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『夢々×語×勿』 観てきてたんだよ

日曜は、なんちゃら山に行って
そびえ立つ雪の壁を見てきました。

そんなわけで私事ですが、3年になります。
観劇回数は減らない…というかむしろ増えてるし、
行く距離も、都内から関西方面に広がってるという。
こうやって自由にさせてくれて、
帰る場所になってくれることに感謝しつつ。
これからもお互いにそうありたいモノです。
まいくろです。


さて、話を26日の土曜日の夜に戻します。
昼の公演は、先日に記事をUPした森山君出演のお芝居、
そして夜公演は日暮里dー倉庫にて、
タカダのごはん『夢々×語×勿(ユメユメカタルナカレ)』
を観てきました。

ANDENDLESSの看板女優、田中良子さんが
急遽出演ということで知った作品なのですが、
なんと共演者に、3月の新撰組芝居『心音』で
まんまと私をだましてくれた(?)芹沢鴨を演じた
Marcy伊藤さんがいるというミラクル。
私はまだアンドレを知らなかった頃だけど
この二人共演してたんだよなぁ…なんて思いながら
チケットをオーダー。

そしたらほかにも大曽根敬大さんと鳥羽まなみさんも
『OTOGI狂詩曲』で観てた役者さんだったという。
なんなの? 世間が狭いの?
それとも私が誰かの手の上でコロコロしてるだけか!?


ちょっとチカラワザな部分もあるんだけど、
歴史×ファンタジーな展開は私の好きなもののひとつです。
生演奏だったのも、ちょっとオトクな感じ。
演奏のお二人は、物語中で通行人的な役もやってたり。

やっぱりね、いろんなお芝居観てて思うんですけど
「イイ方向に進んで欲しい」って願っちゃう。
だって人間が創って紡ぐ話なんだから、
完全な現実とは、やっぱり違うモノなのだから。
観劇経験を、現実を歩き出す力の元にしたいのです。
ご都合主義と言われても
どこかに光が欲しい、って思うんです。

今回の『夢々×語×勿』は、
過剰すぎず足りなすぎず、投げっぱなしにせず。
ちょうどイイ「光」のあたり具合だなって思いました。





未来を覗く力を持った、
戦国の世に生きる武将、織田信長。
母親の再婚によって
彼と似た名前になった現代の青年、織田信行。
二人の人生が交わる時、黒服の語り部が披露する物語。

こんな過去もあったのではないだろうか。

こんな未来も、あったのではないだろうか。





↓ ネタバレ注意!




dー倉庫は客席の傾斜が大きくて、
前から4列目以降くらいからはもう、
出演者を見下ろす感じになっちゃう座席。

人が上に乗りそうな装置がいくつかあったので、
やや後ろめの、通路側席で観ました。
まぁ劇場の規模的に、
後方でも「表情が見えない!」って事は無いし。
通路側に座ったのは
純粋に開けた視界が欲しかっただけなのですが、
自分の真横を役者が通るとは思ってなかった…(笑


現代っ子の信行くんが、屋上から転落した際に
戦国時代にタイムスリップしちゃうという話なんですが。


伊藤さんが信長だっていうのは、
あるキャストさんのブログで知ってしまっていたので
「この間の芹沢鴨に輪をかけた、超横暴俺サマ体質の信長」
を想像して観にきてみたら、
なんとまぁポーッとした…穏やかな表情の信長さま。
未来を見ることができるけど、それに翻弄されない人物。
ただ、優しすぎる性格はこの時代では甘さと言われ、
ウツケと呼ばれてしまっています。
今回は伊藤さん自身は刀振らないんですが、
他のキャストの殺陣をつけてたそうです。

覗ける未来で出会った少女(=そらちゃん)に
信長が知らず知らず彼女に淡い思いをいだいたり、
少女が信長を「おにいちゃん」と呼ぶのは、
ラストの信行の選択に続く伏線ってことだったのですね。
彼は「織田信長」の未来を見てた、って事で。
(すべてが終わって戻ったあとの、二人の会話なのかなぁ)



さて今回の良子さんは、
スリップ直後の信行くんを介抱してくれた
平士郎くん&慎之助くんの母親「絹さん」として登場。

登場して速攻
「息子と血がつながってない」というのが判明し、
その前のシーンでは
「信行くんの母親はいなくなった」
と、におわせる描写があり。
信行というの名前を聞いてからの彼女の反応で
「そっか、絹さんは…」と直感的に想像したのですが、
どうやらそれは(珍しく)当たっていました。

物語の最後まで、
絹さんは信行くんに実母であることを明言しません。
(絹、という名前も戦国時代でだけ名乗ってる名前みたい)
ただ、直接的なセリフではなくていくつかのシーンが
彼女と信行くんが親子であることを語ってくれています。

これは私の想像なんですが…
絹さんは
戦国時代で思いがけず実の息子との再会を果たしたけど、
自分の意志ではないにしろ、
ずっと現代の家族を放っておいたのは事実で、
母と名乗る資格はないんじゃないか…とか、

もしここで実母だと名乗ったら
信行くんは(心の中だけにしろ)母に甘えてしまって、
右も左もわからない世で独り立ちできない、とか。

この時代での暮らしで、血はつながらないけど
自分を母と呼ぶ息子達(平士郎&慎之助)がいるのに
血がつながってるというだけで
信行くんを同様に受け入れてしまうのは
安易だし、あの二人に悪いのではないか、とか…
もろもろ考えた末での、
あの距離の取り方なんだろうな、と。


信行が家を出てお城に向かうところが、
絹さんがらみで一番好きなシーンで、好きな表情です。

かつて、些細な気持ちの行き違いから、
その日の信行は
母の「いってらっしゃい」に答えませんでした。
そしてその日、母親は姿を消しました。
それからの信行くんはきっと、
返事をしなかった事をとても後悔したんだろうと思います。
あの日答えていたら、未来は違ったんじゃないか…って。

そして、それより時代を遙かにさかのぼった、今日。
絹さんは信行くんの背中に、もう一度、
「いってらっしゃい」と声をかけます。
その言葉が信行くんの心に懐かしく響いたんだなーってのが、
彼らの表情を見て伝わってくるのです。
絹さんの教え通り、振り返らずに前を見据えて、
信行くんは母に「いってきます」を言って未来へ進みます。



他の登場人物にも、印象的なシーンや姿がありました。

オープニングでは女性かと思うほど端正な姿だったのに、
抱えた闇をさらけ出したときの表情が秀逸だった信勝とか。

笑いを一手に引き受けた元祖ツンデレひげ饅頭の森可成とか。

オンオフの切り替えはっきり、
後半まさかの展開だった虚(うつろ)とか。

喪った後の声が悲痛な千代ちゃんとか、
彼女の頭にそっと手をおいて、母に礼をする平士郎とか、
気ぃ遣いの彼を思って「ちったぁ気を遣え」と笑う陣内とか。
そんな彼に「また!」って希望を投げる心の強さが眩しい、
きっと可成の養子になったんじゃないかな
(理由は単純に髪型がバサラの彼に似てるから)と、
勝手に想像しちゃった慎之助とか。

「俺がお前の帰るべき場所になってやる」と言われた瞬間に
そうか、彼女があのポジションか! と
客席でまいくろ大興奮の蝶さんとか。

そしてそんな彼らを一歩ズレた空間から見つめている
存在感と説得力のある、黒服の語り部とか。




ストーリーや設定で色々と
「そうもってきたか!」な部分があって
もっと登場人物達を見つめたかったけど
リピート観劇かなわずの日程だったので台本を購入しました。

もうね、ト書き(地の文?)の量がすごいの。
作中では語られなかったエピソードも書いてあるし、
しっかりめの製本で、普通に小説として読めます(笑
個人的な印象ですが、ト書き部分の描写が回想風なので、
このまま映像作品の台本にも使えそうな感じ。

ここに役者さんの個性が乗っかって、融合して。
そりゃ楽しいよなぁ。

良子さん、急遽決まったキャスティングで
今週の出演作『ゆめゆめこのじ』(しかも日替わり二役!)と
かけもち稽古してるのを微塵も感じさせない
見事な生きっぷりでした。
沢山の息子に愛されて、沢山愛して、母親冥利に尽きる役。

これ、観に来てよかったなぁ。

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