ステージタイガー『MATCH』役別雑感(江戸編)

ステージタイガー『MATCH』の役別雑感です。

こちらは、江戸在住の登場人物。


↓ ネタバレ注意!



>佐川勇吉@谷屋俊輔さん
まず飛脚で「佐川」って名字な事にムフッとします。
彼がその後の佐川急便の流れをつくってていくのかしら…
と、思わせておいて、作中ではあの展開なので
いろいろと想像の余地が残ります。
勇吉という名前から、
「中之島春の文化祭」でやった
『手紙』のアナザーストリーかと思いましたが、
そういうわけでもなさそうでした。

勇吉が目をキラキラさせて飛脚業にいそしむ姿が、
ほんとうに可愛い。
谷屋さんがやる、悪いヤツの黒い顔も好きだけど、
こういう少年顔もやっちゃうんだもんなぁ(*´∀`)
さつきへの手紙を読み上げる時の、走りながらの笑顔が超好き!

ついに先輩たちよりも速く走れるようになった時の
誇らしげな表情とか、
速達が届けられなくてヘコんでしまう姿とか、
観てるこっちも同じ顔になってしまいます。
ひなげしに会いたい一心で吉原で夜明かししてしまう時の、
表情と仕草で時間の経過と気温の変化を表現する様、
見事でした。

後半、志士となって生きる彼ですが、
振り切ったつもりになってるけど迷いまくってて、
見ててツラかったです。
彼が生きるその道を間違ってるとは端からは言えないけど、
勇吉くん、前の方が生き生きしてたよぅ…(ノД`)



>鬼の熊蔵@白井宏幸さん
飛脚問屋「さくら屋」の、三度飛脚の頭(かしら)。
まず、白髪まじりのオールバックというビジュアルで
まいくろごろしです…!
さくら屋のシーンになると、
奥からみんなで「いえーい!」って飛び上がってくるのが好き。

厳しい親方ですが、家に帰ると気のイイおとうちゃん。
家族はいいぞぉ、的なシーンで、
語りながら子供と戯れる時の動きをするのですが、
手を繋ぐときの目線や、遙かなる高い高い(笑)とか、
そして子供を軽々と肩に乗せてる姿。
あの子供になりたい! こんなおとーちゃん欲しい! と、
わりと本気で思いました。

全員揃って、喋るごとにおかわりをする
にぎやかな食卓の風景がね、私、大好きでした。
勇吉が出奔して、虎之介も消えた食卓で、
二人の分も胃に収めるように、
泣くこともなく怒りもせず、ただ黙々を飯を食う熊蔵さん。
そして、茶碗を割るその背中に、色々な感情を見ました。
すべては、あいつらが決めたこと、
自分がやれることは、いつものようにご飯を食べて、
いつものように手紙を届けるだけ。
でも、それは昨日までの「いつも」とは違う「いつも」になる。
騒々しくも愛しい日々の象徴である愛用の茶碗を壊して、
彼はそこに別れを告げるというか、
なかば無理矢理に、区切りをつけたというか。
出会いと別れを積み重ねてきた、強い後ろ姿でした。



>ムカデの猪八@梅田脩平さんさん
ムカデの二つ名を持つ兄ぃは、疲れ知らずでしたっけ。
たしかにムカデは足が多いのに、
足を絡めずにキレイに素早く動きますよね。
「どうやって足を絡めないで歩けるの?」って聞かれて、
それを意識したらうまく歩けなくなったムカデの逸話とか、
ご丁寧に全部に靴はいてたので脱ぐのに時間かかって
ごちそうが食べられなかったムカデの童話とかが、
かすかに私の脳裏にあるのですが、
それらの記憶は今回の『MATCH』には全く関係なかった(笑

当日配布パンフレットの写真からも感じるように、
なかなかの性格をしたお兄さんです。
こういう先輩、どこにでもいるんだなぁ。
なんていうか…少年を大人にする先輩(笑
彼が、さつき一筋の勇吉くんを強引に遊郭に連れて行って、
それが遊女のひなげしと出会うきっかけになりました。
一見ゲスそうですが、
姿をくらました弟分を必死に探し回る人情家でもあります。
この対応は、先述の熊蔵さんとの対比で、
まだ若さが残ってるって感じで好き。

佐川、熊…ときたので、
運送キャラで名前縛りしてるのかな? と思ったのですが、
「ムカデ」ときたのでそうじゃなかったみたいです。
そもそも、キャラ縛りだとしたら、
黒猫はなんとかなるかもしれないけど
ペリカンとかチーターとか…あぁっ、時代的に無理(笑

字面から猪八戒を思い出しつつも、
役者さんはスラリと細身な背高さん。
直接演技と関係ないけど、
胸毛(自前と思われる)がすごくって、
毛深そうな顔じゃないのに! とギャップに驚きました。



>韋駄天の虎之介@ネコ・ザ・メタボさん
言葉少なで、いつも後ろの方で仲間を見ているアニキ。
1回観劇で本筋追うのにいっぱいいっぱいで、
実は飛脚の兄貴分たちの序列が把握できてないのですが、
そんなに新人って感じでもなさそうです。
むしろムカデくんのほうが、
「初めてできた弟分にアニキ風」な印象をうけたので、
熊→虎→ムカデ→勇吉 って感じでしょうか。

で、ね。
虎之介は、実は長州藩士なんです。
飛脚として江戸に潜入し、幕府方の動きを探ってました。
だまされた! えぇ、みごとに騙されました!!(笑
彼の正体を知った上で、
もう一度賊と飛脚たちの戦いを観てみたい…!
(DVD到着は来年らしいのでそれ待ち)
ネコさんはタイガー公演で何度か観てますが、
いつも短髪だったので、
今回のくせっ毛風(自前?)のビジュアルは新鮮です。

「人間には二つの種類がある。
 いざってときに踏み込めるヤツと、逃げ出しちまうヤツだ」
てな感じの発言の時に、
めっちゃ過去ありげな顔しててですね、
「あっ、この人の昔は聞いちゃいけない類のアレだな」
って感じたんですよ。
そしたら過去があるっていうか現在進行形だったというね。

「強くなりたい」とクサクサしてる勇吉に
自分の正体を明かして志士の道に誘うのですが、
勇吉が他の人にバラしてしまうって展開もありえたわけで。
なんとなく、なんとなくだけど、
自分の「始まり」と似てたのかなぁ。
他人の迷いにつけ込んで自陣の戦力をGETする、
って感じじゃ無かったんです。
ただ、勇吉くんの求めた強さと、
虎にぃの提示した強さは似たように見えて違ってたってだけで。



>お滝@樋口友三衣さん
さくら屋の、女将。
最初、白井さん演じる熊蔵さんと夫婦なのかな? 
…と思ったのですが、よくみてたら違った(笑
でも、つきあいは長いようで、ツーカーな空気感が良いです。
おかわり連発の飛脚たちに、
てんこ盛りのご飯をよそう姿が
「もう一つの家」みたいで好きでした。
急ぎの手紙を時間通りに届けられなかった勇吉に
「手紙には人生が乗っているのさ」てな言葉をかけるんです。
メールや電話が当たり前の今の時代だからこそ、
この、飛脚のエピソードが観れて良かったなと思った瞬間。



>まつ@椎名ぱぴこさん
勇吉が、急ぎの手紙を届けるはずだった相手。
昼までにつけるって依頼だったけど、
勇吉の力不足で夜になってしまって。
彼が手紙を時間通りに届けられていたら、
彼女は親の死に目に会えたのかも。
まぁ、あくまでも「かも」の話なんですよね。
手紙には、タイムラグがある。
それが良いこともあるし、悪いこともある。

彼女が勇吉を責めるシーンとかが無かった事も、
むしろそれが、こちらの心に重くのしかかりますね…
たぶん描かなかったんじゃなくて、
彼女は本当に責めなかったんだと思います。



>ひなげし@片岡結衣さん
勇吉と懇意になる遊女。
大阪出身のようで、
それがきっかけで勇吉と話が合い、仲良くなります。
遊女は、高額でお店に売られた身。
彼女の言葉の端々に
「故郷に帰りたいのに、もう帰れない」悲しみを見ました。
勇吉が三度飛脚になって、大阪に行けるようになるのが、
彼女の希望になったんだろうなぁ。
だから、身請けの話はありがたかったけど、
あえて身を引いたんだろうなぁ。
そのお金も、その人生も、別のことに使って欲しいって。
好きだから、縛り付けたくなかった、というか。
その気持ちが、勇吉に全部は伝わらなかったのが悲しい…

「飛脚風情が夢見てる」の言葉を聞いたとき、
本当に心変わりしたのかと思ってしまいましたが、
そのあとの隠した泣き顔で、
本心じゃないんだ…って気づきました。

さつき一筋の勇吉に心変わりをさせてしまった、という事で
勇吉ともども「やなかんじ」という感情を抱かせてしまう
(↑不変なこと=かっこいい の風潮から、ね)
立ち位置になってしまう危険性もありましたが、
それを抱かせない、いじらしくも愛らしい人物でした。



>又左衛門@青山郁彦さん
箱根で、飛脚を襲って積み荷を奪う賊。
登場時、タイミング的にこの人が賊だよなぁ…と思いつつ、
いや、ちがうのか? …と感じさせてからの
「油断するな、と言ったであろうが…!」で、斬りかかり。
空気の変化をビリビリと感じます。
これが生の舞台ならではの感触よね! と興奮。

そして、彼が殺陣の最中に側転をしたのに衝撃でした。
蹴り入れるとか跳ねるとかはよく見ますが、側転!
しかもみた感じそんなに広くないですよね? エリア。
斬ってる人の表情も、それに相対する飛脚たちのわちゃわちゃ感、
このあたりは見所が多すぎて、
2回観るスケジュールにできなかったのがほんと悔やまれます。
今回、ステタイで殺陣は初めて(?)だったそうですが、
全体的に、それを感じさせない速さでした。
カーテンコールでのバク転もすごかったなぁ(*´∀`)

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