『AUDITION』も先週観てきた!

さて、日曜に観てきたのは
劇団ガバメンツ『AUDITION』。

こちらも野村さんきっかけで昨年出会った劇団で、
イベントでの短編を含めてまだ数本しか観ていないのですが、
「誰かの喜劇は誰かの悲劇、だけどやっぱり喜劇」
みたいな作品をやってるなぁっていうのが現時点の印象。

今回は番外公演ということで、
別劇団の若手の役者さんたちをメインに持ってきた感じ。


今回は、とあるオーディション会場の話。

かつての有名人、佐津久太郎(@近藤貴久さん)の主宰する
次回の公演『マクベス対ロミオとジュリエット』の
俳優を決めるオーディションです。


↓ ネタバレ注意!


1から7までの名札が付けられた彼や彼女。
作中に、名前は出てきません。
「特技は?」と聞かれて、
体が柔らかいこと、とひとりが言えば
みんな隣にならえでおなじことを主張します。
残りたいから、前の人は「正解」を言ってると思ってるから、
そして、とっさに考えがまとまらないから、隣にならえ。

今回の審査員である久太郎が
「特にないからといって落としはしません」と言えば、
こんどは次々に「特技は特にありません」と(笑
NO.1の番号をふられた彼女は、早々に落とされてしまいます。


二次審査になって、自由演技の時間。
でも自由演技といっても台本があって、
その記述は破らずに個性を出してくれ、と。
自由じゃないじゃん! というツッコミが入るけど、
そこは審査員の機嫌を損ねたくないのもあり。
早々に話は終わります。
台本を覚えきるか、手に持ったままやるか、
衣装を着るか否かも好きにしてくれ、とのこと。

まずはNO,2とNo.4とNo.5の3人。

オーディションが終わったら東京観光をしようと思っている、
参加することに意義がある的な
専門学校卒業ほやほや女子、2番。

所属劇団を辞めて初めてのオーディションに臨んでいる、
「この緊張感が私のいるべき場所!」みたいな高揚を感じつつも、
「はじめてなので」がやや耳につく娘、4番。

今回のメンバーで唯一の男子、
合否は気にしない、俺を審査するのは俺だけだ、の
やや高飛車でぞんざいな振る舞いの5番。
(男役のマクベスはそうせ自分になる…と、
 たかをくくっていたのでこんな態度だったようです)

台本覚え時間5分で、1本の作品を上演。
なんとこれが『あきれるほどガンダーラ』。
昨年の中之島春の文化祭で上演されてた
まいくろ初ガバメンツの作品でした。
(作品としてはその前にも上演されてて賞を取ったのですが)

一度観たことある芝居を、
別の役者さんで観るっていうのはとても楽しいこと。
オーディションであることを忘れて見入ってしまいました。
お釈迦様の白目!!(笑


演技が終わって、少々の総評を貰って。
その次がNo.3とNo.6の時間。
今年で50回以上オーディションを受けていて、
いつも最終選考まで行けず続き。
これでだめなら役者を辞めよう、と背水の陣で挑む3番の彼女。
とにかく審査員の久太郎の機嫌を損ねないよう、
損ねないようと気を遣っています。媚びるのも辞さず。

3番の友人で、誘われて軽い気持ちでついてきた6番。
空気が読めなかったり、思ったことをすぐ口に出してしまい
その場の雰囲気を悪くすることもしばしば。。
3番曰く「売れようというモチベーションが低すぎる」女子。
無理に媚びてまで残りたいとは思っていないようです。

そんな二人の、二人芝居。
今度は台本覚えの時間が3時間くらい。
なんともテキトーな…と思いますが
審査員に「運も実力のうち」という言葉を言われると
オーディション受ける側はなんとも言えなくなってしまいますね。

課題作は『アニー&アネー』。
これはまいくろ初体験の短編です。
某超有名ミュージカル『アニー』のモデルになった女性が、
ミュージカル『アニー』を演じる子役をオーディションする話。
ずっと続くと思っていた『アニー』が、
不況で今年で終わりと知ったモデルの女性。
そこに彼女の双子の姉と名乗るおばさんが
オーディションに潜り込んで参加していて…という話。
まさかのオチに笑ってしまいました。
それにしても、
「プロデューサーと寝てまで仕事が欲しいの!?」
なんてセリフがでてくる題材をオーディションに使うとは(笑
もう、あのミュージカルまともに観れなくなっちゃうかも(笑

総評を聞こうとしたら、
空気読めない6番がトイレに行きたいと言いだして、
そのままトイレ休憩の時間になってしまいます。
演技に参加してなかったはずの2番や5番まで、
あわててトイレに行くのを
「あんた達何してたの?」と3番が見送る光景に、
クスっと笑ってしまいます。

そこに現れた7番。
初登場時から一人だけまとってる空気が違ってて、
余裕というか隣の子達とは違うのよってオーラぷんぷんの女性。
3番と7番は少々の雑談を交わします。
そのうち
「オーディション中にトイレ行くヤツは、
 集中力が無いって思われるよ」と7番に言われ、
3番も退席したところに、久太郎が入ってきます。
てっきり、まいくろは彼女が
内部に潜んだもうひとりの審査員だと思ってたんです。
でも、彼女はふつうのオーディション参加者でした。

しかし、どうやら久太郎と7番はかつて恋人同士だったそうで。
「別に興味はないけどね」といいつつ、
彼女の最近を知りたがる彼にプププと笑ってしまいます。
いやいや、興味津々じゃん!(笑

で、全員が戻ってきて総評を聞きたがる3番。
「テンポがよくなかった」というコメント。
それは、先ほどの雑談で7番が言っていた
「よく見てない審査員は、テンポのことを指摘する」
を思い起こさせます。

食い下がる3番に「手本を見せる」といった久太郎は
7番を指名して『女は繰り返す』の演技を行います。

今年の春の文化祭で観たのは西岡さんと近藤さんのコンビでした。
今回は、別の女優さんと近藤さんの『女は繰り返す』。
女優さんが違うので、夫が惚れた理由が多少変わっていましたが
展開自体は、ほぼ同じ。
夫、夫の父、夫の母の3役をこなす近藤さん、もう流石としか。
ラストの面会のくだりの7番の笑顔が、
めっちゃ明るいのにめっちゃこわいです(笑
「同じ思いは、させたくないから」といって見つめ合う二人。
このラストシーンは恐ろしいのにおかしいという
二種類の意味で鳥肌の立つシーンです。
これもオーディションの一部というのを忘れて以下略。

でも頭の一部では別のことを考えている自分がいました。
恐ろしいですよね、演技するって。
元恋人だろうが微妙な関係の知人だろうが赤の他人だろうが、
「演技」してる最中は
その関係を振り切らなくちゃならないんですから。
そういうの、感じさせちゃならないんですから。


すべての参加者の演技が終わり、
オーディションの結果発表。

3番と5番が落選。
ここで、偶然聞いてしまった4番の口から
7番と久太郎が元恋人であるというのが参加者たちにも発覚。
「出来レースかよ!」と怒る5番。
ゼッケンを投げ捨て去っていきます。
しかし、7番も不合格との知らせ。

2、4、6、7番のメンバーは
マクベスでもロミジュリでもありませんが、
アンサンブルとしてなら合格、と告げられます。
チケットノルマは5000円チケット数十枚。
売れなければ買い取りという現実とともに。

「チケットノルマ有り」とは言われていたけど、
買い取りになるとは聞かされていなかった参加者たちは、
次々に辞退して去っていきます。
7番も、久太郎に
「未熟な若い子の演技を観て、
 自分はまだ大丈夫って安心したかったんでしょう」と。
そして久太郎も7番に
「そんな中だったら、
 自分は勝てると思って参加したんだろう」と。

オーディションに参加したことはありませんので、
芸能界の現実を私は知りません。
でも、こういう様々な思惑、あると思うんです。
別に汚いとか、黒いわけじゃないんだと思うんです。
そりゃあノルマの詳細を黙ってたのだけは悪いと思うけど。

落ち目になってきた不安を和らげたいと思う久太郎自身とか、
少しでも可能性の高い勝負を選ぶ参加者たちは、
別に悪いヤツじゃないよなって。

去っていく中、立ち尽くす3番の娘。
「個性を出せっていうけど、
 その個性を奪ったのはアンタたちだ」てな事を言います。
彼女は、そして彼女のような役者たちは、
「選ばれるための演技」のために、
自分の持ち味を消して、審査員たちの求める役者を演じた。
そして繰り返すうちに、自分の個性がなんなのか、
どこにあるのか、分からなくなっていったんでしょうね。

胸が苦しくなってきたところに、
久太郎が3番に贈った言葉が光をくれました。
「イヤになったら、辞めればいい」
「好きなら、続ければいい」

久太郎の背中を見送り、
オーディション会場を去っていった彼ら同様に、
3番のゼッケンを勢いよく剥がす彼女。

その下に、1番のゼッケン。

彼女は挑戦し続けていくことにしたのです。
だって、お芝居が好きだから。



ガバメンツの短編を劇中で使用して、
さらにチクリとする現実的な痛みを描きつつ、
でも、ラストはやっぱり笑って終わらせてくれました。

いいなぁ、この人の脚本って。
優しさだけじゃなく、厳しさもあって、でも説教臭くなくて。
笑っちゃうのに、バカすぎなくて。
「ひねくれた脚本」ってよく紹介されてるみたいです。
たしかに、素直・まっすぐ…なお話じゃないかも(笑
Bチームのみ観劇で、バタバタ帰りでしたが、観れて良かった。
そりゃあ本音を言えば
ガバメンツのメンバーである西岡さんの出てるチームも観たかったですとも…!

そんなガバメンツの脚本・演出の早川康介さん。
8月は青年座で
作・演出(ガバメンツ公演じゃない)もやるそうで。
東京じゃん! チケットとれたので行ってみよう。
折り込まれてたチラシのキャスト見たら
『ライト家族』のアイーダさん役の方が出演してました。


次回のガバメンツ本公演は11月の6~10日。
兵役コメディだそうです。
大阪公演のみですが、こっちも行こうと思います。

東京支部(?)のひら凌一くんも
今回の番外公演には出演はしてなかったけど劇場にいて、
本公演より一足先に、
ガバメンツが勢ぞろいしてるのも観れて良かったです。

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(画像は7年前に描いたものです)