スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『それでも世界には俺がいた方がいい』雑感

平日は基本的に社会人として通常営業。
まいくろです。

さて先週末の土曜は大阪、道頓堀角座にて
11th Performance
テノヒラサイズの『ドキュメンタリー演劇』シリーズ#1
『それでも世界には俺がいた方がいい』
観てきました。
今回はこの作品のためだけに遠征。


テノヒラサイズという劇団は、
LINX'S TOKYOで拝見したっきりなのですが、
劇団員さん数名は、客演先などで何回か観ております。
ホームを観てみたいよねと思いながら、
遠征決定週の間の公演期間だったので悩んでいたのですが、
とある要因が私の背中を押し、3週間連続の遠征となりました。

その要因というのは、今回の3本立ての1本に、
大阪王子の野村侑志さんが作・演出してるのがある、ということ。
まいくろは、可能な限り
この人がかかわってるものは全部網羅したい!
だから今週末も、彼が出演する作品を観るために遠征(笑

で、今回こちらに出演はされていませんが、
むしろ出演していないというのが私の中でワクワク要素に。
野村さんの作・演出で、
野村さん以外の人だけで構成された世界はどう動くのか。


3本オムニバスで、

劇団員の湯浅崇さん作・演出
『もう騙さないで』

野村さん作・演出
『テノヒラガエシ』

主宰・座付作家&演出家の
 オカモト國ヒコさん作・演出
『お前が十歳になったら熊と戦ってもらおうと思っている』

合計2時間の上演時間でした。
舞台上に釘付で時計なんて見てられないので、
各々の公演時間は分かりません(笑

2作目が一番体感時間が長かった気がしました。


↓ ネタバレ注意!

舞台奥には、テノヒラサイズの象徴(?)のツナギが、
色とりどり所狭しと貼りつけられてたり吊るされていたり。
ナマ着替えかしら…ゴクリ…とか思ってたら、
ほんとうに作品と作品の間に生着替え(笑

個人的に右上くらいにあった
躍動感あふれるポーズのツナギが気に入ってます。



>『もう騙さないで』

詐欺に遭いまくりの男(@木内義一さん)が、
ビルの屋上で偶然出会った男(@松木賢三さん)に
これまでの人生の騙され歴を披露する…という話。

これ、役名は詐欺られ男「梅田」以外は
ほとんど出てこないのですが、
当日配布パンフを見るとちゃんと決まってるんですね。
大阪の駅名をちょっといじってつけてるみたいなんですが。
騙されエピソードはほぼ脚本家の実体験らしいのですが、
まさか遭った場所と詐欺内容、対応してたりして…(笑

様々な年代を演じる木内さんがどんどんカモられていくのは
もはや笑うしかないし、ある意味今後の勉強になります。
マンボウシステムは絶対うさんくさいのに納得する(笑
あと、高校時代の、女子高生軍団の中の
3人(湯浅さん・松木さん・川添さん)の
ビジュアルの破壊力&動きの女子力!(笑

各役者さんが別の色のつなぎを着ているのですが、
これ、テノヒラ初見の人でも終演後に友達と話すとき
「○○色の服の人!」で語れていいですね。
物語としても、詐欺戦隊ダマスンジャーみたいで。

騙し騙され、が
舞台上から客席にまで染みだしてくるのが楽しい。
見事にヤられました。

あと、木内さんが沈痛な顔で靴を脱ぎだしただけで
「あっ、この人飛び降り自殺する気だ」
って客席に伝える演技力&人間の共通観念に改めて驚き。

場面転換の時にキャスト陣が歌っている、
タイトルコール&テーマソングの
「騙さないでっ♪ た~ららら ららららっ♪」
が今も脳内で鳴り響きます。エア マイクスタンド回し…!



>『テノヒラガエシ』

恋人にすべてを捧げて生きてきた野村有子(@田所草子さん)。
淋病と医者に言われ、恋人に打ち明けたものの
「俺が浮気したって意味なのかな?」という流れになり。
しかも診断結果は淋病ではなくて、完全に誤解。
だけど、恋人は実際に浮気しまくっていて
有子さんは大ショック。

泣きながら走って走って、気が付くと彼女は山にいて、
野生のサル達に囲まれていました。
誰からも必要とされなくなった、と自棄になった彼女は、
スゴい勢いでサル達に教育をほどこします。
たとえサルにでも、必要とされる存在でありたくて。
ついに一部のサルは火をおこし、人語を解するように。
ふと我に返った彼女。
私は生態系を狂わせたのではないか。
そもそも、サル相手に私は何してるんだろう?

怖くなった有子は、急いで山を下り、
街に戻って安アパートで暮らします。
しかし、人語を解する一匹のサル(@湯浅崇さん)が、
彼女についてきてしまって…



まず衝撃だったのが
『桜×心中』で女郎蜘蛛役だった田所さんの
あまりの演技の違いっぷり。
あんなフラフラで主体性のない女子だと…!?
しかもばたばたしてるしゃべり方がカワイイ!

人語を解する、知的好奇心の強いサル。
説得に応じず、山に帰ろうとしないので、
有子さんが全身の毛を剃って
「どうやっても、あんたはサル」とわからせようとしますが、
毛を剃ってみたら思いのほか人間でした(笑
根負けした有子さんは、
サルを人間と偽って工場に就職させます。

最初はカタコトだったのが、日を追うごとにメキメキ上達。
だれも彼をサルだとは思わなくなり、出世街道まっしぐら。
最初はチンパンジー的な動きだったのに、
最終的に謙遜までばっちりマスターしててウケました(笑

面白いなと思ったのが、
彼が人間と話してるときはサルはサルの鳴き声を発し、
彼がサルと話してるとき、
人間の言葉は謎の言語として聞こえるという演出。

あと、湯浅さんはじめテノヒラメンバーの
サルとしての動きが巧すぎです。
山で思い思いの動きをしているサル達も
それぞれに個性があって、全員観きれなかったのが悔しい。
どんだけサルの研究をしたんでしょうか…


ユウジと名付けられた彼を慕う
メスザル(@上野みどりさん)のかわいさもポイント。
有子さんからもらった腕時計を彼女に渡して、
時間の概念を(伝言ゲーム的にズレながら)教えるユウジ。
その出来事をを彼女はずっと覚えていて、
人間界で暮らすユウジの居場所を突き止めます。
「みつけた。ね、じかん。ときのながれー」って時の
笑わないんだけども、
目をキラキラさせて嬉しそうな表情が印象的です。
笑顔は人間特有のモノって感じなのかな。
サル時のみんなは、
笑ったり泣いたりを表情でなく体の動きで表現してたような。

彼女が会社に現れたとき、
人間として彼女を撃退することになったユウジ。
もう、このシーンが悲しくて悲しくて。
こらえてるのにハーモニカの音が涙腺を刺激してきます。
この選曲ずるい…!
嘘をつくのは人間だけというのなら、
彼女にテノヒラガエシをしたユウジは人間なんだろうか…

彼女をかばえなかったユウジも少しずつ落ち着いて、
「サルの彼女を友人だと紹介しても
 誰も文句言わないような立派な人間になる」と誓います。
そんなある日のこと。
テレビから
「サルがかがり火をたいて人間に戦いを挑んでいる」
というニュースが飛び込んできます。
テレビに映るのは、仲間を煽動するあのメスザル。
ユウジのテレビを見る視線が、
そのまま移動して彼女を直で見る視線へ。
交わるようですれ違うそのタイミングがドラマテッィク。

戦いを止められるのは自分しかいない、と、
自分の地位や身分の象徴である服を脱ぎ捨てて、
ユウジは有子の家を去り、山に走ります。

ものすごい勢いで服を脱ぎまくる湯浅さん。
手のひらをもう一度返したユウジの心意気に胸を打たれつつ、

「他の役者が演じてても
 ノムラユウジという名前がついてる以上
 脱衣ははずせないのね…」

などと頭の片隅で思いながら、脱ぎきったユウジを見たら

湯浅さん オ パ ン ポ ン ス ー ツ 姿。
(野村さんの劇団の野村さん限定ユニフォーム)

極限までノムラユウジを貫かせたちゃったよ!!(笑


走るユウジの姿に、
数ヶ月前の本公演(来年3月に東京で再演)を思い出しました。

もう何度も言っちゃいますけど、
日常にさりげなくあるようで見過ごされている隣人愛を
切なく愛らしく、そしてバカバカしく描いてくれます。
脚本家としての野村さんも、だいぶ好き(*´∀`)



>『お前が十歳になったら
> 熊と戦ってもらおうと思っている』


本編が始まる前、
舞台上を次の作品仕様に変えたり
キャストが舞台上で着替えをしたりするのですが、
この2本目&3本目間の川添公二さんの「キメ顔水飲み」が
かなり格好良かったのを明記しておきます(笑
演技的には1作目の画商さんが好みでしたなぁ。


さて本編。

作家の父(@湯浅崇さん)と、キャリアウーマンの母(@あだち理絵子さん)。
娘のさっちゃん。
いつも育児や送り迎えを夫にまかせっきりにしていましたが
今日は先生との面談があるので、
珍しく妻がさっちゃんを迎えに行きます。

さて、行ってみると保育園の先生達は神妙な顔。
「じつは、さっちゃんが
『10歳になったら、熊と戦うの』って言ってるのですが…」
と打ち明けられます。
父からそう運命づけられたというさっちゃんは
熊の図鑑を熟読し、目潰しのイメージトレーニングに励み、
先生がくまの○ーさんの話をすると
ときおりフッと大人びた表情をするのだ、と聞かされます。

妻は知りません。
夫は一体、娘に何をしているのでしょうか…!!!



少しずつ明かされていく父親の教育方針。
「夫の笑いのセンスは変わっているから…」
と思っていた妻に
「夫は異常者なのでは」という考えがよぎる頃、
ナイス(?)タイミングで鳴る電話のベル!
登場する夫はオープニングと変わらない笑顔なのに、
こわいこわいこわい!!!
人間の先入観っていうのはかくも恐ろしいものなのか…
いい感じに流されまくる先生陣の対応に、
社会へのちょっとした皮肉みたいなものを感じたり。
寄り添ってるようなのに実は遠巻きな感覚とか、
保育園の限界を感じてしまいました。
あくまでも補助なんですよね。親にはなれない。


お父さんがさっちゃんに熊と戦うことを運命づけた理由。
娘のことが大好きすぎるゆえの行動でした。

娘に思春期が来て、
父親を嫌悪するようになったときに自分は耐えられない

思春期がくる前に自分は姿を消そう

思春期前までという限られた父親期間の中で、
自分と娘の思い出を作りたい

熊と戦うという、忘れられないような冒険をさせよう
そして自分が熊となって娘に倒されて消えよう


…いやいやいや、どんな理論ですか!?(笑
とおもいつつ、今の娘がかわいければかわいいほど、
父親ってだけで「キモい」とか
「服一緒に洗わないで」とか言われる将来はつらいよなぁ。
(なんか精神構造だか本能だかで、
 近親交配を防ぐため父親を嫌うようになるって聞いた記憶)

そこで「育ってみるまで、嫌われるかどうかわからない」
という母親に
「ママは、ママだから!!!!」と突っぱねる父親の
ものスゴい説得力。
これは、世の父親はうんうんってうなづいちゃうんだろうなぁ。
母でも娘でもないまいくろには、
想像はできても完全には理解できない部分なんだろうけど。

実際に娘に嫌われている状態にある園長先生の、
悟ってるようで思考停止をしている笑顔がツラいです。
娘には、私の声も聞こえないし
姿も見えていないようなんですって。
周りのうわぁっ…て反応の中、
「地獄じゃない!」って言い張る園長先生(ノДT)
本当に悲劇と喜劇って紙一重。
あ、でも泣き崩れてるようで実は寝てませんでした?(笑
「そのときはそのときで頑張ってよ」という母親の言葉に、
さっちゃんパパと一緒に感銘を受けておりました。


ずっと傍にいようと思い直したその日の夜、
父親はさっちゃんに、
「将来戦う予定だった熊が事故で亡くなった」と告げます。
(この理由がまた、ツボにはまる・笑)

さっちゃんの笑顔とともに、父親の脳裏に浮かぶ、
もしかしたらあったかもしれない将来図。
10歳のさっちゃんと戦う、熊の着ぐるみを着た父親。
熊の一撃一撃が父親の愛情。
着ぐるみの中で「さっちゃん負けるな」と
励ましながら攻撃する父の姿を観て
鼻で笑いながら涙するという謎の現象が起きました。



3作ほぼ一気上演で休憩なしなのに、
作品ごとにキャストのみなさんが演技をがらっと変えてくるのが
本当に楽しかったです。
○○さんは1作目でメインだったから2作目ではサブ…とか、
そういうのも無くて、全員全力です。

舞台装置も映像もほぼ使わず、
演技力と脚本演出の力で舞台上を様々な景色に染め上げる、
そういうお芝居がここ数年、まいくろのなかでキてます。
面白いだけじゃなくて、ほんのり考えさせたりもするけど、
後味はすっきり。楽しかったです。


テノヒラサイズの次回公演は
来年の4月、3(金)~5(日)
あべのハルカス@SPACE9ですって。
(最寄り駅はたしか天王寺だったな…)

次回も野村さんが作・演出するそうです。楽しみ♪
スポンサーサイト

Comment

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

Trackback

http://maikuro96.blog90.fc2.com/tb.php/1092-44e2ea9a

«  | HOME |  »

最近の記事


カテゴリー


リンク

このブログをリンクに追加する

ブログ内検索


プロフィール

まいくろ

Author:まいくろ
ついったー:maikuro9696
(画像は7年前に描いたものです)


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。