7月25、26日で4作品観た話 4(猫と洞窟と夏編)

先週の観劇前、出がけに連続UPして
「あとひとつは今夜にでも…」と言ったまま観たお芝居に夢中になって
記事UPしそこねたブロガーは私。まいくろです。


+26(日)ソワレ+
『猫と洞窟と夏についての試論』

これが4連戦で一番最後に情報が出た&予約したお芝居。
最近マイブーム、十七戦地の柳井さんの脚本ですよって話で
日曜の夜公演があって
昼のお芝居とはしごできるスケジュールで良かった。
(最終日は昼公演だけ、ってパターンもお芝居では多いので…)

feblabo×シアター・ミラクルプロデュースっていうと『ダイアナ(その他短編)』を観た以来。
劇場としては、この前の週もここに通ってましたね。
当然のことですが、あのベイシティは見るかげもなくなっていて、
ビルの貸し会議室になっていました。


↓ ネタバレ注意!


科学部の部長が、
取材に来た女性記者に起こしたセクハラ事件によって、
当時出場予定だったコンクールにも出場できず、
「この学院の生徒はみんな悪!」という風評が広まって
部員たちは科学から逃げるように別の職種に就きました。

そして5年の月日が経ち、
部員の一人「馬淵」さんがある仮説を立て、
当時の部員と顧問を召集したという流れ。

そこに、馬淵さんの相談相手だったということで
フリーライターの「寺部」が加わった、
7人の男女が一つの部屋で論争をします。
…論争ていうか、検証か。

柳井さんの脚本で、
演出は「劇団肋骨蜜柑同好会」のフジタタイセイさん。
挟み舞台かなとおもっていたら、
劇場入ったら客席は一面でホッとしました。
(1回しか観れないスケジュールで挟み舞台だと
 面白かったとしてもやはり
 心に「反対側でも観たかったー!」が残るのです)

よく見かける組立型のテーブルによくある椅子。
そしてタイトルに「猫」とあるように
猫のシルエットが上手側の端にちょこん、床には猫の足跡。
ある意味客席の視点がその、窓辺にいる猫なのかなって
あと「猫」は作中で
「シュレディンガーの猫」の話が出てくるのもあるし
あとは記者さんが使ってる扇子が猫の柄だったかな。

セクハラ事件は本当に一方的なセクハラだったのか?
記者さんも部長に好意を抱いていたのでは?
という仮説をたてた馬淵さん。
しかし真相を知る部長は
「僕がやった、真実は報道通りだ」の一点張り。

今回集まったきっかけは、当時の部員と顧問たちに
「私は当時の真実を知るものです」
「報道は真実ではありません」などという手紙とともに
部員たちを記者が撮影した写真が2枚送りつけられた事。
この写真は、写っている部員と顧問、
そして撮影した記者「野中」さん以外手にすることができません。
送った人は、今回集まった中にいるのかもしれない。
でも、本人が名乗り出るまで待とう。
そして検証しよう…という流れ。


隠し事をしてる人がする、ちょっとした油断を探すのが
柳井さんの脚本作品の楽しみのひとつ。
難しそうな会話をしていても、
実は言ってることは案外単純で、
目線の不自然な固定や位置移動の唐突さ、
口元を隠すなどは、作中の登場人物のうかつな行動であり、
客席に対して役者さんがくれるヒントだったりします。


今回、送りつけられた(設定の)手紙と写真が
当日パンフレットと一緒に客席においてあって、
開演前や上演中に自由に観れるようになっていました。
だからこちらも考えながら観ることができる、
アトラクション的作品になっていました。
あと、登場人物たちが基本的に
全員顔をこちらに向けてることが多かったので
「うそつき行動探し」が1回観劇でも
登場人物全員目に入って、親切だったなぁ、と。
(見つけられたかどうかは別問題です)

部長の「手首の赤い輪っか」は開演前に気づいたのに。
井戸くんの「こうして、こう」のフリで違和感を感じたのに、
「煮詰まった」の誤用に気づいたのに。
なにより部長と多田くんのビジュアルが似てるなぁってところで
もしかして取り違えてる? とまで考えついたのに。
肝心の「部長が自分がやったと言い張ってる理由」に手が届かず。
真相に、自力でたどりつけなかったのが悔しかったです。
(赤い輪っかは罠みたいなものですけども…笑)

1月に観た劇王東京予選で審査員をつとめていた、
池田智哉さんが今回役者として板の上にいまして。
顧問に対しての口調で
「あ、この人、元カレ」ってバレバレなのとか、
自分の身分を明かすときのフーフーした感じとか、
生徒たちの最後の夢は壊さないでおこうとした優しさ(?)とか、
すべて片づいてやっとお酒飲めたのに
ちっともおいしくなかった時の背中とか、印象的でした。

あと、科学部顧問のユイ先生(@工藤沙緒梨さん)の
「科学とは、眼差しのことです」
「目の前で起こっていることを見つめ、考える」
「説明できるのか、コントロールできないか…
 眼差しをそそぎ整理する。それが科学の方法」
「何をしていても、その眼差しがあれば、
 科学から離れたことにはなりません」
という教えが印象的でした。
科学(青春時代)から背を向けて別の職種についていた
生徒たちの心を癒してくれる言葉だなぁ…って。

元部員の真田さん(@楓朋美さん)は、
現在、大企業の光村科学株式会社の総務部在籍。
パワハラやセクハラ相談の窓口にもなっているようで、
セクハラをする側の人のことを「ハラッサー」というそうです。
(逆に、受けてる人は「ハラッシー」というらしい。
 ううむ、作品の内容と直接関係ないところでまで勉強になる…)
彼女、真相を知っていたんですよね。
厳密には、騒動の根幹はセクハラではなかったこと。
3人で相談して、黙っておくことにしたこと。
ぜんぜん気づけませんでした…
あぁ、でも思い返すと冷静だったなぁ彼女。
2回め観劇が可能だったなら、彼女を中心に観たかったです。
多田くんの「煮詰まった」発言のあたりとか
どんな顔してたんだろうか。


秘密を隠しておくことの苦しさとか、
懺悔したいけど自分からはできないから、
いっそ暴いてほしい…と思う心はわかるなぁとか、
5年は長いのか短いのかとか、
自分の一生と天秤に掛けてもイイと思うほどの気持ちは
友情なのか、科学に対する熱意なのか
若さによる暴走、一直線、自己陶酔もあるのかも…とか、考えました。


柳井さんの脚本は、
自身が書いた別作品とちょっとリンクしていて
本編には直接関係ないけど
知ってる人は気づくと「ニヤリ」とできるポイントがあります。

今回は、多田くんの勤務先がニヤリポイント。
日本考古学研究所は、
『幻書奇譚』に登場した安西(@渉さん)の勤務先と同じ。
まぁ部署は違うかもしれませんが、
どこかですれ違ってるかもしれない…などと妄想して楽しむのです。
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