『大きな虹のあとで ~不動四兄弟~』を観てきた話

週明けから夜更かし。

3連休、全部都内にいました。まいくろです。
1日目と3日目はどっぷりと、同じ作品を。
2日目はマチソワで1作品ずつ別のを観ました。

で、連休2日目の夜に観た作品。
こりっちページが見あたらなかったので、ブログに残しときます。

○組 
『大きな虹のあとで ~不動四兄弟~』@新宿村LIVE

ANDENDLESS女優の、中川えりかさんが出演ってことで知った作品。
作品自体は実は20年前のものだそうで。
全国各地で何度か上演されているようです。
と、いっても私は初見。

「○組」は「わぐみ」と読んで、今回が旗揚げ公演。
旗揚げに呼ばれるって、なんかいいことだなぁーって思います。
動き出すときが一番パワーが要るそのときに、
あなたの力を貸してほしいって言われるのって、
すごく信頼されてる…って感じ。


飛行隊長だった「不動 太陽」に保護された4人の孤児。
血のつながってない彼らは父と母「不動かすみ(故人)」の元で
すくすく育ちました。
病で死んでしまった父・太陽が息子たちに伝えた家訓により、
戦時中でも笑顔を絶やさずに暮らしていた彼ら。
恋をしたり、夢を見たり、なにがあってもずっと一緒でした。
ですが、時代は戦争のまっただなか。
ついに、訓練を積んでいた彼らのもとに、
「特攻兵として戦地に赴け」という指令が来てしまいます…


という感じの話。

上演時間は2時間とのことでしたが、
かなりエピソードが多くて、
「さらにここから、この展開!?」と驚きましたが
終演後時計見たらやっぱり2時間しか経ってませんでした(笑


まいくろね、もともと、戦争を取り扱ったお芝居とか映画とか、
進んでは観ないほうなのです。
だから好きな役者さんがでる、とかのきっかけが無いと、
基本的に触れないジャンル。

今回の『大きな虹のあとで』は、
戦争の時代の話でありながらも
現代っぽい仕草や言葉遣いなどを取り入れていて
時代考証云々よりも
「そこに生きていた人も、私たちと同じことを考える人間」って
ことを重要視したものなのかな、と思いました。
感情の動きが自分たちと同じだから、
いつの間にか同調してしまうので笑いのシーンも楽しく観れたし、
悲しいときは一緒に悲しいし。

かといって、かつて散っていった彼らへの敬意も忘れてない。
過剰に美化したり、
「単純に客を泣かせるツールとして死を扱う」ということもなく、
心ふるえる作品でした。


開演前に、主宰の方が出てきてご挨拶。
「一つお願いがあります」
「拍子木の音が鳴りましたら、みなさま拍手をしてください」と。

開演前のお願いっていうと携帯&スマホの電源OFFかな、
と思っていたのでちょっとびっくり(笑
あたたかい拍手の中、『大きな虹のあとで』幕が開きました。


↓ 以下ネタバレ

まず言いたいのは、4兄弟のやりとりがかわいい。
開演してビジュアル見たとき
「やばい、このあと見分けつくかな」と思ったのですが
(だってみんな同じ服でみんな坊主なんだもの!)
行動に各々の性格が出てたし、
会話の中でも自然と名前が出てきたりでほぼ大丈夫でした。
(顔が隠れてしまう、特攻隊の服の時は行動とセリフで分かった)

一番見分けるのが不安だった月兄ちゃんと大地兄ちゃんも、
大地兄ちゃんが、お調子者なのに好きな子の前ではHETAREという
かなり激しい個性があったので
すぐに見分けがつくようになりました(笑
前半は「大地兄ちゃんの恋を応援しようぜ作戦」がメインで、
かなり笑えました。

女学生も出てきて、そちらでも
「まきちゃんの恋を成就させちゃおうぜ作戦」
が展開されるのですけど、
恋の矢印の行き先が見事にすれ違ってるという喜劇。
(大地兄ちゃんは悲劇…まぁ壊滅的に気まずくなるのは回避)

作戦が展開されるのは、町の茶屋。
そこの女主人がえりかさんです。
4兄弟の養父、太陽の実の妹。叔母さんというわけですね。
開店前に座席を整えたり、
ネタも整えたり(あれは日替わりだったのかな?)、
三角関係に、昼ドラを見ているテンションになったりと
みごとなコメディエンヌ。

でも、おもしろだけじゃなくて。

4兄弟に特攻召集がかかって、
まきちゃんは、好きな人ににすべての思いを告げようか悩みます。
でも、これから散っていく人に私なんかが告白して、
相手を悩ませちゃうかも、困らせてしまうかも…とも考えてます。

そんな彼女に、叔母さんは
「『あなたを、こんなに好きだと思ってる女がいる』って
 伝えてあげなさい」
てなことを言って、まきちゃんの背中を押す発言をしたんです。

「つらいときこそ笑いましょう」と教えられている4兄弟。
動揺する弟たちを叱咤激励する長男・月に対して
「今までよく頑張ったね」と、
弱音を吐く場所になってくれるんです。
月兄ちゃん、一番上といっても、まだ彼も若者ですから。
(ここで、ふるえながらもギリギリまで笑顔でいる
 月兄ちゃんの表情にも涙腺を刺激されました)

叔母さんも、
かつて伝えられなかった言葉があって後悔している様子。
一人、死んだ兄にむかって語りかける時の切なさったら。
叔母さんは、自分と同じつらさを味あわせたくなくて、
茶屋を営業して、そこで生きる彼らを見て、
自分と同じ道を進んでいる子がいたら
後悔しないようにアドバイスしてるんですかね。

兄弟達を見送るシーンで叔母さん、
空をゆく兄弟に声を掛け、おにぎりを食べるんです。
その前に、おにぎりのエピソードがあったからなのですけど。
「ものを食べる」って行為は、
ともすればコミカルになっちゃいそうなんですが、
えりかさんの見せたその行為は
言葉、表情とあわせて
「あぁ、彼女はこれからも生きていくんだな」
と思わせてくれて、泣けました。



怖がるなら特攻に志願しなきゃよかったのに、という叔母さんに
「今を生きてる俺たちじゃないと、終わらせることができない」
と返すシーンがあって。

あと、

特攻前夜に「俺たちのことが後々映画になったりしてね」
という弟に
「映画になるってことは、それが『非日常』になるってこと」
「わざわざ映画にして見せないとならないような
 遠い話題になっちゃだめだと思う」
って兄が返すシーンがあって。

そのあたりが、私にとって新感覚でした。
特に後者、舞台作品の中でそれを言うのか、と。
でも、すごく納得のいく話で。




末っ子に、家訓を言わせるところが好きです。
言葉の奥の、心を伝える兄たち。
長兄が決意を見せたあたりで、次男と三男がめくばせしてて
兄弟愛にふるえました。

あと、ひまわりの花言葉のシーンも好き。
「いつもあなたを見ています」
ってな、大地くんの言葉を聞いた瞬間、
向日葵っていう漢字がボンって頭の中に浮かんで、心が熱くなりました。
常に太陽の方を見ている、明るい色の花。
一方通行でも「好いてます」って伝えることに意味があるんだよなぁ。
あなたは人に好かれる、素敵な人間です、と。



カーテンコールで、客席に向かって舞台上の役者さんたちが
「観くれてありがとうございました」的な挨拶を何種類かしてたのですが。

「お時間作っていただき、ありがとうございました」

って言われたのがすごく印象的です。

「観劇する時間を別のことにあてたり、
 別のお芝居を観にいったりする選択肢も、観客にある」って、
わかってくれてるんだなーって。
そのうえで
「そんな状況で、ここを選んでくれたことにありがとう」なんだなって。

ブログとかツイッターでも見かける言葉でもあるけど、
終演してすぐに声で聞いたのはあまりなかったので、嬉しかったです。

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