『空は青くて』役別雑感 1

明日(もう今日)は夜行バスで大阪に行くので、
自宅でのブログUPチャンスは今しかないのだ。
夜更けのまいくろです。

先週末観てきた、ソラトビヨリst.
『空は青くて』のネタバレ役別雑感です。


ソラトビヨリst.は
好き役者の森山くんが出演しているというきっかけで知り、
そのまま何作か観ていたら
毎回メンバーの演技の色が違うのが楽しくて、
森山くん出る出ない関係なく、今も観続けています。
毎作、個人的MVPが変動するのも含めて、おもしろい団体。


物語の舞台は、現代とは異なった世界。
「悲しみ」という感情が存在しない、
個に対する執着が薄い世界。
悲しみが失われた理由については、作中で、
「悲しみは精神と身体にストレスを与えるものだった」
「だから、進化の過程で不要とされ、
 失われたと考えられている」てな発言がありました。

私たちが目にしているマンガなどが
「旧世代の文化」として登場するので、
はるか未来の世界、という設定なんだろうな。

この世界の住人には、バーコードがついていて、
その個体に関する情報が全てそこにインプットされています。
そして「クラスタ」という
軍隊のような組織によって、人々は管理されています。

月に一度の「テイキケンシン」で
異常(=バグ)が発見されると、
その個体は「セドリ」と呼ばれて、
住民と同じ居住区に住めなくなります。
セドリ達は、居住区以外に身を潜め、
何名かのグループに分かれ「セクタ」という場所を構築、
共同生活をしています。

そこに、バーコードに何も記録されておらず、
記憶も持たない青年が現れる…というのが、
物語の、そして「新たな世界」の始まりとなるのでした。



↓ ネタバレ注意!

バグを持つセドリの中には、
この世界では失われた「悲しみ」の感情を感じたり、
理解したりできる者がいるようで。
そして、それらの個体は悲しみを感じるのと同時に
「愛情」の片鱗を見せることもあるといいます。

相手がいなくなると悲しい。
だからいなくなってほしくないって思う。
そこに「愛情」が生まれる…って流れだと解釈しました。

実は、物語の登場人物の大半がセドリだったこともあり、
私にはこの世界は愛情だらけに見えていました(笑
この世界において「標準」「大多数」とされているのは
アロド博士や
ケムリ(ただ、彼もわりと異端だと思う)達なんですよね。


作中で特に言及されておらず、
ぶっちゃけそこは言及しなくてもいい要素なんですが。
彼らは「何者」なのかって話。
人間の形をしているけど、
何かを擬人化してるのかなって最初は思ったんです。
(そういう話、DVDで見た過去公演にもあったし)

あるシーンで、ソラが「牛や豚は殺すよ?」と言うので、
この世界には牛や豚が存在してるんですね。
アラタは「牛はうまいから好き」と言うので、
食生活はほぼ私たちと同じようです。あ、バナナもあった。
牛や豚や魚を食べて生きている、
バーコードで管理された登場人物達は、
冷蔵庫のような「ギョタク」に入れられて
商品として外の世界に行くのだそうです。
(たしかこれを言ったのはアロド博士だったよな。
 彼がウソをついている可能性も考えるべきなのか…?)

「商品」が私の中ですごく引っかかってて、
冷蔵庫みたいなモノに入れられるってことは、
鮮度管理が必要なんだよなって考えになって、
「臓器移植用に、街の形をとって多量に管理してるのかな」
とか思ってました。
(最初は食料になるのかなって思ったけど、
 牛も豚もいるならわざわざ人間食べないよな)
ここは「外の世界の人々」が
健康で長生きするために存在している世界なのかな、と。
おそらく、作中にバーコードが出てくるので
某多重人格探偵マンガに影響を受けて
この妄想に至った気がプンプンします(笑

以下は、役別雑感。





+第7セクタ+

>サキ@信原久美子さん
第七セクタのリーダー。
桁外れの聴力がある、というバグによってセドリに。
ややぶっきらぼうで男っぽい話し方だけど、
若干天然のケがあります。
誰だ、彼女に「おっパブ」なんて吹き込んだの!
どこのアラタだ!?(←決めつけ)
口調の感じからして、彼女の方が姉なんだろうな。
名前も「サキ」ですし。

みんなと街に一緒に行きたいけど、
素直に言い出せないところとか、
店で好みの品を見つけたときの「わぁっ」て顔がカワイイ。
リーダーとして、普段から気を張ってるんだろうなぁ。

ケムリとの戦いでのやりとりは、
顔を掴まれたあたり、
なんというか、画が大人のムードなんですけど…!
「アラタからのプレゼントだ」っていうセリフが好き。
なんか、二人で攻撃してるっぽくて。
ピンが指輪に見える感じが絶妙です。死の婚約指輪的な。
そこに至るまでの流れ、
おみやげの袋を開けてから声が悲痛です。
泣くと怒るが混じったような、
悲しみスイッチが入ったような慟哭。



>アラタ@森山光治良くん
第7セクタのお調子者。
身体が丈夫すぎるのが彼のバグ。
近距離で爆弾が爆発しても平気。痛みは感じるみたいです。

エンバン(DVD的なもの?)やマンガが大好き。
「これってマンガでよくある○○じゃね?」や、
通常の会話にふつうにコネタを仕込んできます。
典型的なマンガの読み過ぎ少年。
発掘されたマンガが全巻そろってないことに対して
まくし立てるところが実は好き(笑
謎の青年は記憶喪失らしい…ってところからの小芝居は
日替わりのようです。
ソラやサキにも無茶ぶりをして、状況がカオスに(笑

あと、マンガも好きですがサキのことも好き。
たぶん愛してるってニュアンスで。
アラタはサキが好きだよね? って流れになったときの
「おっふぅん」みたいな謎の声とわかりやすい態度(笑
そういえばオープニングで、
リイチがサキにアプローチかけてるところに
ひょいっと割って入ってるんですね。
普段の様子だとデレデレしてるわけじゃなかったので、
あそこは言われて妙に意識しちゃった、ってヤツなんでしょか。

マンガ好きなアラタは、
その経験が感情の刺激になっているのか、
作中でもよく動く、やかましい部類のキャラ。
当日パンフレットは茶髪だったので、
金髪にはビックリさせられました(笑
今年二人目の金髪…

目の前で仲間を殺されて、悲しみからの怒り、殺意へ。
やはりこの人は目の表情が雄弁だなぁ。
「おみやげ」で、やたら頑丈な彼が食い下がるさまが
やたらリアルに目に浮かぶなぁ、と思ったら、
以前に彼が演じた役(ミゲル)でそんな姿を観ていたのでした。



>ソラ@大久保悠依さん
涙がでる、というバグのためにセドリに。
ほかのセクタのセドリたちからも、
涙がでるのを気持ち悪がられていたそうです。
温かく迎え入れてくれたのが、第7セクタのサキ達。

オープニングの、ナナシに向ける笑顔がすごくかわいい。
天真爛漫でポワンとしてるけど、
言い出したらきかない頑固な一面もあって、
戦闘力は無いけど、率先して人をかばうために前にでます。
クラスタに銃を向けられても、
物怖じせず立ちはだかれる強さがあります。

自称勘がいいってのは、
ただのポジティブシンキングだったのかしら。
てっきりそういう関連のバグがと思ってたら、
彼女のバグは「涙」だったし。

「悲しいって何?」のシーンで、
瀕死のけがを負った海の男にとどめを刺そうとしたのは、
どうせ死ぬから早く楽にしてあげようっていう
優しさからの行動って解釈でよいのかな。
「悲しい」と「可哀想」は別物って事なのか…

彼女の最期のシーン、
崩れ落ちる彼女と、
彼女の温もりが残ったナナシの手から、
赤い花びらがはらはらっと舞うのが切ない。
悲しみを知らなかった彼女は、
最期に悲しみと愛情を知りました。
血も涙も、あるのだ。



>ナナシ@濱仲 太さん
クラスタの輸送車に乗っていた青年。
バーコードはあるものの、データが読みとれません。
自身に関する記憶も、きれいさっぱり、まっさら。
アルの勧めで、日々思ったこと等をメモっています。

そうそう、当日パンフに書いてあるナナシのメモ。
「沢山」と書くところを
「涙」って書きそうになって修正してあるんですね。
ナナシは、発掘された古代人のDNAから創られた存在。
彼の手は「涙」って字を知っていました。

ソラにせがまれて、海辺で「トレンディ」をやるところ。
発掘されたエンバンに記録されていた、
古代のドラマを二人で再現するんですけど…
私から見ても一昔前の、「あはは、まてぇ~」
「うふふ、捕まえてごらんなさい」みたいな流れなんですよ。
しかもその時のナナシといったら、
立ち方からチャラいっていうかキザにしてるんですね。
ひざをちょっと曲げて後ろに体重かける感じ。
もちろん手はポケットです。ほら、トレンディ(笑
波打ち際を走って、水を掛け合って、
水が当たってはじける表現をややスローで表現してるときの
「たはー」っていう、張り付けたようなサワヤカ顔が
と て も 鼻 に つ き ま す (笑
客席で笑いながら、だれかとめてーって思ってました。

彼の首の後ろから引き抜かれた記録媒体、
そこに記録されていたのがオープニングの画っていうのが、
好きな演出でした。無音なのが、余計にせつないね。
倒れた彼の手が、ソラの手に重なろうとするところも、
心にチクっときます。


ストーリー冒頭とラストに登場する、
補習として世界の成り立ちのレポートを書くはめになった少年。
彼は『空は青くて』本編を越えた、
その先の時代に生きているようです。
悲しいと思う気持ち、相手を大切にする愛情が失われ、
じゃまな相手を殺すことが日常の一部になり、
そのことで笑いすら起きる世界。
この光景が、本当に「未来」になるかどうかは私たち次第。
(あそこで登場する名前は、劇団スタッフのものだったような。
 死体を運ばされた「モーリス」は森山くんの別名)



>アル@濱崎元気さん
本名を略してアル。
聞こえた限りだと「アルロダ」だったかな?

後述の「アロド博士」と名前が似ていて紛らわしいわ!
と思ってたら…なんとなんと。
アルが本物のアロド博士でした。
観察対象(ナナシ)に自分の気持ちをメモさせてたのも、
自分が後で回収するためか…!
メモを渡すときのニヘッて笑顔がかわいいって思ったけど、
2回目観劇時はその笑顔にコンニャロウって思うのでした(笑

段取り通りにいかなくて、でも強がるところとか、
アラタと一緒に物音に過剰にビビるあたりとか、
キャラとしてすごい好きだったので、
初見はマジで騙されました…
みんなが一人一人倒れていく奥で
彼だけが立ってるのを見て、
やっと「あ! こいつ黒幕!」って気づくドンクサっぷり。

失われた「悲しい」の感情を、
古代人(ナナシ)から取り込んで、
この世界を創った創造主(神)と同じ存在になろうとします。
「悲しい」がいっぱいに詰まった、
ナナシの記憶媒体を持って、ひとり野望を語ります。
まるでオモチャにわくわくする少年のような純粋さで。
まだ彼は「悲しい」を知らないけど、
客席の私たちは知っています。
これから彼を襲う感情が、どれほどのものか。

悲しみに押しつぶされた彼を見て、
そんな恐ろしいものを私たちは抱えているのか、と
改めて人間を恐ろしく思いつつも、
それと同時にちょっとスカッとした私の心は、
どこかおかしいのかしら…。
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