月末月初の観劇ツアー 2(コトリ会議&大阪ゲキバカ編)

さて梅田で一泊してからの、大阪2日目。



↓ ネタバレ注意!

>コトリ会議『はなの台ふき』

コトリ会議は、以前大阪王子(野村さん)と
ステージタイガーの白井さんが共演したので観に行った劇団。
独特の言葉遣いとテンポを擁した台詞回しと、
突飛な展開がツボにはまってなるべく行くようにしています。

娘が心の病と診断されたことを母に告白するシーンから始まる、
普通のホームドラマと思いきや。
いつの間にか始まっているコトリマジック。
母親の発言が…あ、あれれ?(笑

いや、普通のホームドラマではありましたよ。
母親が宇宙のパワーについてやたら熱弁して、
カモミールを額に貼り付ける等の謎の儀式をさせますが、
娘を思っている事に変わりはなく。
その愛情に嘘はありませんでした。

中之島春の文化祭で観たときの向田倫子さんはオフィスのお局様役で、
その前に『ライト家族』で観たときはやはり母親役でしたが、
声の出し方から目線の優しさから、ぜんぜん違う。
今回はまさに宇宙のようにすべてを受け入れて抱擁する優しさの母親で、
『ライト家族』の母親は後ろから見守る、時に厳しさを含んだ優しさでした。

それから、長女役の野村由貴さん。
かわいいけどよく通る声で、よどみなく自分の信じる理論をつらつらと展開。
躁モードの時は無邪気な子供のように奔放で、
でも鬱モードに入ると小さく小さく、世界の終わりのような目で。

彼女の彼氏である「馬詰かん」役の白井宏幸さん。
コトリで拝見するのは2役目になりますが、前回の気弱な男性から一変、
登場する前に主人公と母親が語る前情報を裏切らない、
見た感じから明らかに「この人(も)、なんか変!」な立ち姿(笑
肩張って、あご引いて、ちょっと上目遣いで。
怖い先生の前にいるけど、
好きな子がこっち見てるから弱気を見せられない小学生男子、みたいな感じ。
じっくり話すと素直でよい子です。
でも、実年齢にしてはあまりにも幼すぎる部分がちょいちょいと。


登場人物たちは誰もがどこか「変」で、
わかりやすく体や心に歪みがある人もいれば、
自分はマトモだと思い込んでいることがある意味で危険な人もいて。
でも、そんなこと言ってる私も傍から見たらきっと変な人であるわけだ。
(だって昨日も昼夜でサイコ野郎が好きだったし!)

「普通の」一家の日常は、母親の思想が世界に認められることで少しずつ
今までの「普通」ではない方向に進んでいってしまい、
(私個人の印象としては)唐突に終わってしまいます。
カタルシスはないけど、その流れに流されていくのが楽しい作品。
独特の展開に、終演後は誰かと会話するまで魔法が解けないのです。


舞台のつくりは、斜めにぶら下げられた天井と、その下に家族団欒する場所。
部屋に四方の壁はなく、舞台の左右には空間があります。
(遠方のイメージで、そこに役者が立ったりする)
あの家に、壁はないんです。でもすごい閉塞感。天井に押しつぶされそう。
照明の色使いも不穏で、
でも、テーブルの上にある「台ふき」のしっとりとした感触に癒される。
(あれが凶器に変わるシーンもあったけど!)

これは主人公「小林智子」の気持ちなのかしら。
それとも外から見ている私自身の、勝手な印象かな?




>コトリ会議『おなかごしのリリ』

そのまま引き続き、もう一本。

タイトルに「おなかごしの」とあったので、
「生まれてくる前の子供たちの魂の話かな?」と思ってたんです。
役名表見たら、みんな「苗字+さん」だったので、
「あぁ名前が付いてない状態だから苗字だけなんかな」って。
もちろん違った!(笑
ホント始まる前に予想したって絶対当たる訳ないのに、
やめられない癖です。

こちらは、
集団自殺サークルの幽霊5人+死に切れなかったのを隠している生者1名の話。

そもそも、幽霊が額につけてる三角の布(ググッたら額烏帽子というらしい)を
つけてる人5人、付けてないのが1人って勢ぞろいして、
そこから前説(劇団員で今回出演してない室屋さん)が
「どうやら一人、死んでないのを隠している人がいるようです」
とか言い出すってちょっとなにそれ!(笑

その前説が効いたのと、
「幽霊という存在なんだから
 感覚が不思議で、自分が付いていけなくてもおかしくない」
という心の安全装置のスイッチが入ったのと、
なにより引き続き観劇の2作目ってことで
だいぶ私の頭は柔らかく現状を受け入れ、笑いまくりでした。

エビが嫌いだからエビの密漁をして以下略、とか、
幽霊だから壁も地球もすり抜けられるとか、
「そんな視点があったのか!」 
「でも聞くと確かに納得してしまう自分がいる!」というような
幽霊の感性や考え方が面白くて面白くて。
二作品に共通するのが宇宙って単語なのも乙ですね。
私にとってコトリ会議は宇宙ですから。


なによりこちらで楽しみにしていたのが、役者:若旦那家康さん。
観劇先の制作さんをしているのはよく見かけますが、
役者としての姿をまいくろが見るのは、今回初になります。
幽霊の中でも誰よりも幽霊っぽいオーラに包まれていて(褒め言葉)、
一人マイペースに動いています。
それがまた笑いを誘っていしまうという。
ある意味反則の人です。
唐突に現れた天からの使者によってもたらされたムチでしばかれた後の、
作中で唯一見せた奇妙奇天烈な動きも必見でした。

彼が探していたペットの亀の「ペロ(って名前だけど噛み付く)」の
退場の仕方のあまりのチープさに爆笑。
こういう、妙な「抜け」感がコトリ会議の魅力だと思います。

でもやっぱり、
自分の気持ちがストンと来るところで終わってくれたほうが好みは好み。
二作のうちどっちが好みかと聞かれたら、
タイトルで物語を落ち着かせた『おなかごしのリリ』を選びます。



>大阪ゲキバカ『いただきます』

大阪最後の観劇は、大阪ゲキバカの2本立ての残り1本。

抜け毛が気になる40代(正確な年齢が怪しいのでぼかす)の主人公、
さえないサラリーマン五十嵐十蔵。
アルバイトとして、
研究所で「夢の中で理想の人生が送れる」試薬のモニターになるのですが…
というストーリー。

全体的に安定感のある演技力の役者さんが集う中に、
ジャイ子役として存在する規格外パワフル好き放題(どこまで自由?)な
「THE 2VS2(にたいに)」の番匠真之さん。
過去と現在と夢と現実が登場する話で、
それでも話がぐちゃぐちゃにならないのは、
演出がわかりやすいのと、そしてなにより、
やり放題だけどキャラが一本芯が通って揺らがないジャイ子の存在。
「THE 2VS2」は、10月下旬に下北沢で公演あるそうで、それも楽しみです。

いいなぁ、と思った点は、
夢の中の存在である人生ゲーム三人衆の設定に整合性があったこと、
悪人はいなくて、悪人と呼ばれる立場の人にも
その行動に至る納得できる理由を描いていたこと、
そして『ありがとう』のキャラがこちらの世界で生きてたこと。

「悪人が居ない」という要素については、
あくまでもこの『いただきます』のストーリー展開で
理由のない悪のまま終わるキャラが居なくて良かったって意味です。
(基本的に悪いことした人が罰を受けないままに
 説教されて改心して終わる展開は、なんか甘くて好きじゃない)


タイトルの「いただきます」で締めくくられる幸せの画があたたかく、
小学生からおっさんまで演じ分ける役者さんたちの演技力に酔い、
大阪の観劇ツアーで一番最後を締めくくるのにベストな作品だったと思います。


こちらでも亜斗武さんにズキューンときました(笑
見た目に相反した幼さが見えてくる後半が、もうかわいくて!
『ありがとう』もそうでしたけど、結構設定はわかりやすいんです。
だから演技に集中できるというか。


あとこちらでは、藤井誠さんの演じわけの多さに目を見張りました。
影の薄い五十嵐家長男から、恐竜レスラー、どSなロリコン教師、などなど。
声はあんまり変えてる印象はなかったのですが、別人だ…!
(どっかで絶対観てると思ってたら『おぼろ』の鉄太郎だった)

大阪ゲキバカの今後は、柿ノ木さんの裁量しだいだったそうで。
継続だそうで、本当に良かった。
原石も宝石もゴロゴロしてましたもんねぇ。



そんなわけで取り急ぎですがこんな感じの大阪二日間でした。


偶然会えた人もいれば、なんと私を探してくれてた人もいて、
うれしい事ばかりでした。
出た人も観た人も、そしてこれを読んでくれた人もありがとう、お疲れ様です。

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(画像は7年前に描いたものです)