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『神家1/2』 ネタバレ雑感

明日出発するはずの帰省が、諸事情で一日ずれたので、
年末最後のギャンブル(当日券)に出るかどうかちょっと迷ってる。
まいくろです。

さて、こちらは先日観てきました

(有)マッチポンプ調査室
第3回年末祭公演 『神家1/2』

ネタバレ雑感です。


ANDENDLESS所属、
近年は小劇場系に客演が多い
中川えりかさんが出演ということで知った公演。

作・演出の白倉裕二さんは、
過去にえりかさんが何度か共演されていて
公演自体は観に行けなかったのですが名前だけは見てました。
実際に拝見して作品に触れるのは初めて。

場所は、下北沢駅から徒歩15分の東演パラータ。
初めて行く場所でしたが、
えりかさんがブログに道案内を載せていてくれてたので
それを参考にして迷わず到着。

開演前にミニライブがあって、
「本編とは全然関係ないです」とは言っていたものの
女装ナース(すね毛ボーボー)が美声で歌ったり
隔離病棟的な雰囲気の中で楽しく歌ったり
「こりゃあ、かなりカオスな公演なのでは…」と。
当日配布パンフレットにも
キャストの名前列挙だけで役名が表記されてなかったので
一人何役もやったり、
名前が意味をなさない役とかが多いのかなぁと想像。
私、えりかさん以外の方が初見だったので、
これは後で役者名で検索かけて
今日気になった役者さんの顔を探すしかないな、と思いました。

で、前説で
2曲目を歌っていたパジャマのお兄さんが
白倉さんだったと判明。
(最初に出てきたので、
 女装すね毛ナースの方が白倉さんだと思っていた)
ここで上演時間(休憩アリ2時間半)を聞いて
夜公演の別作品に間に合うだろうかとドキドキしましたが、
昼公演と夜公演の劇場がわりと近くで
夜は指定席だから開演10分前に到着すれば平気ってことで
ラストまで気持ちに余裕を持って観劇。



―親を事故で失って親戚をたらい回しにされ、
最後には歪んだ愛情の元に軟禁された少女時代を過ごした
主人公、神家幸子(かみやさちこ)。
自分の中に
「平穏だったらこうなってたはずの自分」を作り出して、
心の支えにしています。
(苦痛を全て引き受けさせる、という使い方はしない)

幸子は、
ふとしたきっかけで軟禁していた男の元から逃げ出し、
ふつうの高校~大学生活を送ることに成功します。

他人とまともにお喋りをする機会がなかったせいか、
意志疎通のテンポがちょっとおかしくて
周りから「変わり者」あつかいされる事もありますが、
毎日はおおむね良好。

大学に入学して、
少女時代の唯一の友人「まなぶくん」と再会。
彼の所属するサークルに誘われて、
いろいろな個性あふれる仲間たちとともに過ごす楽しい日々。
しかしそのサークルは、実はあやしい活動もしていて…―




↓ ネタバレ注意!





実話を元に、実在の人間をモデルに描いた…
という事前説明もあり、
最初は根拠無く白倉さん自身の話なのかと思っていたのですが
観ている途中から私の中で
ある宗教団体がフッと思い浮かびました。
ただ(幸い?)私はそちらの知識があまり深くなかったので
昔観た別団体のお芝居のように、
実際の事件と照らし合わせて過剰に怯えたりはしなかったです。
というか、描きたいのはモデルになってる事件とかじゃなくて、
神家幸子さんの話なんだよな、と。


正直ギャーって思うようなシーンもあったのですが、
ストーリーには一本筋が通っていて、
殺陣ありダンスあり笑いアリ泣きアリ、
そして観終わったあとにカタルシスもあったので
2時間半、退屈なしでした。

印象深かったエピソードも色々と。
展開がかなり早かったので
全ての要素を拾いきれた気がしません。
だから、あくまでも私から観た世界です。


友達少なくて、やっと自分を認めてくれる人たちに出会えて、
その人のために、何より自分のために
「神」であろうとした幸子ちゃん(@山口磨美さん)。
そこに寄り添うもう一人の幸子ちゃん(@近藤彩香さん)は、
久々に出した幸子ちゃんの「自分の声」を聞き届けて
微笑みながら去っていきます。
二人(?)のシーンはほぼ好きですが、
その中でもこのシーンが特に好きでした。


彼女にかつて犯した罪の面影を重ねる
大学の用務員さん(@河内大和さん)は元神父。
銃を手にして罪を裁くものとして教団に突入してきますが、
撃ち殺していったあとBGMに重なるように低音で
祈りとも嗚咽ともとれる声を出していたのがガツンときました。
彼は自分がかつて少女を殺めたと思っていましたが、
ノイズがとれてクリアになった記憶で判明したのは、
彼自身は手を下していなかったという事実。
しかし罪を犯したものをかばったことが彼の罪で、
あのとき裁かなかったから、今の自分はこうなってる。
今度こそは…みたいな展開。
用務員さんの、作中での表情変化が幅広くて
目に焼き付きました。


彼に電話で懺悔する、
サークルメンバーのイエヤス(@秋草瑠衣子さん)。
電話で明るくっていう行為と、
そこに秘められた心の苦しみが見えてきゅうっとなりました。
彼女、実は予知夢が見れるんですけど、
なんの超能力もない幸子ちゃんが教祖にされて、
実は超能力持ちのイエヤスちゃんが
「普通」にこだわってるのがなんなく対比っぽいなぁと。


あと、幸子ちゃんのおさななじみ倉本学(@堀田勝さん)。
大学生になって再会したとき、
すでに彼は危険な道(クスリとか)に向かっていて、
幸子ちゃんを教祖として祭り上げるんですね。
少年のような人なつっこい笑顔と、
裏で見せるクールな表情の差がたまりませんなぁ。
責任をかぶせて、手も汚させて、
でも、最期に彼女を思って「さっちゃん…ごめん」と言っている。
完全に正気を失ってるわけじゃなかったんだよなぁ。
そのひとことで全て許されるわけじゃないけども。


彼と組んでる瀬戸先輩(@白倉裕二さん)。
この先輩が何というか、
カリスマ持ちサイコパス…って言っちゃっていいのかなぁ。
調子よくのらりくらりなんだけど、
人の心の隙間を埋めてくれるような感じに距離感詰めてきて、
気づくとこの人の言うこと聞いちゃう、みたいな人。
本心はほとんど見せないけど
行動理念はかなり自己中心的っていうか
むしろ一貫して自分のことしか考えてないっていうか。
「サークル活動」の奥でクスリが横行してるのですが、
お金を払えなくなった女の人に身体で払わせたりするし、
(ここのシーンかなり生々しかったわぁ…)
めっちゃ恐ろしい人なんですね。
なにより表情が
初登場の先輩ヅラからほぼ変化しないのが怖い(((( ;゚Д゚)))
去年も別役者が演じてるこういう役を見かけましたが、
演技ってわかってるから夢中になっちゃうけど、
実際そばにいられたら困る!

最終的に首をつられて断罪されるのですが、
そこではさすがに恐怖にひきつった声が出てたなぁ。
観ているこちらとしてはそこにホッとしてしまうのですが。
あ、結構長いこと吊られてたけど首はどうなってたんだろ…?

殺陣もダンスも(開演前には歌も)作中でやっていて、
どれも華があって見とれました。
書けて動けて演じれるってつくづく、すごいなぁ。
別の演技も観てみたいので、
ちょっとこの方は来年追ってみようかな。


ありのままの幸子ちゃんを愛してくれた学生時代の友人。
彼(@石田周作さん)は不慮の事故で急死したけれど、
幸子ちゃんの心の中にケンタウロス(←笑)として住み着き、
彼女を守り支えています。
幼い頃に流れ弾に当たって死んだ
ガンヲタの母親(@安室夏さん)も心の中にいて、
彼女の拠り所になっていました。
少女時代に触れたのであろう、マンガの登場人物もいたなぁ。
時々、上記のような彼女の心の中の存在が
現実に重なって登場する演出も好きでした。
「見たもの触れたもの全てが積み重なっていった存在が、
 今の自分なんだなー」って思いました

住まわせたわけじゃないんだろうに、
彼女を軟禁していたムグルマさん(@高木薫さん)が
彼女の心に潜んで時々顔を出すのが…なんというかエロ怖。
これってある意味ムグルマさんにとっては
最高の状態なわけですよね。
だって離れてても彼女の心を独占してるってことだし、
それが明らかに彼女の人生に反映してるし…ひえぇ。
(別にムグルマさんは
 幸子ちゃんに「女」を見てたわけじゃないんですが、
 適切な言葉が見つからないのでエロ、と言ってみました)


お目当てで観に行った中川えりかさんは、
大学サークルのメンバーで「お嬢様」と呼ばれている女子大生の役。
彼女は盲目で両目は常に閉じられています。
髪型的には前回観たコメフェスの時と
変わってない気がしたのですが
動きとか立ち姿がめっちゃお嬢様で、
声もコロコロしてたのでだいぶ印象が違います。
常にお傍付き役の男の人(@野村龍一さん)が一緒にいて、
彼が、実はムグルマの息子だという幸子ちゃんドラマも。
お嬢様は「月島雫」と名乗っていて、
それが明らかに本名じゃない雰囲気。
でも、まわりはそれに普通にあわせています。
サークル活動できゃっきゃしてるときも、
周りの気配を悟ってボケを拾ったり一緒になって遊んだりと
とても可愛らしいヽ(゚∀゚)ノ

で、実は彼女、盲目ではなくてですね。
(倉本&瀬戸先輩に言われて?)盲目のふりしてました。
でも、フリをしているうちに、
だんだんと本当に見えなくなってしまっている。
最後の方は、傍付きの彼の顔すらもぼんやりと…。
心が身体に作用する、っていうのを感じました。
だって目を開けて見てもこの「現実」は、
楽しい大学サークルのはずがクスリと暴力の横行した団体で。
自分もそこに関わってるわけで。
見えないフリ、がいつのまにか見ないフリ、になって
見たくない、に変わっていったんじゃないかなぁ。
ぼんやりとしか映らない彼の前にまっすぐ立ち、
心の中をぽつりぽつり明かすお嬢様です(ノД`)
最期まで月島雫のままでいた彼女、
あの瞬間の表情が安らいでてそれがツラかった(ノД`)


役者さんは幸子ちゃんの人生に関わる人たちは
だいたいひとり1役、
心の中の登場人物や、
友達の友達くらいの人はなどはひとり数役でした。
えりかさんのブログにて配役一覧を発見して小躍り。


ただ「楽しい」で表現はできないし、
苦しさもあって言語化するまでに時間がかかりましたが、
神経に触れてくる作品でした。
闇鍋エンターテインメント、充実でした。

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Comment

[250] >白倉さん

わぁあ! 白倉さん、コメントありがとうございます。
人間の力をダイレクトに届けてくれる役者さん達を観て、
どうにかして自分の受け止めた感覚を残せないものか…と書き残している主観的な文章ですが、
そういっていただけてとてもうれしいです。

今後の活動も楽しみにしております。

[248] ありがとうございます。

発見して拝見させていただき、とてもとてもとても感動しましたのでコメントさせていただきます。これほどまでちゃんと観てくださり、作り手としては感慨無量です。改めて、ありがとうございました。まいくろみくろさんのような方がいてくださる限り、自分にできることはやりつづけていけたらと思います。長々勝手に失礼しました。

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