落チ語リ『紫屋歌麿』ネタバレ雑感(2/3)

2回目の『紫屋歌麿』は、埼玉から東京に会場が移って
新宿御苑前駅の2番出口付近、
ドトールの向かいの居酒屋、「四谷 やまちゃん」にて行われました。
(以前は四谷駅周辺にあって、最近移転してきたそうです)

おつまみは自分で持ち込んで、
店内の冷蔵庫に並んでいる60銘柄以上の日本酒を
手酌で飲み放題! …という呑み師にはたまらないお店。
まいくろはお酒がほとんど飲めないので、
こういう機会がなければ出会わなかったはず(笑

ワンドリンクのラインナップ、
この日は近所の和カフェ「ろまん亭」の黒豆茶もあったので
そちらをいただくことにしました。
「ろまん亭」は以前行ったことがありましたが
大正モダン的な雰囲気が良かったですね。
あそこで大正時代設定の朗読劇とかやったら、面白そう。



では、気を取り直して

彩遊戯(いろどりゆうぎ)の落チ語リ
『紫屋歌麿 ~むらさきやうたまろ~』

ネタバレ感想、2回目。


*あくまでも、私の目を通して観た感想です*


↓ ネタバレ注意! 




しばらくして、重三郎はあらたな絵師をデビューさせます。
その名は「東洲斎 写楽」。

役者絵を主に描き、
モデルの特長を極端に誇張して描くその作風は、
「本来の人物の特長そっちのけでとにかく美形に!」という
役者絵の世界に、一石を投じます。

写楽の絵はキラ刷りの大首絵。 
ケチケチ政策に対抗するため、
あたしと一緒に作った手法なのに…! と、
歌麿はプンスカ状態で、重三郎のもとに直訴にいきます。

ここでも、歌麿ちゃんの表情が細かい。
文句言いたいけどうまく言葉にならなくて
ぷるぷる動く口元、
写楽、写楽…と言葉を重ねる重三郎を
直視できなくなってしまうところも、
なんかその気持ちわかる気がするなぁと。

「私をダメだ思ったから私を見捨てて
 他の絵師(写楽)に乗り換えたんだ!」
…という思考で固まってる歌麿。
重三郎の言葉は耳に入っているけど、
頭の中で彼の言葉を咀嚼できてない感じ。

重三郎は彼女に見切りをつけた訳じゃないけど、
現状はなに言ってもダメかもな、という大人の判断と、
以前紫にもらした本音が頭をよぎってたようで、
わざと距離をおく発言してるフシがあるように見えました。
(籠から出すのは、今なのかもな)とでも言うように、
ふーっと大きく息を吐いて、優しめの口調で
「(使命に燃えてたのは)お前だけだ」と言うところとか。

涙ぼろぼろのグズグズ顔で重三郎のところを飛び出した歌麿は、
往来で紫と出会います。
・゚・(ノД`)・゚・  
↑見知った顔と会って気がゆるみ、まさにこんな感じ。
それを「ほら、泣かない、泣かない…」
とでもいうように頭をぽむぽむする紫さん。身長差が出てます。
紫さん、着物にたぶん鼻水ついてると思うよ…

歌麿と紫、二人きりの会話シーン。ここも好き。
彩子さん、喋りまくりの変わりまくりです。
「そんなことで泣いてるなんて、
 これを(器が)小さいと言わずになにを小さいというか」と、
呆れ気味の紫さんと、
「だって手法が」「だってじゅーざがぁぁ」と感情丸出しの歌麿。
両者の切り替わりっぷりが本当に観ていて楽しい。
重三郎を写楽に取られちゃったみたいで、
寂しくなっちゃったんだろうねぇ(*´∀`)
自分の気持ちに少しずつ整理がついて、
歌麿は平静さを取り戻します。

ちなみにこのとき、音野くんは語り部。
といっても、
茶屋で歌麿と紫が会話してるときは口出ししないんですが
まるで茶屋で居合わせたやじうまのような、
号泣してる歌麿が暴れ出したらうちの店が…と心配する、
店主のような動きをしています。
めちゃくちゃ、目につく!(笑

このタイミングでの身請け。
「…写楽が、憎い?」と、おずおずと聞く紫さん。
客席にはとてもわかりやすい演出なんですが、
歌麿はぜんぜん気づいてないんだよなぁ。

「歌さんは人間を描いてる、と思ったから」
と言われて嬉しくなって、
創作意欲を取り戻した歌麿ちゃん。
「忘れられた女たちに、紫色の着物を着せてほしい」という
紫の言葉を胸に、
自分の描きたいものを描くべく、作業に取りかかります。

そしてできあがったのが「北国五色墨」。
「時間いくら」で商売をする、
最下層の女郎たちを描いた5枚組の絵で、
たくましく生きる人間の強さを真っ向から描いた作品。


意気揚々と、重三郎のもとにその5枚を持って行く歌麿。
得意げに見せる際の方式は、
末広湯では背後のロッカーの戸裏に1枚ずつ貼ってあるのを
黒子ちゃんがロッカーをパタパタと開けて見せていく方式。
やまちゃんでは、5枚を屏風のように繋げて、
黒子ちゃんがアコーディオン風にひろげて見せる方式でした。

後世にも最高傑作とうたわれるこの絵ですが、
重三郎はいい顔をしません。
「大衆が求める美人画じゃない」
「こちとら慈善事業じゃあねぇんだ」
「どうしてもこの絵を売りたいなら…余所に行け」
ここも、重三郎の本心が客席にはめちゃくちゃわかるのに、
歌麿自身は全然わかってないんですよね。
そこがもう切なくて切なくて。
でもこういう事って、周りから言ってやる事じゃないし、
後になっても自分で気づいた方がいいのかな、とか思うとねぇ…

完全に決別した歌麿と重三郎。
去っていく歌麿と、彼女が手にした絵を見た一九が、
どうにか元の関係に戻ってほしいと重三郎に進言しますが、
怒鳴られ、甲斐なくはねのけられてしまいます。
先ほどの茶屋とは逆に、
音野くんが喋りまくりの変わりまくりです。

こちらは二人とも感情が高まっているのですが、
別の生き方をしてきた別の性質の人間なので、
高まり具合も違います。
だんだんと声が高く、大きくなっていく若輩の一九と、
逆に、嵐の前の静けさの如く
どんどん声のトーンが落ちていき、表情が強ばるのが重三郎。
「話をそらさんといて下さい!」という一九の叫びに
重三郎がかぶせぎみに(←役者は1人なのに…不思議!)
「のぼせあがるんじゃねぇ!!」と重い一喝をくれます。

一九が爆発しそうな気持ちを抱えたま部屋を出ていき、
歌麿を探して江戸の町を走るところもね。
町中にあふれる歌麿の絵(彩子さんが美人画になってる)、
こんな幸せな景色なのに、なぜ自分はこれを一人で見ている…?
なぜここに歌麿と重三郎がいない…!? っていう所の、
感覚と言葉の使い方がうまいなと思いました。

重三郎を演じてる役者の音野くんはいるけど、
このシーンには重三郎の気配は全くないのです。
彩子さんはいるけど、歌麿の気配は全くないのです。
(先走るようですが、
 この逆と言っていい現象がラストシーンで起きてるかと)


あと、語り部にも
完全に人物と切り離した存在の「語り部」と、
途中から(あるいは途中まで)登場人物であるパターンの
「語り部」が居るんですね。
ビジュアル的な説明をすると、
カメラが後ろから、影になってる背中→首元を通って、
最終的に登場人物の顔を映すようなナレーション、というか。


(次回に続く)
スポンサーサイト

Comment

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

Trackback

http://maikuro96.blog90.fc2.com/tb.php/1102-ed771b93

«  | HOME |  »

最近の記事


カテゴリー


リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索


プロフィール

まいくろ

Author:まいくろ
ついったー:maikuro9696
(画像は7年前に描いたものです)