の顔、
「パック内」ってわかったときの心底ホッとした顔が
ヘタな土下座より、ずっと情けない姿だなぁと思いつつも
自分たちも同じ境遇だったらこんな顔するんだろうし
こういう思考回路になるんだろうし。
見たくないシーンだったけど観ごたえがあって、
目は離せないし胃はキリキリするし。
トーヤくんにお金を借りに行くところも合わせて
音野くんの憔悴した演技が真に迫っていて、
ほんと、困りました…終演後も、私の頭が切り替えられない。
もうなんなのこの人…
(↑全力で誉めてます)



>ウメガイ@北川 義彦さん
まず見た目で驚き。
髪の毛が立ってる! そしてビジュアルが若い!
前髪ありの(渉さんの役者紹介の写真とか)姿でも
だいぶ幼い系の見た目だなーと思うのに…!

ウメガイくんは表情の変化が乏しくて、
空気読まずの爆弾発言が飛び出すし、
感情にムラがあるしの「あからさまにヤバい」ヤツ。
彼のスイッチがなかなか把握できなかったのですが、
ポジティブシンキングになったのは、
看板爆破で疑われたときに
「メイの仕業」って気づいたからかなぁ…
会話の中の、変なタイミングで見せる笑顔が屈託無さすぎて
少年時代で時間が止まってるのかなぁ、とか。
名前は「ケンシ」だったかな。

普段表情が乏しいのは、省エネなのか、
感情を込めて話す相手が長いこといなかったから
表情の出し方を忘れたのか、
メイのため以外に表情を作る理由がないのか…などと色々想像。

「薄汚ねぇ性根が裾からはみ出して臭ぇんだよ」とか、
「ぶっ殺しましょう」とか「途中からじゃまでした」とか、
「早く金くれよ」とか、
びっくりするような言葉がぽんぽん飛び出してきて、
貴重な北川さんでした。

過去に爆弾を製造・爆発させてしまい、逮捕されています。
メイちゃんのトラウマスイッチを破壊するための爆弾だったのに、
間違えて、目的を果たす前に爆発させてしまいました。
ここのシーンで、メイちゃんが自分のももを叩く手を
掴んで止めるんじゃなくて、自らの身体を挟んで叩かせるとか、
彼女にぐっと顔を近づけて彼女の視界を自分で満たすところとか、
すごい「愛」だなーって思ってしまいました。

その後の、足の小指のくだりがかなり衝撃的。
ちゅーするくらいなら、フェチなのねって片づけられる案件。
その後、別れ際に笑顔で「じゃあ、(小指)折るね」って。
「くっついたら、また折って。わすれんなよ」って。
この言葉に何のためらいもなく笑顔で頷くメイちゃんも
キてるなぁ、と思いますけど…

でも、独占欲っていうか、爪痕つけるっていうか、
「好きな人がそばにいない自分が、
 五体満足でいられるわけがない」っていうか、
自分の一部を好きな人に捧げてるっていうか
好きな人の一部を持って行くっていうか。
方法は過激なんだけど、この二人はピュアだなあって思いました
なんかそういう感覚、あるかもなぁって。

あと、回想シーンで
世界の終わりみたいに泣いてるメイちゃんを見たときの
「すげぇ、恥ずかしかった」っていう表現。
あれどういう感情だったんだろうって。
言葉を探してる感じがあったので、
恥ずかしかったはストライクの言語化じゃないんだろうなって。
今のウメガイくんの語彙だと、そこはどう言うのかな。



>アイハラ@宍 泥美さん
相原観光の女社長。
いつも強気で、相手の先回りをして、上に立とうとしてます。
(初見はなぜか不動産会社だと思ってた…)

ヨソイキの態度と、
くるっと変わるドスの利いた声のギャップ。
笑顔は同じだったりするからね。怖い!
そもそも、ヨソイキモードの時も基本強気なのですが(笑
ウメガイくんとの再会での「うめがいぃ~!」の笑顔が
邪悪で良かったなぁ…
そのあとの建て前と本音のくだりも好き。

彼女、小柄なのを感じさせないオーラがあります。
それまでは、まとってる雰囲気が身長を感じさせなくて、
声の作り方とか流し目とか
髪の毛かきあげとかそっち方面に気をとられていて。
そうそう、ポエムちゃん尋問後の薄暗がり髪の毛かきあげ。
あれで、彼女が(身体はそこに立ったままなんですけど)
行動を始めたなぁって思えました。

実は夫も子供も居て。たしか調停中だったような。
娘の「あかり」ちゃんの気を引きたくて、
娘に届くかどうかもわからないのに、
娘に会えるかどうかもわからないのに、
夫に渡す受け渡しのブツを人気キャラのポーチに入れてみたりする。

背後からおそわれて、ボコ殴りにされてしまいます。
殴る音は効果音とか使わないのに、
彼女の声でどんな状態か見えそうで。
暗闇が、彼女のずっと隠しとおそうとしてた
「か弱さ」を浮き彫りにしてるみたいで、残酷でした。
結局どんなに強ぶっても、圧倒的な暴力には負けてしまうのか。
「地獄の底まで引きずってやる」てな罵倒が
むなしく響いて切なかったです。
悲鳴よりも、とぎれた音とその後の静寂のほうが恐ろしい。

夫に久々に会って、一世一代の告白をして。
泣きそうな顔での「…キスする?」は、
「キスして」と言ってるようにしか見えないのでありました。
1回目と2回目で印象が激変した登場人物。
かわいい、かわいい。
メイちゃんにお金を渡してもらおうとするとき
「(相手は)どんなやつ?」って聞かれて、
外見じゃなくて中身のこと言っちゃうのが特にかわいいと思います。



>カズヒロ@佐瀬 弘幸さん
相原観光の社員。
妻が、パチンコ屋の看板爆破事件で亡くなっています。
妻の葬儀をアイハラに蹂躙(利用)されたのが、
豹変のきっかけなのかなぁ、と思いました。
自分の人権や感情を押し込められるのは、
まだ耐えられてたっぽいけども。

電話の会話を聞いていると、妻にベタ甘っぽいですね。
8万負けちゃっても許してたよね…
電話口で「愛してるって言って」とせがまれて、
言ってあげられないままに爆発が起きてしまって。
転換の時も必死に電話かけて去っていくところで
表情が見えないのがグワグワきます。

一番憎いのは爆発を起こした人なんだけど、
犯人をかばってる様子のアイハラも許せないし
彼女の夫が犯人ってことで「大切な人を奪おう」って意図もあって
アイハラに矛先が向いたのもあるのかなぁ?
何より許せないのは自分自身って感じもありました。
メイちゃん(デリヘル)との会話で
今まで口に出すのをずっと禁忌だと避けて・逃げていた
「憎い」というワードを絞り出したように見えたのが
彼の「獣」の始まりかなぁ。

わめくでもなく、諸々をおし殺したその静かな表情が
悲しくて弱くて危うくて、そして恐ろしかったです。
ある時から、アイハラの正面に立たなくなるんですよね。
横に並ぶか、影から声をかけるか。
彼女がはいつくばって、正面に立つ。上から。そんな感じ。

金属バットを手にくくりつけたその姿、
自分の手がダメになっても
相手を殴るのをやめないんだろうなっていう怖さがありました。

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