7月25、26日で4作品観た話 2(マクベス編)

+25(土)夜公演+

PARCOプロデュース『MACBETH(マクベス)』

今週はこれ1本にしようと思ってたシロモノ
なんせ、佐々木蔵之介主演のひとりマクベス。
テレビで何度も観てる人をナマでみれるんですよ。
っていうか本当に この人 実 在 してるんだ!? みたいな。
まいくろはテレビメインの方は、
(極端な話ですが)CGだと思ってるので
ひとり観劇で顔は冷静にしてても脳内はお祭り騒ぎです。

パルコの連絡通路で公演に関連して
佐々木蔵之介スコットランド紀行写真展をやってたのですが、
ドキドキしすぎてじっくり見るなんて無理…!
(終演後ならたぶん落ち着いて見れた気もしますが、
 なんせ夜公演だったので終演後は難しかった)

でもまぁ開演してしまうともう逃げ場もないので、
いすに座って佐々木蔵之介を注視するしかないわけです(笑

精神病院の閉鎖病棟に入れられた男が、
ひとりで全部の役をやって
シェイクスピアの『マクベス』を語ります。
演じ分けっぷりと、それを際だたせる演出を楽しみ、
そして、
「なぜ彼は『マクベス』を語るのか?」を
想像していく楽しみもあります。

お値段的に1回しかチケットとらなかったのですが、
もう1回観ても良かったなぁ、と思うくらい充実の時間。

豊橋、大阪、横浜、北九州…と、
8月いっぱいで全国をまわるようです。


↓ ネタバレ注意!


開場時間になって劇場の席に着いてから、
ずっと身体に重くるしさを感じてて、
なんでだろうなと思ったら低音がずっと鳴ってたみたいです。

舞台セットも精神病棟の個室という設定なので殺風景で、
しかもなんとなく汚れてて、
監視カメラと監視窓の奥に見える壁はキレイ。
その気持ち悪さと、例の音が、こう、ずしんと。

監視カメラ。
そうそう、広い劇場でひとり語り芝居ってことなので
表情の変化のみで演じ分けを見せるシーンや
「魔女」「ひそひそ話」などのシーンでは監視カメラで
とらえた映像をモニターに映し出す、という手法で
後方席でも表情の些細な変化をとらえられるようになっています。
モニターが使われる際には、
舞台上の雰囲気がグルッと変わるのです。

といっても、一部のシーンで使われるだけなうえに
わざとノイズを入れた白黒画像なので
ずっと表情を追いたければオペラグラスも手です。
(かくゆう自分もしっかり装備で観劇)
このモニター映像の取り入れかた、
最初は上記のように「劇場の大きさ」的な要因で
投入されたのかと思いましたが、
話が進んでいくにつれ、それだけじゃないのがわかって
面白くなります。幻影が見える。

「ひそひそ話」のとき、患者が鏡に自分の顔を映して
二人になって話をするのですが、私、この手法が大好きでして。
(正確に言うと
「鏡に映った自分を通して、内なるもう一人の自分に話しかける」
 というシチュエーションが好き。
 これを多重人格キャラでやってくれたら最高だなぁ)
このシーンが佐々木蔵之介のビジュアル観れたってのが、
個人的にはとてもうれしかったです。


で、私は観劇前、今度観るのは
「ずっと板上に佐々木蔵之介しかいない一人芝居」
なのだと思ってたのですが、
そうじゃなくて女医役と看護師役の役者さんも出演なのですね。
基本的にほとんど喋らないのですが、
患者が聞いた幻聴だったり
患者がアテレコしたりで『マクベス』に登場するし、
実際に彼ら自身が言葉を発しているシーンもあるみたい。

あと、あくまでも「患者が『マクベス』を語っている」なので、
マクベスの台詞を喋っていながら
「実は患者は看護師や女医に何かを訴えているのでは?」
というように見える景色もあるし、
そのふたりは患者が危険な行動をしたら様子を見に来るし
鎮静剤投与などの処置をして舞台上に「現実」を連れてきます。


あと、うっかり観劇前に知ってしまって
うひゃーと思ったのですが、
上演中、佐々木蔵之介ぜんぶ脱ぎます。
さすがに最後の一枚の時は薄暗がりですが、脱いでるのわかる。
ことごとく「好き役者が脱ぐ」現象にぶち当たるけど、
まさかこの人にまで及ぶとは…!
実は自分は「好きな人であればあるほど肌を見たくない」ので、
この話を聞いたときはめちゃめちゃ慌てました(笑

あぁ、でも1回しか観れなくて、これを知らないで行って
衝撃で観劇の記憶が消えたかもしれないなぁと思うと、
知っていて良かったんだろうな…

最初のシーンでスーツから患者用の服に着替えるシーンは
「社会的な地位を脱ぎ去って
 ただの『患者』になる(される)」みたいで。
そこは割と冷静に観てたのですけども。

マクベス夫人のくだりは何というか
「うひゃーほんとに脱いじゃった」と、
「なんだよ、このセクシーさ! 私女だけど負けた!!」
…などという気持ちが私の頭をぐるぐる回っていて
身体は静止してましたが、脳内はかなり冷静さを失っていました。
その後のバスタオルを使った夫婦の会話の表現も見事でした。

二人の人物で会話をするとき、
Aさんの場所でAさんの言葉を話し、
Bさんの場所に移動してBさんの言葉を発する…という方式で、
わかりやすいけど若干その「間」が物足りないなぁと思ったのは
一人で首の向いた方向だけで別人になってしまうお芝居を
かつて観たことがあるから。
ですが、その方式をこの規模の劇場でやると
後方席に優しくないんだよなーってのも、人に言われて気づいて納得。
そしてうれしいことに
瞬時切り替えのシーンもこの『マクベス』にはあります。

おびえるマクベスにささやく夫人のシーンは…ギャース。
ひとりで夫と妻の行動をやってるのに、
マジでふたりに見えるから恐ろしい。
これなんなんですかね。残像ですかね。


小道具と、
それを使用することで小道具に人物を固定する効果。
赤ちゃん人形あたりはオーソドックスなんだろうなと思いますが、
個人的にリンゴの使い方(特に顛末)が好きでした。

悩みながらもだんだんと狂気を増していくマクベスや
柔和で鈍い王様、夫人の高揚した表情や友人の不敵な笑み、
子供の表情、すべてを失った男の悲しみ…などなど、
くるくるきりかわる登場人物たちに
半ば翻弄されつつ(←マクベス知識不足)も
「あっ、変わった」はハッキリわかるので
物語についていくのは難しくなかったです。


患者さん、結婚指輪は求められたら外して回収させるけど、
子供服だけは強い意志をもって傍に置こうとしてます。
そして彼が心を預けた物語が『マクベス』。
子供に死なれた(結果的に殺した?)父親なのかなぁ、とか
実は奥さんがそれを求めてたのかなぁとか、
『マクベス』を聞きながら患者の身分を想像してました。

「いつかまた会おう、三人で」は、
『マクベス』のセリフであり、
「女医と看護師と自分」「妻と子供と自分」の三人を指す
患者の願いなのかなぁと思ったりしました。

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