『0号』役別雑感 3


ゲキバカ『0号』の役別思ったことなど、その3。
あくまでも、私が見た景色の話です。
作中の台詞はうろ覚えなので、正確性に欠けます。


老後藤さん、老千代子さん、山田くん。



↓ ネタバレ注意!




>老後藤@中山貴裕さん
現代パート、取り壊す前の撮影所で、
山田の前に現れる老紳士。
もうね、シチュ的にかなり早い段階で
どう見ても彼は幽霊だよなーって思ってしまう。
それでも、彼の話を聞く上でのまいくろの姿勢は変わりません。
幽霊だろうが生きている人間だろうが、
そこで彼は、お話ししてくれているのだから。

そんなわけで「この歳で夢なんて…」と言う山田を
「ばっかもん!」とばかりに叱る彼を見て、
(「夢を見られるのは素晴らしいこと」という
 老千代子さんの言葉の後押しもあって)
やっぱりこの人死んでるんだなぁと実感してしまって
泣いてしまいました。

過去を語る際の、過去の自分たちを見る目と、
やっと出会えた千代子さんを見る目が
本当に幸せそうで、愛に満ちていて。
座ろうとするところのほこりを払ったりなど、
紳士的な気遣いも忘れていないところもポイント高いです。
もう、2回目の観劇では彼がそこにいるだけで泣けました。
「愛、それは…」の曲のフレーズは、
まさに後藤さんと千代子さんのためにあるような。

やっと言えた「愛しています」の後の後藤さんの口づけが、
触れるか触れないかの可愛らしいもので、
やっと会えたのに何十年ぶりなのに、
後藤さんは後藤さんで、優しくウブなままなんだなぁって。
そんな変わらないまま「生き」てた彼は、
とても格好良かったです。

後藤さんは、若い頃を洋二郎さんが、
老いた姿を中山さんが演じるのですが。
実は、観劇する前、
配布パンフレットや、販売パンフの写真を見た段階では
「ふたり、系統が少し違うような…」と思っていたのです。
でも、やっぱりそこは役者さんですから、
板の上に立って演じているのを観ると不安は払拭されます。
洋二郎さんは未来につなげるように、
中山さんは過去から繋がってるように「後藤さん」でした。



>老千代子@田中良子さん
現代パート、取り壊す前の撮影所で、
山田の前に現れる老婦人。
指さし確認のシーンが面白すぎて何回も笑えます。
今でも思い出して笑えます。
あと「女はツラいよシリーズ」の名場面も(笑

若かりし日の思い出をかみしめるように、
後藤さんの指を握って指きりげんまんするのが好き。
好きな人には、いつも触ってたいものですよね。
そこにいる実感を感じたいですよね。
その時の「ねぇ、後藤さん」と、少し甘えるような声。
今までずっと一人で歩いてきたから、
もうそろそろ、あなたにつかまってもいい…? みたいな。

パンフレットよりも、
舞台上ではもっと歳をとっていたような感じ。
彼女に関しては、生きてるのか死んでるのか半々でした。
年数とか言葉を聞く限り、もう死んでるっぽいけど、
彼女には生きていてほしいと思っていたので、
最後まで生存希望混じりで観ていました。

20年前に亡くなっていた千代子さん。
彼女の発言に「女優は20年前に引退した」とあります。
千代子さんは、命の火が消えるその瞬間まで、
女優として生きていたんだなと思うと、涙が止まりません。

「あなたがいたから、私は頑張れた」を、
老千代子さんは全身で伝えてくれます。
戦地に向かう前をもう一度やり直しているような、
口づけまでの二人のやりとりを見ていて、
彼らはずっと「生き」ていて、
ついに約束を果たしたのだと否応なしに実感させられて、
魂というのは
なんて美しく力強い光を放つのだろうとふるえました。

長く待たされた仕返しとばかりに、
超重要事項を秘密にしていた千代子さんです。
そのときのいたずら少女のような表情がね。
飾り気のない、いつまでもピュアな彼女が大好き。



>山田@伊藤今人さん
取り壊し前日の撮影所の警備を任された、
日雇い警備員の青年。
びっくりするほど無学で、
そのおかげで後藤さんは詳しく語ってくれるので
無学なまいくろも大助かりでした(笑

パンフレットの写真、
山田と老後藤・老千代子さんはカラーなのですが、
そのほかの人たちはセピア調の加工がされています。
写真がセピアだったり白黒だったりの時代でも、
実際には色が付いていたんですよね。
山田君が、後藤と千代子の話を聞くことで、
セピアな彼らに、鮮やかな色が付いていく。
そんな感じでステキ。

山田君が、板鶴さんのエピソードで感情移入しすぎて
あの時代に生きてたようにアニキを追いかける所からの、
まさかの号泣にヤられました(笑
ッハァーン! みたいなところまで再現してた(笑
後藤さんも乗っかるなー!(笑

作中には、
今人さんが振り付けしたダンサーさんも出演していて、
華を添えてくれます。
そのうちの数名は、関西で女優として演技も観たことがあって、
彼女たちが東京で観れるのも楽しみの一つでした。
撮影所スタッフやクノイチになってる場面もあって、
いろんな姿が観れるのもうれしい。
殺陣の効果音をタップで表現するのは斬新だなぁと思いました。

そうそう、風の又二郎シリーズのヒロイン、
おキヨちゃんって名前のようですが、
着物の柄も、『おぼろ(STAR★JACKS版)』の
おキヨちゃんと同じだったような。
柿ノ木さんの中で時代劇の女子といったら、
「おキヨちゃん」なのでしょうか…?

『男の60分』の時にも思ったのですが、
今人さんはゲキバカメンバーの中でも
一番都会的な見た目をしてるのですが、
メンバーの中でも特に純朴な役が似合うぁって。
まぁ、都会的っていう根拠も
「髪を染めて立てている」という、
田舎もの丸出しの理由なので、あくまでも個人的な観念。
隠し事がなくて、すぐ人を信じてしまうような、
無防備で感情丸裸のキャラ(←服装ではない)を演じている
今人さんの表情に、いつも共感してしまうんです。

朝日を浴びた彼が「就職しよう」じゃなくて
「バイト探そう」ってあたりが、
背伸びしすぎてなくて、でも確実に一歩進んでる感があって
こちらの心を軽くしてくれます。
気合い入れて命の大切さをまくし立てるんじゃなく、
着実に積み重ねる毎日こそを愛おしく思えるよう「生きる」。




登場人物一人一人が個性的で、
主張しすぎず埋もれることなく生き生きとしている作品。
可能なら大阪公演も行ければよかったなぁ。

そんなわけで『0号』の感想でした。

演じた人も公演に関わった人も、
同じ空間を共有した人もブログ読んでくれた人も、
どうもありがとうございました。


まいくろの次のゲキバカ体験は、9月のコメフェスです!

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