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ムーンビームマシン『ゲルダ』 ネタバレ雑感

メリークリスマスですが、いかがお過ごしでしょうか。
まいくろです。


さて、去る12月14日(日)には
ムーンビームマシン クリスマス公演2014
『ゲルダ ~ Christmas Edition ~』のネタバレ雑感。

2014年、遠征納めの公演。
大阪王子の野村侑志さんが客演していました。
野村さんも、これが2014年出演納めらしいです。

そして野村さんはこの公演後、
活動名も本名の「有志」表記にしたそうです。
『ゲルダ』時は「侑志」名義だったので、
この記事では当時の表記にあわせております。


ムーンビームマシンは
昨年の5月に「中之島春の文化祭」で観て、気にしてた団体。
当時上演されてたのは「中之島~」のあとに上演される
本公演『ドロテアノヒツギ』の
紹介バージョン的なものだったのですが。
衣装が凝ってて、キャラ造形も個性が強そうで、
設定も私好みで。
でもスケジュールの関係でその本公演には行けず。

主宰のSarah(サラ)さんの演技は、客演で観れたのですが、
やっぱりホームを観たい。
なんのかんので、やっと観れました(笑


今回の物語は、
おとぎ話の「雪の女王」をアレンジしたもので、
しかも以前に上演した作品『ゲルダ』を
クリスマスにあわせて変更をきかせたものなのだそう。
「雪の女王」知らないし、
初演バージョンの知識もなかったまいくろ。
「ゲルダ」は、雪の女王の名前だと思ってました。
だって濁点が付くとなんかボスっぽいし…

んでチラシに
「あなたもきっとゲルダを好きになる」って書いてあったので
雪の女王はいい人なのね~と、勘違いしたままの大阪入り。
開演前に席においてあったキャスト紹介で
村娘の名前だって知りました(笑


-主人公は少女ゲルダ。
幼なじみの少年カイくんが、
冬の屋敷に住む雪の女王にさらわれてしまいます。
カイくんを元に戻すには、
女王とその配下の6名の魔物が持っている
カイくんの「心のカケラ」が必要。
しかし「心のカケラ」は魔物たちの生きる糧。
心のカケラがないと、魔物たちは消えてしまいます。
ゲルダは、カイくんの心のカケラを取り戻すために、
自分の心のカケラと交換することに…。

失っていくゲルダ、取り戻されていくカイ。

二人は無事に、
冬の屋敷から家に帰ることができるのでしょうか?ー



↓ ネタバレ注意!





雪の女王、スノークィーン(@Sarahさん)が
ゲルダ(@池永百花さん)に解かせようとする鏡のパズル。
氷のような彼女の表情からは、真意が読みとれません。

ただ、聴覚のピースを持つ者として
ゲルダの前に立ち、オルゴールの歌を歌ってた女王さまは
全てさらけ出していたように見えました。
途中でカイが現れたとき、
またいつもの女王フェイスに戻っちゃう。
欠けた鏡は女王様の心(とくに希望を求める部分)なのかな。

女王さまが仲良しの男の子と女の子を引き裂いて、
女の子側に試練を与えるのは、自分を重ねてるって事かしら。

ゲルダ(や、他の少女たち)に奇跡を求めつつも、
かつて大きな絶望に押しつぶされた彼女は、
願いは叶わないのだと絶望の追い打ちにも怯えていて、
もし試練を課した誰がが奇跡が起こせたとしたら、
同じ事を起こせなかった自分を悔やむわけですよね、たぶん。

どっちに転んでもイイコトなしのような気がしますが、
でも女王様は奇跡のようなものが起きる様も、
見てみたいんだろうな。
だから、鏡のパズルを解いてほしいし、
解けなかったことにも安心する。
…というのが、まいくろの解釈。


とらわれた子供たちは、
心のカケラを魔物たちの栄養として使われてからっぽに。
「心がなければ物と同じ」なので屋敷の家具になっています。

ゲルダが屋敷を訪れてたときに登場する扉や本棚、
ろうそく立てやテーブル。
子供たちが変化した姿ということで、
ダンサーさんたちが演じています。
鏡にゲルダが手を伸ばしたときに、
ゲルダの後ろに立っている家具たちも手を伸ばすのですが
それは鏡の中に封じ込まれてる彼女たちの心が
鏡の中から助けを求めてるイメージだったのかなぁ。


6人の魔物は、けして悪でなく、
遠い昔に悲しい思いをして
未来を閉ざしてしまった者たちなのかなぁと思わせられます。

魔物達は、子供の清らかな心を栄養として生きています。
かつての子供たちにはあふれるほど「それ」があったので、
心をつまみ食いをしても、
子供たちは空っぽになることはなかった。
今は魔物たちが生きる分量を取ると、
子供の中から完全に失われてしまうほどに減少しているようです。


視覚の魔物リアル(@山本香織さん)は
真実を見通す目を持っていたのに、
美しいものは醜く、
醜いものはより醜く見えるようになってしまったので、
片目を隠しているお姉さん。
彼女がどうしても見たかったものが
スノークィーンの本心だったということから、
彼女の目を歪ませたのは
実はスノークィーンだったのかも…とか思いました。

嗅覚の魔物シューズ(@和田雄太郎さん)は、
獣に近いといわれていたので(?)、基本的に喋りません。
喜びと悲しみを嗅ぎ分けられたのに、
冬を前にした花達の絶望の言葉を聞いて、
その花達の強い香りが心に刻み込まれてしまい
悲しみしか嗅ぐことができなくなりました。
嗅ぐというか、サイコメトリーみたいな印象でした。
何度試しても悲しみしか感じられなくて、
がっかりの彼は本小動物のようでした。

スノークィーンそばに侍る「冬の精霊」と、
ゲルダの近くに時折現れる「春の精霊」。
冬の精霊は冬の寒さ以外にも絶望とか死・停滞とか、
春の精霊は春の日差し以外にも希望とか生とか未来とか
そういう感情や状態も表現する存在だったようで、
オープニングダンスやシューズの過去の話では
「菜の花色の靴」を巡って両者がせめぎ合う様子が描かれます。

クライマックスで、
ゲルダ達によって冬の屋敷の氷がゆるむのですが、
その時の冬の精霊のダンスと表情がすごく明るくなっていて、
冬は死の季節といわれるけど、
雪の下では新しい生命が明日を待ってる季節なんだよなぁと感じて、
彼女も未来に動きだし、解放されたのか…とホッとしました。

時の魔物プリマ(@山川優子さん)と
愛の魔物タルト(@一明一人さん)が
「きーっ」ていがみ合うときの表情が可愛くて(笑
特にプリマは、
そのたびにつま先立ち(バレエシューズ着用)になる細かさ。

時を失った時の魔物プリマは、
余裕がなくて他人のことに構っていられません。
ゲルダから時間をもらった彼女の晴れやかな表情、
ゲルダの幸せを祈る言葉に、
「優しさは心の余裕から生まれるんだなぁ…」とつくづく。

愛の魔物タルトは、愛は甘さが全てであると思いこみ、
何にでも砂糖をかけてしまいます。
しかも悲しいことにタルトの甘さを感じる感覚は麻痺していて、
甘さを感じられません。
タルトのお菓子をなめて「えっ!?」てなった後の
ゲルダの反応…隠れて指をゴシゴシ拭きまくっています。
砂糖でべったべたなのね…(笑
ここで「お砂糖は足りてるわ」って言い方するのが
ゲルダの育ちの良さ(身分じゃなくて)&優しさですよね。
「ペッペッ、なにこれ、甘過ぎ!!」とか、言わないのです。
乱暴な言葉はタルトを傷つけちゃう。
傷つけるのと叱るのは違う。

お菓子にはスパイスの利いたものがあるように、
愛にも厳しさがあるのだとタルトに伝えるゲルダでした。


秩序の魔物ムッシュー(@早川丈二さん)は、
全ての状態を数で表して整然と並べ、秩序を重んじています。
いちいち動きがスマートでかっこいいので、
他の方向で本筋が進んでる場面でもついつい目を引くから困る(笑

そんなムッシューは、秩序まみれの日々に少しお疲れの様子。
自分は消えてもいいので、
カイの心のカケラを渡すとゲルダに申し出ます。
それを聞いていたスノークィーンは、
ムッシューを消してしまいます。

ここでスノークィーンが割って入ってくるのが、どうも違和感。
1000年傍にいた彼の言葉を聞いて
悲しくなって、それが怒りになったのかなぁ。
去られるくらいなら、消してやる、みたいな…
試練を与えずに、
安易に奇跡が起きてしまうことを嫌ったのかしら。

もしかして。
ムッシューはスノークィーンの傍に1000年いたから、
試練に挑戦する少女達をたくさん見てきたってことで
少女達と同時に、そのたびに悲劇を作って自ら悲しみを重ねる
「スノークィーン」を見ていられなくて
彼女の冬を終わらせたくて鏡のパズルの完成を早めるべく
カケラを簡単に手放そうとしたとか…ううむ

ゲルダが、リアルに「美しいものを見る視力」を渡したときの
「前の目の方が好きだったよ」みたいなことを言うんですが
その言い方が悲しみを帯びた紳士カッコイイ! 過ぎて
言葉自体は聞いていたのですけど
見るのに夢中になって
まいくろは正確な言い回しを覚える力を失いました…


ぶっちゃけ彼らの設定が「おとぎ話」テイストで
聞いていてどれが本当かよくわかんなくなってしまったので、
ノワールがかつて仕えていたひとりぼっちの女王が
スノークィーンなのかと思ってましたし。

というか、ノワールの語った過去のくだりが
それで一本芝居にできそうな設定で印象的だったのですよね。
言葉の魔物、ノワール(@河口仁さん)はカラス。
子供たちの心のカケラをつかって、人間型の分身をつくり、
彼に言葉を喋らせています。

で、ノワールの過去話。
ひとりぼっちの美しく聡明な女王様の話。
彼女を前にした人々は、言葉を失ってしまってしまうそうです。
(魔力なのか、プレッシャーとか、
 彼女が全て先に言い当ててしまうから口をつぐんじゃうとか?)
その力が
彼女に仕えていた宮廷カラスのノワール&許嫁にもおよび、
言葉を失った恋人同士は
語りたいのに語れないから疲れ果ててしまってそれっきり。

「ひとりぼっち」にもいろいろあるわ、と言われていたように
周りに人がいても意志疎通ができなければそれは独りだし、
語る言葉があったとしても
理解されなかったり理解しようと思ったりしなければ
それもそれで独りってことなんだよなぁ。

あと「言葉を失わせる力」をビジュアル表現した騎士さまが
たぶん早川さんが別役として演じてたんだと思うのですけど
それはもうすごく良い動きで…!!!!
剣持ちながらの軽やかな蹴り、ほんとトキメキます。
薄暗くなった舞台の上で、剣だけがくっきりと浮かび上がって、
絵的にもキレイでしたなぁ。



クリスマスを前にしたこの冬の屋敷には、
子供と魔物以外にも訪問者が来ておりました。

まず盗人夫婦の
ヘレナ(@戸田麻衣子さん)とハンス(@鈴木洋平さん)。
貧乏暮らしに耐えきれず、
冬の屋敷には財宝があるという話を聞きつけて森に入ります。
たくましいヘレナと尻に敷かれっぱなしのハンスのやりとりが
面白くって面白くって。
ハンスの「ハニー」って言い方が、
すごくディ○ニーアニメっぽいんですよね(笑
この二人の関係がそのまま出てる
ミュージカルシーンも大好きでした。
ミュージカルってほとんど観たことないんですが、
そうか、こういうのがミュージカルなのか…!

出口が見つからなくて白目をむいてたハンスですが、
とあるシーンで見せた頼もしさがね。心を打つのです。
稼ぎが多少(あくまでも多少・笑)心許なくても、
自分のことをしっかり見ててくれるダンナがイイよなぁ、うん。

ハンスが頼もしさを見せたのは、
ヘレナとヘレナのお父さんを仲直りさせるためでした。

冬の屋敷にいた大人、執事のセバスチャン(@上杉逸平さん)。
妻を喪って家を出ていったきり、
数年行方しれずのヘレナのパパさん。
自ら望んで、この冬の屋敷で過ごしていました。
魔物に相手にされなかったところで
ゲルダに挨拶してもらえたときの笑顔!(笑

パパはかつて、冬の屋敷に迷い込んだことがあったそうで、
その時に一緒にいたのがママ。
試練を乗り越え、二人で帰れました。
たぶん、その話をヘレナにも話したことがあるんでしょうね。

えっと…
鏡のパズルが完成したことは今まで無かったって話でしたが、
でもパパとママは二人で共に帰ったんですよね。
答えは挑戦した子供の数だけあるということで
彼らの出した答えは作中で語られないんですが、
ゲルダ達と同じか、それに似た方法をとったのかなぁ。
お互い不完全なまま帰った…とか。
それで、妻の死語、
屋敷に残ってるかもしれない妻のカケラを求めて
冬の屋敷で過ごしていた、とか。

頑固で素直になれない父と娘を素直にさせて、
えぇ話や…と涙してるところで
普段通りになったハンスの
「おとうさーーーん!(抱擁)」で笑いました。

セバスチャンは、ここに迷い込んだ子供達を見守って、
経験者として、時にはヒントを与えていたようです。
彼がカイに与えたヒントはとても大きなものでした。
セバスチャンは自分のことを卑下していたけど、
人間は自分を救えなくても、
他人を救うことができる生き物なんだよなぁ。


セバスチャンがゲルダを見て思い出した、少年少女。
彼らも、実はこの日、冬の屋敷にいました。
少年の名はロビン(@野村侑志さん)、
少女の名はカナリア(@御意さん)。
彼らは幼い日に冬の屋敷に迷い込み、
カナリアはロビンを救うため鏡のパズルに挑戦しました。
カナリアが試練をひとつ乗り越えるたびに、
ロビンは心のカケラを取り戻していきました。
しかし、試練をひとつ残したタイミングで
怖くなったロビンが
カナリアをおいて冬の館から逃げてしまったのです。

…それが10年前の話。

大人になったロビンは、あのとき止まった時間を動かすべく、
カナリアを救いに冬の屋敷に訪れていました。
10年前、親にバレて冬の屋敷探検に一緒に行けなかった
友人のカッコウ(@上田耽美さん)とともに。

ちょっと空気読めてない感じの
ロビンの友人、カッコウ(特技:壁破り)ですが、
二人の会話を聞いていると
ロビンもなかなかに天然さんですよね(笑

ロビンが逃げ出した理由の「怖くなった」というのは、
冬の屋敷の雰囲気とか魔物達とかじゃなく、
自分がひとつ取り戻すたびに
カナリアがひとつ失っていくという状態を指してたのかな。

カナリア役の御意さんは
前に観た『Evergreen Online/EDIT』では
男女どちらともとれる感じの役でしたので、
ガッツリと女の子してるのを新鮮な気持ちで観てました。
幽閉されて表情無く奏でて歌う様子、
歌いながら、心になにかが引っかかている様子、
ロビンと再会し、素直な気持ちを告げる時の、
まとう空気の柔らかさの変化が印象的。
可愛らしかったなぁ。

心のカケラを一つ置き忘れたまま、大人になったロビン。
少年っぽさを残しつつ、身体は大人ってのが、
野村さんにぴったりの役ですよねぇ(*´∀`)
タルトのダンスに巻き込まれてるときの、
表情と身体の動きががちぐはぐな、
トテチテタッな動きが、もう可愛くて可愛くて!
(カッコウは、もうどうとでも的な顔で踊らされていた)
オトナオトナしてる役の野村さんも好きだけど、
やっぱり子供役してるときは格別です。

今回一番好きなシーンは、
冬の屋敷に残って魔物として歩むカナリアと、
町に戻り、人として歩むロビンの握手シーン。
誤解もわだかまりも解け、二人の時は動きだしましたが、
手に手をとって共に歩むことはできなくなってしまいました。
「さよならは、言わない…」って言うロビンの目に
いっぱいたまってた涙が、彼が笑顔になって
流れ落ちそうでぎりぎり踏みとどまってるような状態。
で、カッコウがロビンの背中をポンって叩いたところで
それがポロって落ちたのがね。
狙ってできることじゃないけど、もう秀逸としか言えません。

カナリアの
「ほかの子供たちを連れて行って」という願いを聞き入れて、
連れだって屋敷から去るところで一人屋敷を振り返って
離れてるけど一緒だよ、みたいな顔してるロビンが好きでした。


誰ひとり消すことなく、ゲルダと一緒に帰るために
カイ(@田代圭佑さん)が出した結論は、
たぶん「大人」は
なかなか思いつかなかったんじゃないかなぁ…
でも「子ども」だけでも駄目だったと思うんですよね。
親の世代から経験談をもらって、
周りにヒントをもらって得た結論。

「ホワイトクリスマス」を歌うスノークィーンを見て、
12月でしたが、春が来たなぁと思ったのでありました。

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