『30GP』のこと。

さて記事は今更シリーズに戻ります。

6月25日は大阪、インディペンデントシアター1stにて
「火曜日のゲキジョウ」で上演された作品の頂点を決める企画
『30GP(30minutes Grand Prix)』
第1ラウンドの1回戦と2回戦を観てきました。

ほぼ毎週火曜日にこの劇場で行われている
上演時間30分の作品披露イベント
「火曜日のゲキジョウ」。
シーズン中に上演された53本の中から、
観客投票などを経て8団体が選出され、
再演をして雌雄を決するという企画です。
優勝団体は、劇場使用権と賞金がもらえるそうで。


平日に大阪に観劇遠征するのは2回目ですかね。

1度目(2月10日)は次の日が祝日だったので
午後半休ひとつで済みましたが、
今回は次の日も平日だったので。
当日午後半休+翌日午前半休を使って行ってきました(笑

なぜなら、この日は
第1試合「オパンポン創造社vsフルーツケイク」
第2試合「彗星マジックvsステージタイガー」
という、私の好きな劇団が3つ固まっているステキな日。
初めて知ったフルーツケイクも、
観劇友達さん達からも「好き」の声を聞いていたので
これは行くしかないな、って。
2月にオパンポン創造社の作品は観てますが、
ほかの再演は初めて観るので、ワクワクと劇場に向かいました。


↓ さっくりと各団体のことネタバレで


>オパンポン創造社
>『大巨人とスタンドバイミー』

自由なお兄ちゃんが自由すぎたんじゃないの? 
規定時間オーバーしちゃうんじゃ? とドキドキしましたが、
終演後の舞台上での野村さんによると
お兄ちゃんの暴走も想定していた作りだったそうです(笑

実家の側にある池に潜む大巨人を捕まえるべく、
毎夜池を見張るお兄ちゃん。
その兄を
「ボクシングで挫折したから現実逃避してるだけだ」
となじる弟。
兄の奇行を止めようと、都会から急遽戻ってきたっぽい弟くん。
彼の怒り泣きみたいな顔を見て、
兄を否定することは、
兄のことを好きだった自分自身のことも否定しているみたいで、
どうにも悲しいなぁ…と、思いました。

観るのが2度目だからなのか、それとも演技が変わったのか、
今回弟が登場したときから感情MAXな感じで、
弟に同調しながら兄を観るのではなく、
むしろ兄の方に感情移入して
弟の言葉を胸に刺すような気持ちで観ていました。

初見は、大巨人にハイキックをかます兄を見届ける
お兄ちゃん大好き顔の弟くんで涙が出たのですが、
今回はその前の、
お供えのお菓子を食べたときのシーンで涙が出はじめました。
兄はおいしく食べるのに、弟くんはおいしいと思えなくて
そのときの「え、なんで…俺だけ…?」のところ。
子供を忘れないまま大人になるって、難しい。

「バスターズ」の「ズ」に力を込めて言う弟くんに
兄弟の絆を感じました。



>フルーツケイク
>『誰にも見せない打ち上げ花火』

奇しくも、こちらもきょうだい…姉妹のはなし。
花火師の才能がありながら彼氏を追いかけて上京し、
そのまま都会で孤独を感じながら生きている姉と、
姉にあこがれと引け目を感じながら
実家で花火師の修行をしながら過ごしている妹。

東京で過ごしている姉の元に、
彼女の祖母が現れるところから話が始まるのですが。
とにかくその祖母のキャラが強烈。
かなりメイクがっつりで個人的には「うん…」って感じなのですが、
動きがかなり、メーター振り切れてるんですよ。
半分、魂が出ちゃってるような弱々しい歩きから、
やたら滑らかな町内会の踊り(?)とか。
手首が変な方向に曲がってたときの演技は怖いくらいでした。

ラジオ体操とか、出会ったときのキャーキャーとか、
姉と祖母が二人でいるときのテンションがすごく高くて、
「あぁ、これ祖母似なんだな」とおもったら、
祖母さん、妹ちゃんには見えてないんです。
「おばあちゃんなら、奥で寝てるけど」…って。

祖母の正体が、ちょっと意外なところでした。
生き霊かと思うじゃないですか。でもそうじゃない。

この祖母は、
姉の中の「実家に戻りたい」気持ちが形を取ったもの。

男を追いかけて東京へ出たのも、
先代である父が死んだことによる
プレッシャーからの逃亡…が、半分。
でも、彼氏ともすぐ別れちゃって、
何度も運命の人とめぐり会ってみるものの
(ここの年表表現が好きだったなぁ)
仕事して寝て食べて仕事して…の繰り返しの日々を
ツラいと思い始めてしまいます。
でもあんな飛び出し方をして、田舎には帰れない。
その思いが生み出した、自分の背中を押す自浄作用としての存在。

妹は「天才花火師」と言われ続けた姉のそばにいましたが、
才能があるのに出ていった姉の影がちらついて
頑なな表情を崩せないまま修行を積んでいます。
姉が田舎に帰ってきたとき、
おおっぴらに拒否りはしないけど壁があるなぁと思いましたが、
あるきっかけで素直に姉に本音を告げた時の
ほころぶ表情がかわいかったです。
彼女が抱えていたのはマイナスの感情だと私は思ってたけど、
実はそうじゃなかったんですね。



>彗星マジック
>『ヒーロー:戦隊編』

公務員の業種の一つとして、
怪獣と戦う部署があるっていう設定の話。

怪獣は「壊滅災害」と呼ばれ、
それと戦ういわゆるヒーローを
作中では「特別任務官」と読んでいます。

一人で戦う部署もあれば、チームを組んで戦う部署もあって。
今回は、チームを組んで戦う部署の話。
賃金は歩合制で、身元がばれるのを防ぐために
お互いコードネームで呼ぶって決まりなのですが、
うろ覚えなんですけど
「グレートスウェット(直訳:ものすごい汗っかき)」とか
「ビューティースポット(ほくろのこと)」、
「スチールウール(←どうみても髪型から取ったでしょ)」とか。

今回の壊滅災害は目に見えない大きさの菌類で、
生態系を壊すモノのみに攻撃するものでした。
乗り移られた時のビューティースポットの手の動きや、
自分のなかにあえて取り込み対話を試みる際の
他のメンバーが菌類の役に変化(スーツをかぶって顔を隠す)など、
特殊効果を使わないで表現する時の丁寧さと
ベタなヒーローものの勢いが同居する作品でした。

ここの団体は話自体が好きで
どの役者さんも手広く「いいね!」ってくらいのスタンスなので
出演者が誰、とか特にチェックしないまま拝見したのですが。
あの暑苦しい人、
コトリ会議(団体名)の山本さんだったのですね!

コトリ会議で彼が書く作品のテンションから
汗だくになる印象が無かったので今まで気づかなかった…!



>ステージタイガー
>『ララバイを、君に』

中之島では規定時間が20分だったので
火ゲキver.からカット&アレンジされてたのですが、
その部分を戻して、
出演者の劇団員(谷屋さん)が別作品の本番なので
客演として泥谷さんをお招きしての上演。
大学陸上部でつなげなかったタスキを、
またつなぐ機会に恵まれた、とあるチーム。
一本のタスキに、登場人物達が様々な思いをこめてつないでいく話。

中之島では、
陸上部のアイドルの立ち位置がマネージャーだったのが
こちらでは近所の中華料理店のバイトさん。
中華料理店店主、そして栄養士である
白井さんの自由時間
(勝手に「スーパー白井タイム」と命名)が追加。
大学の陸上部の監督の強烈なキャラも、
中之島よりパワーアップ!(笑
妻を捨てますって発言をきいて
「この監督、奥さんいるの…! どんな菩薩!?」と衝撃(笑

ストーリーは中之島のところで書いたのとほぼ同じ。
泥谷さんのキャラは、谷屋さんとはまた違う感じで、
なんというのかな…
谷屋さんのほうは
モテるけど本命がいるからほかの子はうまくあしらってて、
泥谷さんのほうは陸上一直線だったのが
彼女との出会いで恋に目覚めて
他からもモテてたのかもしれないけど本人は気づいてない。
…みたいな。
(別にそんなシーンはないです。受けた印象の話)

大学時代は後輩から受け取ったタスキを、
実業団駅伝ではかつての後輩に渡しているんですね。
「見届けなくちゃ」…というのがドラマチック。
タスキの行方を見るランナーとしての発言と、
子の人生を見守る父としての発言を同時に感じるシーンでした。
そのあと、子供が来た時の他の役者さんの目線が
ちゃんと子供が立っているであろう一点にあって、
子役がいる訳じゃないのに姿が見えるのが素晴らしい。

出演者全員の挨拶+出演者紹介+テーマソング流すまでも
規定の30分のなかに盛り込んでるのがうまいなと思いました。
そこで、中華コック姿の白井さんが首に巻いてた布が
ナフキンでもスカーフでも汗拭きのタオルとかでもなく、
タスキだったのを見て
「あぁちくしょう、やられた!」と。
そうだよね、彼もチームの一員だよね!



第一試合はフルーツケイク、
第二試合ではステージタイガーが選出され、
土日の準決勝・決勝を経て最終的にフルーツケイクが優勝。

誰が残ってもおかしくないラインナップなので、
遠く関東から結果をワクワクドキドキ見守っていました。

個人的に、観れた団体が優勝してくれた
(しかも好き劇団をくだして勝ち上がった団体!)のが
ちょっと嬉しかったかな、と思っちゃったりして。

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